マンション増えて新旧交代が進む住宅地

ケーススタディ|商圏特性と立地 SM の MD対応を見
MD対応を見る
る④
マンション増えて新旧交代が進む住宅地
マンション増えて新旧交代が進む住宅地
元気印ライフとオアシスが相次いで進出した阿倍野区・東天下茶屋駅周辺
元気印ライフとオアシスが相次いで進出した阿倍野区・東天下茶屋駅周
辺
地上 300m の日本一の高層ビル・あべのハルカスがオープンして早くも 1
1年
年
あまり。
地区周辺の商業地図のその
商都・大阪の南の玄関口、天王寺(阿倍野)地区周辺の商業地図のその
後は――。
後は――。
圏特性と、SM の MD対応シリーズの第 4回目は、大阪に舞台を移し、阿
商
商圏特性と、
倍野地区につながる古い住宅街に出店した阪急オアシスとライフにスポッ
トを
倍野地区につながる古い住宅街に出店した阪急オアシスとライフにスポットを
(商圏データは技研商
当て、どのような商圏への出店なのかを検証してみた。
て、どのような商圏への出店なのかを検証してみた。
商圏データは技研商
当
を基に作成した)
事インターナショナルの
「Mar
ket Anal
yzer
」
を基に作成した)
「こんなところに、スーパーが…」
J
R天王寺駅は大阪ではキタの中
た一本道は商店街の名は付くものの、
果物屋や牛乳販売店があるぐらいで、
往時の面影はない。
あべのハルカスとチンチン電車。
この阪堺電気軌
道上町線で 3つ目が東天下茶屋停留所だ
心地・J
R大阪駅(梅田地区)に次い
5分ばかり歩くと真新しい店舗が
らして、ちょっとアッパークラスの
で乗降客が多い。大阪南部や奈良、
目に飛び込んで来る。「こんなとこ
雰囲気が伝わってくる。学校の裏手
和歌山方面への玄関口となっている
ろに、スーパーが…」と誰しも驚く
に回ると、そこから西・南・東へは
からだ。
ような立地。関西で高質専門食品館
ストーンと坂になっている。大阪で
聖徳太子ゆかりの四天王寺や天王
を年間 5~ 6店舗、
寺動物園、大阪市立美術館など文
新規出店している阪
化・歴史的施設や学校も多く、文教
急オアシスの晴明通
地区としても知られる。大阪中心部
店だ。6月 2日にオ
へのアクセスが便利で、しかも古く
ープンしたばかりだ。
から開かれた閑静な住宅街としての
売場面積は 705㎡
風情も残っている。
と小ぶりだ。駐車場
今回は、あべのハルカスの真下か
だったところに店舗
ら堺の浜寺方面に向かう阪堺電気軌
を建てた関係で、駐
道上町線に乗り、「東天下茶屋停留
車場は 8台と少ない。
場」付近の商圏を見てみよう。この
売上目標は 10.
5億
阪堺電気軌道は、地元の人たちから
を見込んでいる。
「チンチン電車」と呼ばれ、文字通り
店舗に入ると、生
下駄代わりの交通機関として街にと
産者直売の「おひさ
け込んでいる。
ん市」や旬の野菜、
阿倍野、松虫の次がもう東天下茶
農産飲料のコーナー
屋だ。構内の踏切を渡って西に伸び
が目に付く。水産は
る道が「晴明通」だ。くねくねとし
長崎直送鮮魚、畜産
では鹿児島産黒毛和
牛や、売り物の熟成
和牛を展開。阪急オ
アシスのカラーを存
分に発揮したコンパ
クト店舗だ。
店舗の西隣は晴明
この 6月に開店した阪急オアシス晴明通店
04 週刊ストアジャパン
2015.
07.
27No.
846
丘小学校だ。外観か
阪堺電軌・東天下茶屋駅から半径 1km の商圏特性
世帯数
人口
平均世帯人員
人口構成比
14歳以下
15歳~ 29歳
30歳~ 49歳
50歳~ 64歳
64歳以上
夜間人口比率
昼間人口比率
人員別世帯比率
1人世帯
内 20代単身
内高齢単身
2人世帯
内高齢夫婦世帯
3人世帯
4人世帯
5人以上世帯
持ち家比率
内 1戸建て比率
内共同住宅比率
内共同住宅 1.
2階比率
内共同住宅 3階以上比率
1世帯当り年収高
1,
500万円以上構成比
1,
000~ 1,
500万円
700~ 1,
000万円
500~ 700万円
400~ 500万円
300~ 400万円
200~ 300万円
200万円未満
商圏内
大阪府平均
27,
008世帯
57,
259人
2.
12人
3,
816225世帯
8,
847,
462人
2.
32人
11.
5%
15.
1%
26.
7%
20.
2%
26.
7%
53.
0%
47.
0%
13.
3%
16.
0%
28.
6%
19.
8%
22.
4%
54.
0%
46.
0%
43.
7%
4.
6%
18.
4%
25.
4%
9.
4%
14.
8%
11.
8%
4.
1%
54.
5%
37.
5%
50.
0%
5.
3%
44.
7%
445万円
2.
2%
6.
7%
9.
7%
11.
9%
8.
4%
12.
1%
18.
0%
31.
0%
35.
8%
6.
0%
11.
3%
27.
2%
10.
1%
17.
4%
14.
1%
5.
5%
54.
9%
39.
8%
54.
3%
5.
8%
48.
5%
457万円
1.
6%
4.
4%
11.
6%
15.
7%
11.
6%
15.
2%
17.
3%
22.
6%
技研商事インターナショナル「Mar
ket
Anal
yzer
」
により作成
阿倍野区・東天下茶屋駅周辺
は珍しい坂道が続く住宅街。市内を
南北に縦断する上町台地の南のはず
上町線に沿って高年収世帯が多く、西成方面は低い
れに位置している。晴明丘といわれ
るわけがここにある。
晴明通の裏手の相生通などは一戸
建てが多く、それも何十年か前に建
てられた落ち着いた風情がする住宅
ばかりだ。坂を下りると神社の横に
阪堺線の天神ノ森停留場があった。
丘の上に建てられたスーパーマー
ケット。外からわざわざ買い物に来
るような立地ではないが、足元を確
実に押さえれば、十分成り立つ商圏
ではないかと見た。
圧倒的なパワーがあるセントラル
今度は東天下茶屋を東に進んでみ
よう。ものの 2~ 3分もしないうち
に大きな通りに出る。天王寺駅から
まっすぐ南に延びる幹線道路「あべ
の筋」だ。この道路は堺の大和川付
近まで伸びる。
あべの筋を南に 5~ 600m下ると、
天王寺駅(上方)
に近づくほど 30~ 40代が多い
左手に、大きな商業施設が目に飛び
込んで来る。ライフのアップーグレ
ードの最新業態「セントラルスクエ
ア北畠店」だ。この店舗も 2014年
11月のオープンなので、元気企業
が相次いて出店した格好だ。
売場面積は 3,
315㎡。売上予想は
31億円だ。1階の食品売場は阪急
オアシスの店舗をよりきめ細かく、
スケールを倍加し、圧倒的なパワー
でぐいぐい押してくるような勢いが
ある。好調企業の力をいかんなく発
昨年 11月に開店したライフのセントラルスクエア北畠店
技研商事インターナショナル「Mar
ket
Anal
yzer
」
により作成
2015.
07.
27No.
846
週刊ストアジャパン
05
ケーススタディ|商圏特性と立地 SM の MD対応を見る④
揮しており、他店の入るすきがない。
古いアパート住宅がある一方で、北
阿倍野区・東天下茶屋駅周辺
西成方面に 1人・2人世帯が多い、線路沿いは少ない
畠、帝塚山といった高級住宅地も控
え、隣接して高層マンションの建設
も進む“好立地”だ。
高齢化、30~ 40歳代の人口流入も
改めて商圏を見てみよう。関西で
積極出店を続ける阪急オアシスとラ
イフが規模こそ違え、東天下茶屋の
西と南、500m 圏で新店を出したこ
とは、興味深い。
晴明通店周辺は半径 500m 圏内
に限ると 65歳以上の老年人口比率
は 26.
4%(大阪府平均 22.
4%)、老
年世帯比率も高く、高齢化が進むエ
リアでもある。また、持ち家比率は
70%を超えている。
一方、年収ベースでみると 1,
000
万円以上の世帯が 11.
4%(大阪府平
均 6.
0%)とかなり高くなっている。
逆に 200万円未満の層は 23.
9%(同
22.
6%)
。高齢化の一方で、年収に
全体的に昼間人口が少なく、ベッドタウン色強い
はかなりの格差がある地域だともい
える。直近 5年で周辺の状況は大き
く変化している。古い建物が取り壊
され、そこにマンションが建設され、
30~ 40歳代の人口の流入が見られ
るからだ。
1㎞ 圏内では、ライフと阪急オア
シス、イズミヤが複数出店し、マッ
クスバリュも一角に食い込んでいる。
スーパーマーケットの商圏立地を
考える上で、大きなヒントになる地
域であることは間違いないところだ。
昭和にタイムスリップしたような天神ノ森停留所
06 週刊ストアジャパン
2015.
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27No.
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