インド経済動向(2015年8月鉱工業生産)

2015年10月20日
投資情報室
新興国レポート
インド経済動向(2015年8月鉱工業生産)
回復傾向を強める鉱工業生産
連続利下げやインフラ向け公共投資の拡大、物価の安定等の効果が経済に緩やかに浸透しつつあるようで
す。8月の鉱工業生産は前年同月比で+6.4%と2012年10月(+8.4%)以来の上昇幅となり、前年同月比の
3ヵ月平均も4年ぶりの高い伸びとなっています。また、生産財別でみると設備投資動向を示すとされる資本
財生産が前年同月比+21.8%と1年2ヵ月ぶりの高い伸びを記録しています。8月鉱工業生産は、国内企業
の生産活動や設備投資が勢いを増しつつあるとの印象を与える内容となっているようです。
インド準備銀行は今年に入り、8月までに3回の利下げ(各0.25%の引き下げ)を行い、更に9月には0.50%と
いう大方の予想を上回る追加利下げを実施しました。モディ首相は2015年度予算案で、今年の財政赤字削
減目標を緩和して公共投資向け予算を増やし、インフラ整備を進める方針を明らかにしました。2015年4~8
月の公共投資額の伸びは前年同期比で約19%増と、前年同期の約1%減から大きく増加しています。またモ
ディ首相は積極外交を繰り広げて外国資本の導入・外国企業の誘致に取り組んでおり、投資上限枠の拡大
といった規制緩和も支援材料となって、海外からインドへの直接投資額は増加基調を維持しています。
これまでインド経済の発展を阻害する主な要因として、インフラの未整備、低調な設備投資、物価の高止ま
り等が指摘されてきました。モディ首相は「メイク・イン・インディア」(インドを世界の製造・輸出拠点に)を政策
目標に掲げ、インド準備銀行等と一体となって課題解決に取り組んでいます。
モディ政権の政策運営に関して、改革スピードが遅く、効果が見えないといった指摘もあるようですが、最近
の物価の動きや鉱工業生産の動向等をみると、これまでの対策の効果が緩やかに経済に浸透しつつある
ように感じられます。
図表1:鉱工業生産(前年同月比)推移
図表2:鉱工業生産財別(前年同月比)比較
(2013年1月~2015年8月 月次)
8
鉱工業生産(前年同月比)
(%)
(2014年8月時点と2015年8月時点)
(%)
21.8
20
同3ヵ月平均
6
25
15
4
10
5
2
9.0
2014年8月
(前年同月比)
2015年8月
(同上)
6.8
3.4
2.6
0
0
‐0.1
‐5
-2
‐6.2
‐10
‐10.0
-4
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
‐15
15/7 (年/月)
基礎財
資本財
中間財
消費財
出所:図表1~2はブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価
証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております
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来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投
資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
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〈審査確認番号H27-TB107)
グラフ
図表4:消費者物価(前年同月比)推移
図表3:政策金利推移
(2014年12月~2015年10月<14日時点> 月次)
8.4
(2014年1月~2015年9月 月次)
10
(%)
(%)
政策金利
8.0
8
7.6
6
7.2
4
6.8
6.4
6.0
14/12
15/2
15/4
15/6
15/8 (年/月)
図表5:公共投資額対比(4~8月合計 前年同期比)
20
消費者物価(前年同月比)
(内)食料品・飲料
2
(2014年4~8月合計と2015年4~8月合計 前年同期比)
(%)
18.6%
15
0
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
15/7 (年/月)
15/4
図表6:海外からインドへの直接投資額推移
4,000
(2013年1月~2015年6月 月次)
(億米ドル)
直接投資額(1991年8月以降累積)
3,750
3,500
10
3,250
5
3,000
0
2,750
‐1.4%
2,500
‐5
2014年
2015年
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1 (年/月)
出所:図表3、4、6はブルームバーグデータ、図表5はインド政府データを基にニッセイアセットマネジメントが作成
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価
証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております
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資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
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