5・官能基別解説2 それぞれの官能基別に、香料の例をあげながら説明し

5・官能基別解説2
それぞれの官能基別に、香料の例をあげながら説明してまいりましょう。
5・2
アルデヒド
アルデヒド基(ホルミル基ともいう)
-CHO をもつ化合物を総称してアルデヒドとい
います。
名前が○○アルデヒドと“アルデヒド”とついているものはすぐわかりますが、
語尾に“ナール”とつけて××ナールという名前のものもアルデヒド類だと憶えてくださ
い。
アルコールに対応させて、Rの種類によるアルデヒド香料を眺めてみよう。
5・2・1
脂肪族アルデヒド
脂肪族とは芳香族に対することばで、通常、その化合物を構成する炭素原子どうしが鎖
状に連なっている構造をしています。
Rが脂肪族のアルデヒド香料にはC6~C12のアルデヒドがあります。
(C14アルデヒド、C16アルデヒドもおなじみですが、これらは慣用名としてアルデ
ヒドという名前がついてはいても実は化学的にはアルデヒドではなく、それぞれ、γウン
デカラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチルというのが正しい名前なのです。
)
構造的には
炭素の鎖+アルデヒド基
と匂いも変化します。
の形ですが、鎖の長さ(炭素の数)が変化する
その様子を次の表に示します。
5・2・2
テルペン系アルデヒド
テルペン系アルコールの
水酸基(-OH)を アルデヒド基(-CHO)に変化させたもの
があります。
ゲラニオールはアルデヒドになるとゲラニアールに、ゲラニオールの立体異性体である
ネロールはネラールとなります。
ゲラニアールとネラールもトランスとシスの異性体関
係にありますが、二つを総称してシトラールとよばれます。
テルペン系アルデヒドのもう一つ例として、フローラル(ミューゲ)の調合に重要な香
料であるヒドロキシシトロネラールをあげておきます。
5・2・3
芳香族アルデヒド
炭素のつながりが鎖状ではなく、輪になっている、いわゆる亀の甲(6員環)が含まれ
ているアルデヒド香料があります。
ヘキシル
:
シンナミック
アルデヒド
柔らかなジャスミン香
ヘリオナール
:
メロンフルーティーの香り
バニリン
:
5・3
バニラ固有の甘い香り
ケトン
R
R
O
このような構造をもった化合物をケトンといいます。
R が二つともメチル基(-CH3)
の物質はアセトンで、マニキュアの溶剤として使われているものです。
先のアルデヒドは R の一つが水素原子になっているものとみることができます。
香料では、樟脳の香りでなじみのあるカンファーやバイオレットの花やアイリスの根の
香りがするイオノンなどがあります。
カンファー
イオノン
シトロネロールのところでみたように、イオノンも二重結合の位置の違いにより3つの
位置異性体があります。
α―イオノン
バイオレットやイリスのようなフローラルの香りで
香水だけでなく石鹸、シャンプー、柔軟剤などに広く
使われます。
β―イオノン
ラズベリーやセダーウッドのような香りで、
α体に比べ てウッディーな要素が強い。
こちらもトイレタリー製品からハウスホールド製品
までひろく用いられます。
γ―イオノン
天然には存在せず、合成によってのみつくられます。
さらに環状ケトンのエチルマルトールやイソEスーパー、芳香族ケトンに分類されるラ
ズベリーケトンも調香に多用される香料です。
エチルマルトール
イソ E スーパー
ラズベリーケトン