県新人大会団体戦を終えて( 1)

県
県新
新人
人大
大会
会団
団体
体戦
戦を
を終
終え
えて
て(
( 11)
)
11月15日日曜日、奈良県中学校剣道新人大会が行われました。前日は、個人戦
が行われ、この日は団体戦です。午前中に女子の部が行われましたが、女子部員は全
員が並行して参加しているトトロクラブでの大切な行事と重なり、残念ながら出場す
ることができませんでした。
男子団体戦は午後から始まりました。昼食休憩中に
フロアに下りて、ウォーミングアップの稽古を行いま
す 。し か し 、片 桐 中 学 校 剣 道 部 は 1 回 戦 不 戦 勝 の た め 、
実際の試合までに時間があり、体が冷えないようにす
るのは至難の業です。4つの試合会場で区切られた袖
で少しずつ体を動かしながら、試合に出る者も控えで
応援する者も、その時を待っていました。
男子の部が始まって1時間近く経ったころ、ようや
く試合会場である第3コートが空きました。赤の帯を
背中にくくり、すでに万端整った五人の剣士が会場にゆっくりと入ります。対戦相手
は帝塚山中学校。相手校はすでに1回戦を戦い、勝ち上がってき
ています。5人が横一列に並び、礼。コート横には控えに回った
米田君(2年)と小池君(1年)が陣取ります。いよいよ試合が
始まります。
先 鋒 は 金 田 君 ( 2 年 )。 冷 静 に 相 手 の 動 き を 見 極 め ま す 。 相 手 選
手も、俊敏な動きで自分の間(ま)を探りながら、機を狙ってい
ます。金田君も積極的に中に入り、メンを打ち込みますが、有効
打には至りません。3分間、一進一退の攻防が続き、引き分けと
なりました。
次 鋒 は 大 坂 君 ( 2 年 )。 金 田 君 の 背 中 を
軽くたたき、ねぎらいと交換に気合いを受
け 継 ぎ ま す 。「 始 め 」 の 声 が か か る と 一 発
大きな声を出しました。少しずつ、すり足
で間を詰めながら、自分の間合いを測ります。そして、ここぞ
とばかりに気合いもろともメンを打ち込み、また引きます。し
かし、残念ながら、この対戦でも旗は上が
りませんでした。
またもや引き分けました。しかし、二人
ともよくしのいだと言うことのできる引き分けでした。
間をおかず、中堅の藤村君(2年)が登場してきました。かぶっ
た面で表情を見ることはできませんが、きっと緊張していることで
しょう。開始直後、一気に相手を攻め立てます。積極的に打って出
る姿勢を見せます。そのあとも、すきあらば打つという姿勢を崩し
ません。ただ、相手選手も負けずに打って出て、同時に打ち合う場
面も多くあり、素人目にはどちらの剣先が先に相手をとらえている
のか、まったくわかりません。しかし、この勝負もまた決着がつき
ませんでした。
-1-
県
県新
新人
人大
大会
会団
団体
体戦
戦を
を終
終え
えて
て(
( 22)
)
そして副将戦。片桐中学校は斎野君(2年)が務めます。始まる
と 同 時 に 、「 お ぅ や ~ 」「 ど ぅ り ゃ ~ 」 と よ く 通 る 声 が 響 き ま す 。 そ
して、その声が途切れることはありません。積極的にメンを打ち続
けましたが、なかなか一本には至りませんでした。そして、残り一
分になったころ、まさに勝負に出ます。力いっぱい振り上げた竹刀
を、相手選手の頭上からたたきつけるように振り下ろし、そのまま
場 外 に 走 り 抜 け る の か と 思 う ぐ ら い の 勢 い で 、「 め ~ ん 」 と 叫 び ま
した。一瞬決まったかと思いました。しかし旗は上がりませんでし
た。相手選手はたじろぎ、逆に場外に出て、注意を受けるほど勢い
はありました。その後も、使い果たした体力をなんとか持ちこたえ
させながら、必死で戦いました。仲間につなぐ引き分けでした。
ついに、大将戦になりました。ゆっくりと熊谷君(2年)が登場しました。落ち着
きの中にも、きっと心に期するものがあったことでしょう。勝負が始まりました。ど
の対戦も一本を二度とった時点で3分の制限時間を待たずして勝負は決着するのです
が、この試合で旗を上げたものはまだ誰もいません。それだけ、両者相譲らずの緊迫
した中、全員が集中を切らさず、つないできた大将戦です。その思いを一太刀に込め
て、試合は気迫と気迫のぶつかり合いで進んでいきました。何度も相手選手を追い込
み ま し た 。 一 本 か と 思 っ た 場 面 も あ り ま し た 。攻 勢 に 相 手 選 手 が ひ ざ ま づ く 場 面 で も 、
竹刀を振り上げる姿に勝利への執念を感じました。しかし、お互い相譲りませんでし
た 。「 や め ~ 」 の 声 が 響 き ま し た 。 つ い に 、 5 人 の 戦 い で 勝 負 は 決 し ま せ ん で し た 。
代表戦です。相手校は先鋒が出てきました。こちらは、
そのまま、熊谷君が行きます。息つく暇もありません。し
か し 、 気 持 ち は 緩 ん で い ま せ ん 。 再 び 、「 始 め 」 の か け 声
とともに、相手選手を攻め続けました。また、疲れた体で
ありながら、竹刀を頭上で横にして相手の攻撃を見事に防
いでいきます。渾身の力を振り絞った攻防が続きます。2
分を経過したでしょうか。熊谷君がメンを打とうとしたそ
のとき。一瞬でした。間隙をぬった相手選手の「ド~ゥ」
の声がうなりました。三本の白旗が上がりました。
試合が終わりました。コートを去るときに少しうなだれ
た様 子の熊谷 君でし たが、大将 戦が終 わってす ぐの代 表戦。
精も根も尽き果ててもおかしくない中、そんなそぶりをおくびにも出さず、チームの
ために一生懸命頑張りました。立派な試合でした。
みんな素晴らしい試合でした。感動しました。本当にご苦労様でした。
これからも、男女力を合わせて、喜びも悔しさもみんなで分け合いながら、練習に
打ち込んでください。きっと素晴らしいゴールが待っていると思います。
素晴らしい試合をありがとう。これからも頑張れ、片桐中学剣道部。
-2-