官能基の性質と反応

CH-2-Ⅱ-01
官能基の性質と反応
担
山内
当
者
一般目標
(GIO)
到達目標
(SBOs)
受講心得・
準備学習等
事 後 学 習・
復 習 等
オフィスアワー
貴靖、久保
第 2 学年
前期
必修
2 単位
元
官能基が有機化合物に与える効果を理解するために、カルボニル基、アミノ基、フェノールなどの
官能基を有する有機化合物について、反応性およびその他の性質に関する基本的知識を修得し、それ
らを応用するための基本的技能を身につける。また、無機化学・錯体についても基本的知識を修得し、
それらを応用するための基本的技能を身につける。
【基本事項】
1. 薬学領域で用いられる代表的化合物を慣用名で記述できる。
2. 有機化合物の性質に及ぼす共鳴の影響について説明できる。
3. 基本的な有機反応(置換、付加、脱離、転位)の特徴を概説できる。
4. 有機反応を、電子の動きを示す矢印を用いて説明できる。
【概説】
1. 代表的な官能基を列挙し、個々の官能基を有する化合物を IUPAC の規則に従って命名できる。
2. 複数の官能基を有する化合物を IUPAC の規則に従って命名できる。
【アルデヒド・ケトン・カルボン酸】
1. アルデヒド類およびケトン類の性質と、代表的な求核付加反応を列挙し、説明できる。
2. カルボン酸の代表的な性質と反応を列挙し、説明できる。
3. カルボン酸誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド、ニトリル)の代表的な性質
と反応を列挙し、説明できる。
【アミン】
1. アミン類の代表的な性質と反応を列挙し、説明できる。
2. 代表的な生体内アミンを列挙し、構造式を書くことができる。
【フェノール・チオール】
1. フェノール類の代表的な性質と反応を列挙し、説明できる。
2. フェノール類、チオール類の抗酸化作用について説明できる。
3. 芳香族化合物の代表的な求核置換反応について説明できる。
【官能基の酸性度・塩基性度】
1. アルコール、チオール、フェノール、カルボン酸などの酸性度を比較して説明できる。
2. アルコール、フェノール、カルボン酸、およびその誘導体の酸性度に影響を及ぼす因子を列挙し、
説明できる。
3. 含窒素化合物の塩基性度を説明できる。
【官能基の導入・変換】
1. フェノールの代表的な合成法について説明できる。
2. アルデヒドおよびケトンの代表的な合成法について説明できる。
3. カルボン酸の代表的な合成法について説明できる。
4. カルボン酸誘導体(エステル、アミド、ニトリル、酸ハロゲン化物、酸無水物)の代表的な合成
法について説明できる。
5. アミンの代表的な合成法について説明できる。
【無機化合物】
1. 代表的な典型元素を列挙し、その特徴を説明できる。
2. 代表的な遷移元素を列挙し、その特徴を説明できる。
3. 窒素酸化物の名称、構造、性質を列挙できる。
4. イオウ、リン、ハロゲンの酸化物、オキソ化合物の名称、構造、性質を列挙できる。
【錯体】
1. 代表的な錯体の名称、立体構造、基本的性質を説明できる。
2. 配位結合を説明できる。
3. 医薬品として用いられる代表的な錯体を列挙できる。
4. 代表的な錯体の名称、立体構造、基本的性質を説明できる。
「官能基の性質と反応」は、「化学物質の基本的性質」、「有機化合物の構造と反応性」とともに連
続して有機化学全般を学ぶ科目であると同時に、他の有機化学系科目の基礎となるので、1年次の復
習と本科目の十分な理解が必要である。
授業により理論的に理解した内容や知識を教科書の問題やスタディガイドを用いて、速やかに復習
することにより理解を深める。質問等は直接研究室までお尋ねください。
山内:火・金、11:50~18:00
久保:火・金、11:50 ~ 13:00
授業の形式と各回の内容
授業の形式
回
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項
目
アルデヒド・ケトンⅠ
アルデヒド・ケトンⅠ
アルデヒド・ケトンⅠ
アルデヒド・ケトンⅠ
アルデヒド・ケトンⅡ
アルデヒド・ケトンⅡ
アルデヒド・ケトンⅡ
カルボン酸とその誘導体
カルボン酸とその誘導体
カルボン酸とその誘導体
カルボン酸とその誘導体
中間試験
β一ジカルボニル化合物
β一ジカルボニル化合物
β一ジカルボニル化合物
β一ジカルボニル化合物
アミン
アミン
アミン
アミン
フェノール
フェノール
フェノール
無機化合物・錯体
成 績 評 価
の方 法
成 績 評 価
の基 準
教 科 書
参考書 など
山内;講義形式で行うが、適宜演習(6 回)も実施する。
久保;講義形式で行う。適宜演習も実施する。(3 回)
内 容
アルデヒド・ケトンの命名法、構造、性質
アルデヒド・ケトンの合成
炭素一酸素二重結合への求核付加反応、アセタールの合成と反応
アルデヒド・ケトンの反応、Wittig 反応
エノレートイオンの反応性と互変異性、ハロホルム反応
アルドール反応・アルドール類似反応
α、β-不飽和カルボニル化合物への付加反応
カルボン酸誘導体の命名法、構造、性質
カルボン酸、塩化アシル、酸無水物の合成と反応
エステル、ラクトン、アミド、ラクタムの合成と反応
炭酸誘導体の合成と反応とカルボン酸の脱炭酸
Claisen 縮合、Dieckmann 縮合
アセト酢酸エステル合成、マロン酸エステル合成
Knoevenagel 縮合、Macheal 付加
Mannich 反応、エナミンの合成
アミンの命名法、構造、性質
アミンの合成、還元的アミノ化、Hofmann 転位
アミンの反応、アミンと亜硝酸との反応
ジアゾニウム塩の反応、Hofmann 脱離、Cope 脱離
フェノール、キノンの構造、性質、合成
フェノールの反応、Kolbe 反応、Claisen 転位
芳香族求核置換反応
代表的な典型元素、無機化合物及び錯体の名称、立体構造、性質、医薬品
山内;演習(12%)、中間(44%)及び期末試験(44%)により評価する。
久保;中間試験あるいは中間試験の再試験及び期末試験により評価する。比率は1:1とする。演
習は加味しない。
山内;中間及び期末試験の合計点が原則 60%以上を合格とする。各章が終了後に行う小テストの結
果は、中間及び期末試験以外にも内容の理解度を評価するため加点する。
久保;中間試験あるいは中間試験の再試験の点数の高い方と期末試験の合計が原則 60%以上を合格
とする。
Solomons 著「ソロモンの新有機化学(下) (第 9 版)」
(廣川書店)
Solomons 著「ソロモンの新有機化学スタディガイド(第 9 版)」(廣川書店)
伊藤喬 編著 「構造式手帳」(京都廣川書店)
日本薬学会編「化学系薬学 Ⅰ.化学物質の性質と反応性」
(東京化学同人)
「分子模型 HGS-C 型」
(丸善)