ケーススタディ｜商圏特性と競合各店の MD対応を見る① 若い世代の多いマーケットで DS化進むアリオ橋本を中心に SM・GMSがひしめく神奈川・橋本地区ライバル店との競争よりも商圏内の生活者のニーズにいかに合わせライバル店との競争よりも商圏内の生活者のニーズにいかに合わせる商圏の特性に店舗がどう対応しているか。商圏の特性に店舗がどう対応しているか。る専門的なデータタか。生活者のどのライフスタイルに焦点を当てているか。その視点から特徴のあるエリアを選んで、専門的なデーをベースにケーススタディした。その第 1回目は神奈川県相模原市の橋本地区。商圏データは技研商事インター商圏データは技研商事インターナナにより作成した。。ショナル株式会社「Mar ket Anal yzer 」により作成した開設時 300億円の年商目標を掲げたアリオ橋本。相模原市北部最大の SCとして支持を集めている多く、3階以上の中高層マンションアリオの足元に多く、外縁に向けて少生活者が半数近くを占める。特に橋なくなる傾向がある。逆に言えば、外神奈川県相模原市は都心から本駅周辺は高層マンションが多い。縁に向けて 1戸建て 3人以上世帯が 40km 圏の首都圏中核都市として製世帯当り年収高では低所得層が多多くなる。世帯年収もアリオの足元か造と物流の拠点として発展している。いのが特徴。平均年収は 526万円ら外縁にかけて高まる傾向がはっきり都心に近くベッドタウンとして人口で県平均を 56万円下回る。階層別し、北側の多摩境駅から相原駅にかも増えているエリア。では、年収 1, 000万円以上が 8％でけてのエリアは最も高いランクにある。首都圏の中核都市相模原市その橋本地区で最大の商業施設と県平均を 16. 6ポイントなっているアリオ橋本（相模原市緑も下回る一方で、年収区大山町）を基点に自動車で 10分 300 万円未満が（有料道路を除く）商圏を分析した。 28. 4％と県平均を同商圏を人口密度、1人・2人世帯 17. 4ポイントも上回る。比率、1世帯当り年収高の特性別に 400万円～ 1, 000万円 5分類に分けてメッシュ化、店舗をの中間層がほぼ半数をプロットして地図化した（別図）。占めるが、低所得者がアリオ橋本から車で 10分の商圏は約 7万 8, 500世帯、18万 3, 100 非常に多いエリアといえそう。人で平均世帯人員は 2. 33人。神奈全体的には高齢者が川県平均の 2. 35人とほぼ同じだ。少なく、子育て世代と半径 5km、43万人を商圏と想定すその子供、若い単身者るアリオのとっては足元に当ると見が多いが、所得水準はられる商圏か。高くない商圏といえそその特性をみると別表のように、う。 65歳以上の高齢者が 15. 6％と現代アリオ橋本は J R横浜の高齢化社会にあっては少ない。一線・J R相模線の橋本駅方で 49歳以下が子供までを含めて近くにあって、国道 16 全ての層で比較的多い。世帯別では号線と国道 129号線、 1～ 2人世帯が 6割で平均的だが、1 町田街道に囲まれてい人世帯が 36. 5％と比較的多く、しかる。アリオの北側、橋も 20歳代単身が多いのが特徴。ま本駅周辺と南側の相模た、4人以上世帯は 2割でほぼ平均原駅周辺は人口密度が的。共同住宅比率は 6割弱と比較的高い。1人・2人世帯は 04 週刊ストアジャパン 2015. 04. 27No. 834 アリオ橋本の商圏特性（有料道路を除く 10分圏）世帯数人口平均世帯人員人口構成比 14歳以下 15歳～ 29歳 30歳～ 49歳 50歳～ 64歳 65歳以上夜間人口比率昼間人口比率人員別世帯比率 1人世帯内 20代単身内高齢単身 2人世帯内高齢夫婦世帯 3人世帯 4人世帯 5人以上世帯持ち家比率 1戸建て比率共同住宅比率内共同住宅 1. 2階比率内共同住宅 3階以上比率 1世帯当り年収高 1, 500万円以上構成比 1, 000～ 1, 500万円 700～ 1, 000万円 500～ 700万円 400～ 500万円 300～ 400万円 200～ 300万円 200万円未満商圏内神奈川県平均 78, 526世帯 183, 096人 2. 33人 3, 831, 062世帯 9, 017, 080人 2. 35人 14. 5% 18. 8% 32. 4% 18. 7% 15. 6% 53. 0% 47. 0% 13. 2% 16. 4% 30. 8% 19. 3% 20. 3% 54. 0% 46. 0% 36. 5% 9. 7% 5. 7% 24. 4% 7. 2% 18. 1% 15. 5% 5. 4% 56. 6% 39. 0% 59. 5% 14. 7% 44. 9% 526万円 1. 7% 6. 3% 16. 6% 18. 9% 13. 5% 14. 7% 13. 6% 14. 8% 33. 8% 7. 2% 8. 1% 27. 1% 9. 5% 18. 9% 15. 0% 5. 3% 59. 0% 43. 2% 54. 9% 14. 9% 40. 0% 582万円 11. 7% 12. 9% 14. 1% 12. 6% 19. 6% 18. 3% 8. 2% 2. 8% 神奈川・橋本地区牛肉売場に見る各店の MD対応アリオ橋本から車で 10分商圏のメッシュデータアリオから車で 10分圏内には図のように SM が多く営業している。 2010年 9月にアリオ、同年 10月にヤオコー下九沢店が開店以降、マックスバリュ東海の東橋本店、オーケー下九沢店などが新規に開店し、東急ストア橋本店跡にオーケー橋本店が入り、スーパーアルプス橋本店の跡にドン・キホーテ SI NG橋本駅前店、駅前のミウイ橋本にロピアが入った。撤退跡への出店業態はいずれもディスカウントタイプ。さらに既存のマックスバリュ 2店（西橋本店、東橋本店）がザ・ビッグに転換し、いなげやも下九沢店、相原駅前店をローコストタイプの i na21に転換、三和のフードワンなども含め、低価格志向 SM が急速に増えている。競合が増えてきたことと、低所得者層が多く、カネのかかる子育て世代が多い商圏特性を反映した小売り事情といえそうだ。では、個別に各店はどのようにマーケット対応しているのか。この商圏を主なマーケットにしている 10 店を調べてみた。商圏でどの客層、どの価格帯を狙っているのかを計るバロメーターとして牛肉の展開状況を見てみた。牛肉は銘柄牛、黒毛和牛、国産牛、輸入牛など価格帯別にランクが分かれている。銘柄牛を常時置ける店は高所得者層の支持を得ているか、来店客数が多く幅広い層に支持されて、商圏が広がっている、という事が言える。そこで土曜日（4月 11日、18 日）、各店を見てみた。まず牛肉売場ではアリオのイトーヨーカドーだ技研商事インターナショナル株式会社「Maket Anal yzer 」により作成けが対面で松阪牛を売っていた。同店ではセルフ売場の国産牛、輸入牛尺数（4割強、尺数は床尺、以下同） A5等級和牛を 9尺で展開している（アンガス）などを含め、牛肉に最大を取っていた。オーケー下九沢店も、が、全体では豪州産を合わせて計 2015. 04. 27No. 834 週刊ストアジャパン 05 ケーススタディ｜商圏特性と競合各店の MD対応を見る① 15尺で、豚肉を 20尺と広く取りよ神奈川・橋本地区アリオ橋本から車で 10分商圏のメッシュデータり注力している。同じ地区にあるヤオコー下九沢店では生肉全体の 6割、 30尺程度を牛肉にあて、オーケーの倍のスペースで展開。オリジナルの岩手短角和牛、輸入のプライムランドビーフ、黒毛和牛、国産牛などフルラインで展開。足元人口は薄いが、子育て世代と中間所得層の多い周辺商圏を狙った戦略のようだ。ライフ相模原モール店も生肉の半分ほどのスペースを牛肉にあて、黒毛和牛、国産、輸入牛で構成、ステーキなどの露出を多くし、厚い足元人口にプラスして国道 16号線沿いの立地を活かして広域商圏を狙っているようだ。高所得層の多い多摩境地区にあるスーパーアルプス多摩境店は平ケース 20尺ほど、生肉全体の 6割近くを牛肉で占めるが、オリジナルの国技研商事インターナショナル株式会社「Maket Anal yzer 」により作成産牛と米国産で構成するのみ。同店から距離的に近いマックスバリュ東調理承りを行う対面コーナーを設けはI Y（14尺に対しルーは 10尺）、海のザ・ビッグ東橋本店は生肉の 4 ているのは I Y、ヤオコー、ライフ、ザ・ビッグ（9対 6）。逆にルーの比率割ほど 14尺を牛肉に当てているが、イオンのみで、寿司を鮮魚部門で行が多いのはオーケー（12尺に対しレ輸入牛中心で低価格ニーズに応えるっているところは 1店もなかったトルト 9尺）、アルプス（9対 6）、京戦略だ。（京王ストアは鮮魚テナントで実施）。王ストア（5対 4）で、他の 5店は 6 橋本駅前のイオン、ロピアは牛肉少世帯対応として最近ニーズの増～ 9尺で同率。家庭料理をポリシーよりも豚肉にスペースを取っている。えているパックサラダをもやしとはとして提案したいという姿勢の現わ駅前で駅の乗降客がメインになるこ別にコーナー化しているのは I Y（8 れかもしれない。とや、人口密度は高いが、1人・2 尺）、ヤオコー（4尺、PBのみ）、オー人世帯も多いという足元商圏の事情ケー（6尺）、三和フードワン（6尺）、場面積を 500～ 600坪と充分にとからの判断かもしれない。イオンはライフ（3尺）の 5店。1人・2人世れ、インストアベーカリーなどを含生肉全体の 4割ほどを牛肉にあて、帯が 60. 9％を占める商圏にしてはめフルラインで品揃えし、イートイ PBの黒毛和牛、タスマニアビーフ、少ないのでは。ンなどのサービス面も充実させた店豪州産で構成、小サイズが多い。ロ同じ視点からカレーのルーとレト全体的には、郊外立地のため、売が多い。しかし、生活提案、新商品ピアは生肉全体は 130尺ほどと全ルトの陳列比率を見る。一般に、1 提案という点では、ヤオコーがメニ商圏の中では最大のスペースだが、人・2人世帯では食べ切れないなどューサンプル提示、試食をしっかり牛肉は 4割弱で豪州、米国など輸入の問題からルーからカレーを作る機行い、かつおたたき、輸入ぶどうな品中心に黒毛、国産を展開、大パッ会は減り、レトルトが便利で使用さど旬商材・売込商材のコーナー展開、クが目立ち 30～ 40代の子育て世代れ易くなると見られる。そこで、カ駄菓子コーナーの設置など、子育てを狙っているようだ。レーのルーとレトルトの定番ゴンド世代を意識した提案型 SM 作りを堅ラを比べた。レトルトが多かったの実に行っていたのが印象的だった。魚関連では、鮮魚売場（直営）で 06 週刊ストアジャパン 2015. 04. 27No. 834