3 勉強について

3
勉強について
1)勉強の目的
「大学進学のため」と回答した者の割
勉強の目的について、「将来、希望する仕事に就くため」
合が、4か国とも高い。特に、日本では、
「将来、希望する仕事に就くため」が突出して高い。
図 3-1 は、
「勉強が大事だと思うか」の問いに対する4か国の回答の割合を図示している(無
回答があるため、合計は 100%にならない。以下も同じ)。これをみると、「とてもそう思う」と
答えた者の割合が、米国は 58.8%に達し、日本は 41.7%、中国 32.4%、韓国 28.7%となってい
る。
「まあそう思う」を合わせると、日米中の肯定率は9割強となっているが、韓国はやや少ない。
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
41.7
日本
5.0
51.0
3.4
35.1
58.8
米国
全くそう思わない
1.2
1.6
1.8
59.1
32.4
中国
6.5
2.4
28.7
韓国
0%
56.7
20%
40%
60%
12.1
80%
100%
図3-1 勉強が大事だと思うか
勉強の目的については、10 項目を挙げ、2つまで選択してもらった。図 3-2 は日本の回答率
の高い順で並べたものである。
日本では、「将来、希望する仕事に就くため」が6割を超え、他の項目を大きく上回っている。
また、他の3か国に比べても、際立って高くなっている。その次は「大学進学のため」が5割弱
となっている。3位の「社会の役に立つ人間になるため」は 26.5%で、他の3か国より高い。一
方、「自分の人間性を高めるため」が2割で、ほかの3か国に比べてやや低いほか、「親の期待を
叶えるため」「人に尊敬されるため」「先生に好かれるため」といった他人の期待に応えるような
項目の回答率も低い。
米国は、「将来、希望する仕事に就くため」と「大学進学のため」の割合がいずれも4割強で、
「自分の人間性を高めるため」も、3割弱となっている。また、「その他」の割合が 16.6%と多
い。その内容を自由記述からみると、「夢を実現するため」「人としての基本を身につけるため」
「知識を得るため」
「よりよい未来のため」などが挙げられている。
中国は、
「将来、希望する仕事に就くため」が4割強で、
「大学進学のため」は3割強に止まり、
日米韓の3か国に比べて低い。そのほかに、「自分の人間性を高めるため」「将来、より多くの収
入を得るため」が3割弱を占めている。また、「親の期待を叶えるため」が2割弱、「人に尊敬さ
れるため」が1割弱であり、日米韓に比べて高い。
韓国も、
「将来、希望する仕事に就くため」と「大学進学のため」が多く挙げられた。そのほか
に、
「将来、より多くの収入を得るため」が3割強と、日米中の3か国に比べて高い。
13
13
40.8
将来、希望する仕事に就くため
大学進学のため
36.5
16.9
社会の役に立つ人間になるため
14.2
16.2
15.4
4.9
11.5
10.7
1.7
3.1
人に尊敬されるため
4.9
44.0
41.9
45.0
26.5
20.3
親の期待を叶えるため
28.3
27.9
27.3
26.8
31.2
日本
17.5
米国
9.1
中国
0.6
3.5
1.0
0.3
先生に好かれるため
韓国
3.3
その他
2.5
53.1
21.4
自分の人間性を高めるため
将来、より多くの収入を得るため
62.1
45.9
16.6
8.6
6.2
3.0
4.2
1.3
わからない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
図3-2 勉強の目的(2つまで)
2)将来、受けたい教育の水準
「四年制大学まで」が、日本と韓国は5割強、米国と中国は4割弱である。また、米国と中国
の4割弱の高校生は、修士や博士を目標に定め、高学歴志向を示している。
図 3-3 は、将来受けたい教育水準について尋ねた結果を示したものである。日本は、
「四年制
大学まで」という回答が最も多く、5割強となっている。韓国も5割と高い。米国と中国は4割
に満たない。一方、
「大学院修士まで」と「大学院博士まで」と回答した者の合計は、米国と中国
が、4割弱と高く、両国の高学歴志向が伺える。
14
14
13.2
4.8
3.0
6.5
高校まで
10.3
3.8
専門・専修学校まで
3.3
2.8
9.7
7.3
8.9
短大・高専まで
51.9
37.6
37.6
四年制大学まで
3.7
21.6
大学院修士まで
21.6
7.3
1.2
5.2
0.6
0%
米国
5.0
4.0
中国
8.0
6.7
まだ考えていない
日本
14.3
14.2
大学院博士まで
学歴にはこだわらない
50.2
韓国
11.5
11.2
10.5
10%
20%
30%
図3-3 将来、どの程度の教育を受けたいか
15
15
40%
50%
60%