リビングふくやま 2016年1月7日号 平木先生のインタビュー

『アレルギー性鼻炎』の最新治療法について
Q
アレルギー性鼻炎は
どんな病気?
ア レ ル ギ ー 性 鼻 炎 は、 生活の質(QOL)を著し
ハウスダストやスギ花粉 く 低 下 さ せ ま す。 鼻 づ
などの抗原が鼻腔(くう) まりによる口呼吸のため
Q 後鼻神経切断術の方法は?
内 に 入 る と、 く し ゃ み、 に、 の ど の 渇 き や 痛 み、
鼻水、鼻づまりなどを示 かゆみ、頭痛を訴えるこ
す病気です。現在、成人 ともあります。また、不
のほぼ半分が罹(り)患し 眠、イライラ感、全身倦
1999年、産業医科大学医学
部卒業。同大学医学部助教。
和歌山県立医科大学耳鼻咽
喉科。浜松労災病院耳鼻咽
喉科。熊本労災病院耳鼻咽
喉科を経て2011年より堀病
院および、東手城医院勤務
口 蓋 動 脈 と 共 に 鼻 の 中 に 鼻薬や内服薬で症状の改
い こ う ) と い う 穴 か ら 蝶 が再発しても短期間の点
ます。
やくしゃみに関係してい
アレルギー性鼻炎の主
症 状 は く し ゃ み、 鼻 水、
入ってくる神経で、鼻水 善が多くみられます。
み、鼻水、鼻づまりなど ります。
Q どんな治療法があるのですか
の 症 状 が 長 く 続 く た め、
後鼻神経は、鼻の奥で 断術は優れた効果を長期
ます。生命を脅かすこと の低下など、学業や仕事
はありませんが、くしゃ への影響が出ることもあ 蝶口蓋孔(ちょうこうが 間得ることができ、症状
ており、増加傾向にあり 怠(けんたい)感や集中力
平木信明先生
み行うので顔に傷は付き
高 め て い く 治 療 法 で す。 ー ザ ー 治 療 が あ り ま す。 後鼻神経を切断するこ ません。手術は約2時間
一昨年からスギ、昨年か レーザー治療は約6カ月 とにより鼻水やくしゃみ で、入院は7日~ 日間
疫療法は、体の免疫力を こる鼻粘膜に照射するレ ています。
唯一の根本治療である免 術、アレルギー反応の起 断する方法が主流になっ なく、内視鏡で鼻からの
分けられています。次に 目的とした後鼻神経切断 経を分離し、神経のみ切 身麻酔で行うので痛みは
症状や程度に応じて使い 鼻水やくしゃみの改善を も髙まるため、動脈と神 もあります。手術は、全
療法です。内服薬として 鼻づまりの改善を目的と 断すると将来、鼻を加湿 を同時に行います。
また最近、術後に舌下
は、抗ヒスタミン薬など、 した鼻中隔矯正術・下甲 する働きを損なうだけで
外用薬には点鼻薬があり 介(かこうかい)切除術、 なく、術後出血の可能性 免疫療法を併用すること
ます。まず行うのは薬物 少 な い 方 に お 勧 め で す。 方法でしたが、動脈を切 隔矯正術、下甲介切除術
法、手術療法などがあり ギー性鼻炎や薬の効果が 後鼻神経を共に切断する らに効果を増すため鼻中
アレルギー性鼻炎の治 た。最終手段として行う
以前の手術は特殊なメ 鼻づまりですので、後鼻
療には薬物療法、免疫療 手術療法は通年性アレル スを使い、蝶口蓋動脈と 神経切断術とともに、さ
「堀病院」耳鼻咽喉科の平木信明先生(東手城医院院長)に聞きました
免 疫 療 法 が 始 ま り ま し いといわれています。
Q
改善します。後鼻神経切 以上から行えます。
耳鼻咽喉科・眼科
堀病院
☎084
(926)
3387
に置き、1、2分してか 的安全ですが、まれに副 医療費の1、2割、それ ねください。
ら飲み込みます。初めは 作用が出ます。また、2 以 外 の 方 は 3 割 負 担 で
❸前面から見た鼻腔内
まがった鼻中隔
鼻中隔矯正術
くれる制度もありますの
歳 以 という医療費を減免して
歳
福山市沖野上町3-4-13
耳鼻科HP=http://www.hori.or.jp
眼科HP=http://ganka-hori.com
紹介した治療はすべて で、具体的な金額は治療
液状(スギ)や錠剤(ダ はある程度期待でき、注
ニ)の薬を舌下(舌の裏) 射による治療に比べ比較 保険適応です。高齢者は を受ける医療機関でお尋
保険が利きますか
これらの治療には
Q 舌下免疫治療法とは?
ら ダ ニ の 抗 原 に よ る 舌 下 ~ 2 年 で 再 発 す こ と が 多 な ど の 症 状 が 7 割 ぐ ら い ぐ ら い で す。 手 術 は
10
12
堀病院
少量から始め、徐々に増 年~5年間治療を続ける す。また高額療養費制度
蝶口蓋孔
12
下甲介
下鼻甲介切除術
蝶口蓋動脈
後鼻神経が
でてくる部位
後鼻神経を切断
量して体の免疫力を高め 必要があります。
❶側面から見た鼻腔内
❷後鼻神経切断
ていく治療法です。効果 上から行えます。
アレルギー性鼻炎の手術
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどで
多くの人が悩まされるアレルギー性
鼻炎。この最新治療について「堀病院」
耳鼻咽喉科の平木信明先生(東手城医
院院長)に聞きました。
「くしゃみ、鼻水、鼻づまりで悩んでいるあなたに」