オーディブルのコンテンツ戦略 ~第二の声優市場を作る事は受け入れ

オーディブルのコンテンツ戦略
~第二の声優市場を作る事は受け入れられるか?~
2015 年 9 月 28 日
日本オーディオブック制作社協会
協会に参画している企業がオーディブルを運営するアマゾンジャパンの担当者と打ち合
わせをした際、大きな違和感を覚えたそうです。
それというのも、一つは朗読をする声優の起用に対しての方針についてです。相手は部長
という肩書きなので、それなりのポジションだとは思いますが、参画企業がプロの声優起用
の話をしたところ、それを否定し、持論を展開されました。
「第一線の声優を起用するのでは無く、アニメとかには出られないが、上手い声優の層を
作り、その人達にオーディオブックを担って貰いたい。」との事です。
確かに、オーディブルについては、「声優魂」という高校生の声優を目指すオーディション
に突然協賛しており、不思議な行動をしていましたが、部長のコメントを考えると理解出来
る部分ではあります。
しかしながら、オーディブルが満を持して放ったコンテンツについては、Twitter で調べ
た限りでは酷評が多く、第二の市場構想は厳しいのでは無いでしょうか。今の声優はどちら
かというとタレント嗜好があるので、ナレーター専属というのは若い人は向いていないと
思います。
タレントの声優を起用したくないのは、単に費用だと思います。桁が一桁変われば、それ
は検討しますが、日本人は結構朗読に拘りがある人が多く、素人やボランティア程度の朗読
では使い物になるとは思いません。Audiobook Certified で認められるような声優でやっと、
売れるか売れないか分からないレベルなので、担当の方は飽くまで職掌として業務をして
いるだけであり、音声業界を理解していない感じがします。
オーディブルについては、後ろ向きな話になりますが、本当は 7 月のサービス開始直後
からアマゾンジャパンのサイトトップで広告が出るという話で、12 月まで重点キャンペー
ンをされるという事も話していましたが、今の所オーディブルの広告を見かけた事は無く、
上層部も数字の悪さに他の部署を当てている感じかも知れません。今後、梃子入れを行う可
能性もありますが。
声優を目指す人は大体アニメ・映画・吹き替え・ゲーム・ラジオだと思うので、これらの
仕事が出来ずに声優を続ける。しかも、低賃金で。というのは、企業の一方的に都合の良い
理由で集められるような気はしません。外資系なので、すぐに切り捨ての可能性も否定出来
ないので、考えもドライかも知れません。
以上