平家物語

第2学年
組
国語科学習指導案
指導者
1
単元名
「いにしえの心を訪ねる」
~平家物語に表れた昔の人の物の見方や考え方に触れ、古典に親しむ~
2
単元の目標
(1) 古文特有の言葉遣い・リズムをとらえ、読み慣れようとしている。
【国語への関心・意欲・態度】
(2) 登場人物の言動の意味や情景描写の効果を考え、内容を理解して、自分なりの感想や意見を持つ
ことができる。
【読むこと】
(3) 古文の仮名遣いなどの基礎知識や、表現の技法・語の意味などを理解することができる。
【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】
3
単元と生徒
(1)単元について
本単元は、主として中学校学習指導要領第2学年の指導事項の「C 読むこと」の「イ 文章全体
と部分との関係、例示や描写の効果、登場人物の言動の意味などを考え、内容の理解に役立てること。」
「伝統的な言語文化に関する事項」(第2学年)の「ア(ア)作品の特徴を生かして朗読するなどし
て、古典の世界を楽しむこと」「ア(イ)古典に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物や作者
の思いなどを想像すること」の内容を受けて設定されている。
本単元でつけたい力は、古典に表れたものの見方や考え方をとらえ、登場人物の人物像を説明する
とともに、それに対する自分の考えを表現する力である。
本題材は、平曲として語り継がれてきた物語であり、古文特有のリズムと表現を楽しむのに最適な
作品である。また、登場人物の生き方や心情を通じて描かれる世界観、人生観に迫ることにも意義が
ある。中でも、「那須与一」の場面は、源氏と平家の両軍が見守る中で、源氏方の武者である那須与
一が見事な弓の技を見せる場面である.そこに描かれているのは、与一の見事な弓術のみならず、味
方の名誉のために、命がけで挑む悲壮な心情が描かれている。
このような心情を読み取ることで、生徒は昔の人のものの見方や考え方に触れることができると考
える。
(2)単元と生徒(省略)
(3)指導について
古文の指導の第一歩として、まず読み慣れることが大事であると考える。「平家物語」は琵琶法師
の語りによって受け継がれてきた文学である。はじめから文字で書かれ伝えられてきたものよりも、
語りに適した形へと磨かれてきており音読には適した教材である。繰り返し音読をすることによって、
古文の読みに慣れ、同時に内容の理解も進む。さらに、現代語訳を原文と交えながら読むことで、深
い内容の読み取りへと繋げていきたい。登場人物の生き方・考え方を理解させることで、古典の世界
に積極的に関わる態度を育てたい。
4
単元の全体計画(全8時間)
学
習
内
容
学習の見通しを持
ち、武士のイメージを
まとめる。
「平家物語」の歴史
的背景を知る。
全文の音読練習をす
る。
「扇の的」の部分か
ら与一の人物像を読み
取る。
「扇の的」の部分の
最後の4行を読み、武
士の心情やものの見方
をとらえる。
「弓流し」の部分を
読み、義経の心情をと
らえる。
これまでの読み取り
をもとに、武士の心情
や生き方について考え
を持つ。
時間
1
1
2
1
(本時)
1
1
1
関心・意欲・態度
読む能力
言語についての知識・理解・技能
学習の進め方を確認
し、武士に対する自分
のイメージをまとめて
いる。
作品の時代背景や武
士社会のあり方などを
通して、作品に興味を
持って取り組もうとし
ている。
古文の特有の言葉づか
いやリズムをとらえ、
読み慣れようとしてい
る。
古文の仮名遣いや
和漢混淆文体、対句
表現など文章の特徴
を理解して朗読して
いる。
与一の置かれた状
況や心情を理解して
自分なりの考えを持
ち、その理由を説明
している。
与一が弓を射た後
の周りの武士たちの
反応について自分の
考えを述べている。
義経を中心に登場
人物の考えをとらえ、
自分の考えを話して
いる。
これまでの読み取
りを振り返り、武士
の考え方、生き方に
ついて自分の考えを
持っている。
5
本時の計画
(1)ねらい
扇の的の部分を読み、与一の置かれた状況や言動をもとに与一の人物像をとらえ、それにふさわ
しい一字の漢字を考えて理由とともに発表することができる。
(2)本時の学習過程
学
習
活
動
1
学習の見通しを持つ。
2
学習課題をつかむ。
時間
7
○教師の指導の手立て
○
◇評価
見通しを持たせるために、学習の流れを
示す。
教材・資料等
短冊
与一の人物像をとらえ、漢字一字で表現しよう。
3
古文を音読する。
4
「扇の的」の場面の状況・与一の
思いを確認する。
5
与一はどんな人物か話し合う。
6
与一という人物を漢字一字で表
現し、発表する。
(選ぶ・書く・説明する)
40
○
内容を考えながら、古文のリズムに注意 ワークシート
して音読するよう指示する。
○ 天候など古文から読み取れる場面の状況
絵
を一つずつ上げさせ、黒板にまとめていく。
○ 状況が与一の心理に与える影響もとらえ
させる。
○ グループで、先にまとめた場面の状況の
中で矢を射た与一という人物について感じ
たことを話し合わせる。
○ これまで読み取ったことをもとに、与一
の人物像を表すのにふさわしい一字の漢字
を考え、漢字にした理由も考えさせる。
○ 各自でカードに記入させる。
記入用カード
場面の状況や、グループでの話し合い
をもとに、与一という人物を象徴する漢
字を考え、理由と併せて表現することが
できる。
7
本時の学習を振り返り、次時の
予告を聞く。
3
○
本時の振り返りをする。