慶應外語 シラバス Syllabus 2016 年度春学期 講座名 コミュニケーションロシア語 外国語科目 レベル 曜日 ロシア語 上級 月曜日 使用テキスト 担当講師名 SNITKO Tatiana (スニトコ・タチアナ) プリントを配布します(主要教材には『ロシア語インテンシブ』を用います) 。 当講座の目標: コミュニケーションを円滑に行えるようになることが目標となります。 受講生のロシア語力(会話、モノローグ、読解、作文、聞き取り)のレベルアップを図るため、 知っている語彙(自分で話す語彙と聴いて理解する語彙)の数を増やし、習得した文法事項や単語 を会話で用い、ロシア語を聴いて理解し、正しい発音ができるようになることを目指します。 コミュニケーションを行なう時に欠かせない「会話のエチケット」を身につけられるようにしま す。授業では 20 以上のシチュエーション( 「誰かをほめる時」や「見知らぬ人に話しかける時」な ど)に対応するための会話表現を習得します。その際、言葉のエチケットだけでなく、顔の表情や 手振り、身振りなども身に付けられるようにします。 異文化に対する理解を深めることも目標の一つとします。会話におけるユーモアの重要度、感情 の表現方法など、日本とロシアのコミュニケーションには言語上の文化の違いがあります。ロシア 語によるコミュニケーションの特徴を理解することによって、文化の違いから生じる誤解や言葉の 摩擦を避けることを目指します。 また、ロシアの文化、伝統、習慣に関する知識を増やすだけでなく、日本のことをロシア語で語 り、紹介できるようになることも必要です。 授業の内容: ロシア語でコミュニケーションを円滑に行えるようになることが当講座の主目的ですので、授業 では様々な練習を通じて実践的な会話力を徐々に身につけていくことに力をいれます。また、学ん だことを定着させ、活用できるようにするために、様々な場面・状況を想定した会話練習、ロール プレイ、逐語通訳練習なども積極的に授業に取り入れていきます。短いコメディを見て、聞き取り の練習も行います。 当講座では『ロシア語インテンシブ』を主要教材に用います。この教材の特徴の一つは、その国 の文化や習慣などを追体験できるようになっていることです。教材の内容は一貫した筋立てになっ ており、「文化」テレビ局のクイズ番組で優勝した人たちがロシアの各地からモスクワのオスタン キノ・テレビセンターに集まり、一緒に行動するという話です。年齢も職業も出身地も異なる彼ら (彼女ら)がモスクワで 1 週間過ごし、その後、東京に行って、日本の生活や文化に親しんだり、 交流会やビジネスマンの会合に参加したりします。 異文化に対する理解を深めるために、映像資料も適宜紹介します。 週ごとの授業の進め方や内容など具体的なことは、下記の「講座の計画」をお読みください。尚、 第 3 週目以降は箇条書きにしてあります。 講座日 第1週 4 月 18 日 講座の計画 初回の授業では受講生の皆さんに自己紹介をしていただきます。 (例えば、どんな目的 でロシア語を勉強しているのか。いつ、どこでロシア語の勉強を始めたのか。現在、ロ シア語を使っているのか。あるいは、将来、ロシア語を使おうとしているのか。もし、 そうであるなら、どこで使っているのか、あるいはどこで使おうとしているのか。ロシ ア語を仕事で使っているのか。ロシアに行ったことはあるのか。ロシアに行く予定はあ るのか。この講座でどんなことを求めているのか等々。 ) 次に、授業の目的や進め方、使用する教材について説明した後、発音練習を行ないま す。初回は早口言葉を使って楽しく練習しましょう。 尚、受講生の皆さんにはロシア名で呼びかけますので、自分のことをこう呼んで欲し いというロシア名を選んでもらいます。その際、ロシア人の名前に関する情報をお伝え すると共に、苗字あるいは愛称でのロシア人への呼びかけ方についての説明も行ないま す。 その後、主要教材『ロシア語インテンシブ』の序章「登場人物」に移り、この教材に 登場する人達について書かれた文章を読み、彼らの出身地をロシアの地図で調べ、重要 な表現を学んでいきます。 宿題: 皆さんの新しい名前(ロシア名)を記入したカードを作り、そこに性、年齢、 職業、趣味、家族構成、生まれた町や暮らしている町などを自由に決めて書きこみ、自 分の望む「新しい人生」を創り上げてください。 第2週 4 月 25 日 授業のテーマ: 初対面、自己紹介、専門、趣味、家族、ロシア人の名前、ロシアの地 理、それぞれの都市の住民の呼び方(例:москвич モスクワっ子) 。 挨拶と発音練習を行った後、宿題でカードに書き込んでもらった「新しい人生」を基 に自己紹介をしてもらいます。 その後、主要教材(『ロシア語インテンシブ』)に移り、序章の続きにあたる「もっと 詳しく(ロシアの地図付き)」を読んで、登場人物たちのことを更に詳しく知りましょう。 それが終わったら、第 1 課「お知り合いになりましょう」に進みます。 ロシア語を話す際のエチケット(会話のエチケット)を身に着ける勉強もしますが、2 週目は「誰かを紹介したい時」、「第三者を通して誰かと知り合いになる時」の表現を学 びます。 宿題を2つ出します。まず、主要教材に登場する人物と彼らの出身地について調べて ください。次は「新しい人生」に関する宿題です。次回の授業で「私の故郷(出身地) 」 について話した後、質問に答えられるようにしてください。 第3週 5月2日 授業のテーマ: ロシア人の名前、家族(親族・家系). アンケートの記入方法に関する 説明。 「新しい人生」: 受講生の発表と質疑応答( 「私の故郷」について) 主要教材(『ロシア語インテンシブ』 ) : 第 1 課「お知り合いになりましょう」 (前回の 続き)。 アンケートの記入方法に関する説明。 会話のエチケット: 「知人を通して誰かと知り合いになる時」と「知人を介さない で誰かと知り合いになる時」の表現。 宿題: アンケート用紙に回答を記入してくること(「新しい人生」に関する宿題) 。 第4週 授業のテーマ: 履歴(履歴書) 、教育システム、学位(日本・ロシア)。 5月9日 「新しい人生」: 受講生の発表と質疑応答( 「履歴」について)。 主要教材(『ロシア語インテンシブ』 ) : 第 1 課「お知り合いになりましょう」 (続き)。 愛の言葉とロシア風結婚式に関する説明。 映像資料: プレゼントの花を選ぶ方法(どの花がどのような感情を代弁するのか、花 の数や花の色は何を意味するのか) 。ロシア特有の縁起かつぎ。 会話のエチケット: 「既に知り合っていたことを相手に思い出させようとする時」 、 「改めて知り合いになる時」、「挨拶をする時」、「知り合いや見知らぬ人に話しかける 時」の表現。 宿題: 「私の初恋」 (「新しい人生」に関する宿題)。 第5週 授業のテーマ: 愛、結婚。 5 月 16 日 「新しい人生」: 受講生の発表と質疑応答( 「私の初恋」について) 。 主要教材(『ロシア語インテンシブ』 ) : 第 1 課「お知り合いになりましょう」 (続き)。 愛の言葉とロシア風結婚式に関する説明(続き)。 映像資料: アンドレイ・ミローノフの歌「僕は結婚する«Женюсь»」 (映画『麦わら帽 子』 «Соломенная шляпка» より)。 会話のエチケット: ほめ言葉。 宿題:「ラブストーリー」をテーマにした作文 (「新しい人生」に関する宿題) 。 第6週 授業のテーマ: 愛(芸術と文学)。 5 月 23 日 「新しい人生」 :「ラブストーリー」コンテスト。 主要教材(『ロシア語インテンシブ』 ) : 第 1 課「「お知り合いになりましょう」 (続き)。 映像資料: プーシキンの詩『悲恋』 ( «Я Вас любил»)。 会話のエチケット: ほめ言葉、恋の告白。 宿題: プーシキンの詩『悲恋』(«Я Вас любил»)を朗読すること。 第7週 授業のテーマ: モスクワの地図、モスクワの観光名所。 5 月 30 日 プーシキンの詩『悲恋』 ( «Я Вас любил»)の朗読コンテスト。 主要教材( 『ロシア語インテンシブ』 ): 第 2 課「モスクワ」。 モスクワツアー(モスクワの案内をしてみましょう) 。 宿題: 「私のモスクワ」(「新しい人生」に関する宿題)、通訳の準備(モスクワの観 光名所) 。 第8週 6月6日 授業のテーマ: モスクワの地図、モスクワツアーが始まる前に、モスクワのバスツア ー。 「新しい人生」: 受講生の発表と質疑応答問(「私のモスクワ」について)。 主要教材( 『ロシア語インテンシブ』 ): 第 2 課「モスクワ」(続き) 。 モスクワツアー(モスクワの案内をしてみましょう) 。 モスクワツアー(通訳練習)。 会話のエチケット: ガイドさんとの会話、ガイドさんへの質問。 宿題: 通訳の準備(モスクワの観光名所) 。 第9週 6 月 13 日 授業のテーマ: モスクワのバスツアー、モスクワ郊外のダーチャ(別荘)訪問、誕生 日のお祝い、バーニャ баня(ロシア式サウナ)。 モスクワツアー(通訳練習の続き) 。 主要教材( 『ロシア語インテンシブ』 ): 第 3 課「ダーチャにおける誕生日のお祝い」 。 会話のエチケット: 誕生日のカードの書き方、誕生日のプレゼントの選び方と渡し方、 ロシアの伝統的な誕生日の祝歌、乾杯の音頭の取り方。 宿題: 誕生日のお祝い(ロールプレイの準備) 。 第 10 週 授業のテーマ: 日本と日本文化。 6 月 20 日 ロールプレイ: 誕生日のお祝い。 主要教材( 『ロシア語インテンシブ』 ): 第 4 課(その 1) 「東京 ― 浅草の観光案内、 東京湾クルーズ」。 東京ツアー: 東京案内をしてみましょう。 会話のエチケット: 感情の表現、お礼・おもてなしの表現。 宿題: 通訳の準備(東京の観光名所) 。 第 11 週 授業のテーマ: 日本と日本文化、ロシア人から見た日本人、ロシア人と日本人の特徴。 6 月 27 日 東京ツアー(通訳練習) 。 主要教材( 『ロシア語インテンシブ』 ): 第 4 課(その 2) 「東京から鎌倉へ ― 長谷・ 大仏ツアー」。 会話のエチケット: 外国の代表団への挨拶、意見交換、了解・誤解・賛成・意見の相 違の際の表現。 宿題: 復習、ロールプレイの準備。 第 12 週 ロールプレイ: 交流会。 7月4日 今期のまとめ。 担当講師から受講生へのコメント: シラバスはあくまでも目安であり、必ずしもシラバスどおりに 授業が行なわれるとは限りません。授業の進度は受講生のレベルに合わせますし、受講生の希望等に よっては、授業方法の一部変更も配慮します。
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