授 業 保健・医療行動科学 科 目 Behavioral Aspect of Health and Illness 【氏名】 担 当 教 員 そう 2 学年 前期 必修 30 時間 2 単位 【研究室】 すっちゃ 徐 淑子 316 【到達目標】 １．「健康と病気」をめぐる諸行動の多様性を理解する ２．行動モデルを用いて身近な健康現象を理解・説明することができるようになる ３．保健行動についての知識が看護業務にどのように生かされ得るのか、自己の考えを説明できるようになる 【授業概要】 この授業では，身近な例を取り上げながら，ある保健行動が起こる背景にはどのような心理的なしくみがあるの か，また，どのような個人的・社会的条件がそろうと保健行動が起こりやすいのかについて，代表的な説明モデル を踏まえて考えていきます。また，保健行動がおこる仕組みや背景要因についての知識を，どのようなかたちで健 康教育や患者教育に応用することができるのか，その可能性についてもとりあげます。 時間割編成の関係で、授業実施時期が 4 月から６月、９月の前後２パートに分かれます。学習課題のⅠからⅢは 前半に、学習課題のⅣからⅥは後半でとりあげる予定です。 【授業計画】 回数 授業形態 １ 講義 と 課題 ２ ３ 学習課題 Ⅰ「保健医療の行動科学」とは 学習内容 「行動科学」の意義を「生活者の視点か らみた健康・病気」「実際問題への応用」 という観点から，理解する。 備考 映像資料 講義 と 課題 Ⅱ 保健行動の多様性 保健行動の分類とその特色について， 以下の４つの視点より学ぶ。 ① 直接性－間接性 ② 行動が健康におよぼす効果 ③ 健康－病気のサイクル ④ 専門家関与の有無 映像資料 講義 と 課題 Ⅲ 保健行動の生起 （保健行動にかかわる個人内要因） 保健行動の生起について，「態度－行 動理論」の立場に立つさまざまなモデル について学ぶ。 ① 教育（KAP/KAB）モデル ② 恐怖アピールモデル ③ 保健信念モデル ④ 保健行動シーソーモデル 映像資料 講義 と 課題 Ⅳ 保健行動の習慣化 習慣化された保健行動は，どのように して個人の生活の中に組み込まれてい るのか。以下のモデルを学習することに より理解の端緒を得る。 ① 生活構造とは ② 段階的変化理論 ③ 自己効力感モデル 映像資料 講義 と 課題 Ⅴ 精神健康と保健行動 精神健康が保健行動の実践におよぼ す影響について，生活ストレス論の立場 から学ぶ。 映像資料 ４ ５ ６ ７ ８ ９ １０ １１ １２ １３ 講義 と 課題 Ⅵ 行動科学的な知見の応用 講義 まとめと補足 行動科学的知見の生活習慣指導にお ける個別支援への活用について，課題 作業をしながら学ぶ。 映像資料 １４ １５ 【評価方法、評価基準】 ● 評価方法 ・ 期末レポートで評価を行います。評価基準はレポート出題時に示します。 ・ レポートの提出がない場合は，全回講義に出席していても不合格です。 ・ レポートを期日に遅れて提出した場合は，受け取りません。 ● 出席について ・４回（４コマ）欠席の場合にはレポートの得点から 20 点を減点します。 ・５回（５コマ）欠席は学内規定のとおり、不合格となります。 ・公欠，病欠，忌引き，など，届け出のある欠席は，以上に数えません。ただし，欠席回数が 通算して５回以上ある場合は，届け出のあるなしを問わず，不合格とします。 【必携図書】 指定の教科書はありません。必要な資料は，授業時間ごとに配布します。 【参考図書・資料等】 Bartholomew LK et al. (2011): Planning Health Promotion Programs –An Intervention Mapping Approach, Jossey-Bass, SF. Conrad P. (2001): The Sociology of Health and Illness-Critical Perspectives Sixth Edition, Worth Publisher, NY. 中川米造，宗像恒次編(1989)：医療・健康心理学，福村出版． 宗像恒次（1996）：最新行動科学からみた健康と病気，メヂカルフレンド社． Taylor S.E. (2003): Health Psychology Fifth Edition, McGraw-Hill, NY. 【受講、課題、資料配布等のルール】 ● 授業中に実施する課題について ・ 毎回の授業でみなさんに課題に取り組んでいただきます。 ・ 課題用紙は出席票を兼ねますので、毎時、かならず提出してください。課題を遅れて提出した場合受け 取りますが、記録上は「欠席」とします。 ・ 課題の答案は、成績判定の資料としません。 ● その他 ・ 授業中の静寂を保つことを要請します。私語厳禁。 【教員からのメッセージ】 複雑な人間行動を説明する統一的な理論（グランド・セオリー）はありません。「学」が提供するモデル（理論）的な 思考は，ある人の行動にかんする背景的な情報を，シンプルなかたちでとりだす手助けにはなりますが，そうして 取り出された情報がその人のすべてを物語っているのではないことはいうまでもありません。この授業をとおして， あなたがモデル的な思考によってもたらされる利益と限界の両方を知ることができたなら，私の教員としての役割 は果たされたといってよいでしょう。
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