2015年12月15日 投資情報室 新興国レポート 高成長を続けるインド経済 中国をしのぐインド経済の成長率 主要新興国であるブラジルやロシアの実質GDP(国内総生産)成長率(前年同期比)は、商品価格低迷による 輸出の停滞や企業による設備投資の手控え等からマイナス成長が続いています。中国とインドは相対的に高 い成長を続けていますが、中国の勢いは政府が進める構造調整の影響等により弱まりつつあります。一方、 インドは2015年7-9月期の成長率が中国を上回る、2015年10月の乗用車販売の伸び率(前年同月比、3ヵ月平 均)が中国の約3倍となる等、成長の勢いが増しつつあるようです。 インド経済が好調に推移している背景としては、以下のような点が考えられます。 ① 貿易に占める中国の比率が相対的に低く、中国景気減速の影響を比較的受け難いと思われること。 ② インドは原油の純輸入国であり、原油価格下落が物価や国内消費に好影響を与えている可能性があること。 ③ インド準備銀行(RBI)による利下げの効果が浸透し始めているとみられること。 ④ インフラ整備を重視する今年度予算の執行が進展し始め、政府消費や固定資本形成の寄与が拡大し始めた こと。 RBIの金融緩和策等を受け、インド経済は当面、足元の堅調さを維持するものと考えます。しかし、もう一段の 高い成長を実現するためには、GDPの6割弱を占める個人消費の底上げを図る必要がありそうです。 図表1:主要新興国のGDP成長率(前年同期比)比較 (2012年4-6月期~2015年7-9月期 四半期) 10 (2012年4-6月期~2015年7-9月期 四半期) 9 (%) 8 (%) 8 6 4 7 2 6 0 ‐2 中国 ブラジル ‐4 ロシア インド 中国 インド 5 4 ‐6 12/6 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 12/6 15/6 (年/月) 図表2:国内乗用車販売(前年同月比、3ヵ月平均)推移 20 (2014年1月~2015年10月 月次) (%) インド 15 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 (年/月) 図表3:インドの実質GDP(前年同期比)寄与度推移 (2015年1-3月期~7-9月期 四半期) 10 その他 (純輸出など) (%) 中国 8 総固定資本形成 10 6 5 4 政府最終消費 0 2 民間最終消費 ‐5 0 ‐10 ‐2 GDP 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 (年/月) 15/3 15/6 15/9 (年/月) 出所:図表1~3はブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価 証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております が、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将 来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投 資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 1/1 〈審査確認番号H27-TB152)
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