視点と手だて

外国語(英語)科
1
みんなで学び合い、英語が読める、
英語が書ける力を育てよう
研究課題設定について
英語科の目標として、実践的コミュニケーション能力の育成が求められている。そのためには、
コミュニケーションへの積極的な態度を身に付けることが大切である。また、基礎・基本の確実な
定着を図るための指導と評価の工夫が重要である。
一方、平成13年度・15年度小中学校教育課程実施状況調査や、本市で行われてきた学習到達
度調査結果からは、英語科においては、
「文章の流れや全体の概要を理解することや、自分で考え表
現する(特に書く)こと」が十分でなく、無解答も多い点が指摘されている。
中学校においては、聞くことや話すことなど音声によるコミュニケーション能力の育成を重点に
おいて指導しながら、読むことや書くことを育成する指導の工夫を進めるとともに、コミュニケー
ションへの関心・意欲を高めることが重要となる。
そこで、本研究としては、基礎・基本としての読む力を大切にしながら、書く力を育成する指導
の工夫や、意欲を高める学習指導の方法、確実な定着を図るための評価について研究を進めた。
2
研究の視点と構想
英語科では次の4つの視点を設け、具体的な手だてを試みた。
みんなで学び合い、英語が読める、英語が書ける力を育てよう
視点③読む楽しさを味わわせ読
視点①意欲を高め基礎的な力を
む力を養う工夫
伸ばす学習形態の工夫
「ペアワークやグループワーク
「音読の楽しさや文章の内容を
を活用した学習活動の工夫を通
読み取る面白さを味わわせ、基
して、意欲や達成感を高めるとと
礎・基本として重要な読む力を
もに基礎的事項の定着を図る。
」
養う学習活動の工夫をする。
」
視点④基礎・基本の確実な定着
視点②自分の考えを自分の言葉
を図る指導と評価の工夫
で書かせる指導の工夫
「継続して繰り返し練習させる
「書くことを通して、自分の考え
ための指導の工夫や、達成感を
をもち、自分の考えをまとめ、自
感じさせる評価や基礎・基本の
分の言葉で表現する力を養う。そ
定着を図るためのきめ細かな見
のための手だてを工夫する。
」
取りを工夫する。
」
<現状>
1
基本的な文章の聞き取り、読み取りや基本的文法事項や慣用表現については、概ねよくできている。
2
文章の流れや全体の概要を理解することや、自分で考え表現する(特に書く)ことに課題がある。
1
研究の視点に基づいた手だて
手だて
具体的に期待できる効果
配慮事項
①
<学ぶ力を高めるペアワーク・グ
ループワークの工夫>
・英語の学力と生徒同士の相性調
査(ソシオメトリー)による、
学習効果を上げる英語学習ペア
・読むことや書くことの学習活動
を効果的に行うための、リーダ
ーとパートナーが協力して行う
ペアワークやグループワーク
・リーダーがパートナーを
支援することにより、双
方の力が向上する。
・活動を行うだけでなく、
生徒相互による評価機能
が働く。
・人とのかかわり合いを多
く経験し、コミュニケー
ションへの積極的態度や
意欲が向上する。
・生徒の人間関係を配
慮し、事前の調査や
準備を十分に行う。
・生徒に座席の意図を
よく理解させ、協力
して学習効果が上が
るよう配慮する。
<書く面白さを感じさせ、技能を
育成するライティング指導>
・英作文のための知識や技能を身
に付けさせる段階的指導とグル
ープワークを活用した指導
(Chain writing, Making a
story, Relay notebook 等)
・人との意見の違いに気付き、自
分の意見を発表する楽しさを感
じさせる場の工夫
・英語で表現することの面
白さを知る。
・英語で表現できた達成感
を感じ、意欲が高まる。
・英語で書く技能が向上す
る。
・英語を書くことの楽
しさを味わわせ、間
違いを気にせず英文
を書く姿勢をもた
せ、自分の考えを表
現したくなるよう工
夫する。
・自分の英文が認めら
れる場を設定する。
<生徒が主体的に楽しく取り組む ・多様な音読方法で飽きず
に繰り返し練習できる。
音読指導>
・効果的で多様な音読練習方法の ・ペアでチェックし合うこ
とで、楽しく緊張感をも
工夫(Buzz reading, 1 minute
って行える。
reading, Shadowing & Quick
・英語が苦手な生徒も、英
response 等)
語が読めることで自信を
・評価、記録カードの活用
もつことができる。
・発表会
・飽きずに取り組める
よう、多様な音読方
法を工夫する。
・多く読めば、上手に
なることを実感さ
せ、意欲を高める。
<速く読み、概要を掴むリーディ
ング指導>
・WPM(words per minute)を用
いた速さと正確さの測定
・目標をもった継続的指導と振返
り
・英語を読み取る能力と読
む速さが向上する。
・いつ、誰が、どこで、何
をした等の英文の概要を
意識した読み方が身に付
く。
・適切なレベルの教材
を用意し、語彙や文
法事項は、ほぼ既習
のものとする。
・設問の難易度を適切
に設定する。
<達成感と自信をもたせる指導と
評価>
・全員がスタンプを得られるよう
ケアする復習ノート、授業ワー
クシート点検の取組
・全員が合格できるまでケアする
復習テスト
・スモールステップの課題
にすること、細かく見取
ることで、全員が目標達
成に向けて努力する。
・再テストで最終的に合格
することで、自信をもつ
ことができる。
・再提出でもスタンプ
を押してやり、意欲
を喚起する。
・TTを活用し、生徒
全員に目が届くよ
う、担当教員が協力
して指導にあたる。
)
視点
(
②
③
実践
事例
1
)
②
(
①
④
実践
事例
2
)
③
①
④
(
3
実践
事例
3
4
④
実践
事例
4
5
2