PDF

12/15/2006
Ver. 2.00
産業エネルギー政策論
日時:
教室:
第八回講義
戦後マクロ経済の概観
-高度経済成長に向けて
北海道大学公共政策大学院
倉田
健児
[email protected]
占領軍による五大改革指令
• 婦人の解放
– 新選挙法、民法改正
• 圧政的諸制度の撤廃
– 政治犯釈放、特別高等警察廃止、治安維持法廃止
• 教育の自由主義化
– 教育基本法(義務教育9年、男女共学)、学校教育法(6・3・3・4学制)
• 労働組合の結成
– 労働基本法、労働組合法、労働関係調整法
• 経済の民主化
– 財閥解体(独占禁止法、過度経済力集中排除法)、農地改革
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
2
GNP伸び率の推移
50
名目GNP
40
実質GNP
GNPデフレーター
パーセント
30
20
10
5
199
19
85
5
197
19
65
5
195
19
45
5
193
19
25
5
191
19
05
189
18
85
-10
5
0
-20
出所:日本エネルギー経済研究所 『エネルギー・経済統計要覧』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
3
GNP伸び率の推移(第2次世界大戦後)
25
名目GNP
20
実質GNP
GNPデフレーター
パーセント
15
10
5
19
47
19
50
19
53
19
56
19
59
19
62
19
65
19
68
19
71
19
74
19
77
19
80
19
83
19
86
19
89
19
92
19
95
19
98
20
01
20
04
0
-5
出所:日本エネルギー経済研究所 『エネルギー・経済統計要覧』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
4
実質GNP伸び率の推移
20
朝鮮戦争勃発
第一次石油危機
パーセント
15
第二次石油危機
10
バブル経済崩壊
5
戦後
混乱期
高度成長期
安定成長期
構造変革期
19
47
19
50
19
53
19
56
19
59
19
62
19
65
19
68
19
71
19
74
19
77
19
80
19
83
19
86
19
89
19
92
19
95
19
98
20
01
20
04
0
-5
出所:日本エネルギー経済研究所 『エネルギー・経済統計要覧』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
5
戦後混乱期から高度経済成長へ
• 「家計も赤字、企業も赤字、政府も赤字」
– 第一回年次経済報告(経済実相報告) (1947年)
• 「もはや戦後ではない」
– 昭和31年度版経済白書(1956年)
– 1955年度を振り返って
• 「国民所得倍増計画」
– 1960年策定
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
6
国際収支に対する危機感
「日本経済の危機の焦点は、国際収支の悪化にある」
「国民生活の実力以上の向上のために外貨が費消されてしまっ
たのである。国内における貯蓄以上の投資が対外的には実力
以上の輸入となって現われる」
「資本蓄積に近道はない。外国援助に頼らぬ限り、国民の消費
節約にまつほかはない」
「前進を続ける世界経済へ復帰するためにわが国経済は今から
縮小-正常化-発展の三つの関門をくぐらねばならない。そし
てその不可欠な要件は、我が国産業の国際競争力の涵養、生
産性の向上である」
昭和29年度版経済白書
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
7
もはや「戦後」ではない
「いまや経済の回復による浮揚力はほぼ使い尽くされ
た。なるほど、貧乏な日本のこと故、世界の他の国々
に比べれば、消費や投資の潜在需要はまだ高いかも
しれないが、戦後の一時期に比べれば、その欲望の
熾烈さは明らかに減少した。もはや「戦後」ではない。
我々はいまや異なった事態に当面しようとしている。
回復を通じての成長は終わった。今後の成長は近代
化によって支えられる」
昭和31年度版経済白書 結語
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
8
各種経済計画
名称
経済自立
5ヶ年計画
新長期
経済計画
国民所得倍増計画
中期経済
計画
期間
1956-60
1958-62
1961-66
1964-68
計画
5.0%
6.5%
7.2%
8.1%
実績
8.7%
9.9%
10.7%
10.6%
重点
課題
・設備の近代化
・貿易の振興
・自給度の向上
・消費の節約
・産業基盤の強
化
・重化学工業化
・輸出の拡大
・貯蓄の増強
・社会資本の充実
・産業構造の高度化
・貿易と国際経済協力の推進
・人的能力の向上と科学技術
の振興
・二重構造の緩和と社会安定
・低生産部門の
近代化
・労働力の活用
・国民生活の質
的向上
出所:『日本経済史8 高度経済成長』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
9
国際経済体制への復帰
1955年
1964年
• GATT加盟
• IMF8条国に移行
– 自由貿易の原則
– 為替取引に対する制限の禁止
• OECDに正式加盟
– 国際資金移動に対する制限の
撤廃
• GATT35条援用の撤回
– 対日貿易差別の解消
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
10
貿易収支の推移
400
150
輸出
100
輸入
収支
50
1991
1986
1981
1976
1971
1966
1961
-100
1956
0
1951
100
1946
輸出入額(BUS$)
200
0
収支(BUS$)
300
-50
-200
-100
-300
-400
-150
出所:日本銀行 『経済統計年報』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
11
貿易収支の推移(第1次石油危機まで)
30
8
輸入
6
収支
4
1971
-10
1966
0
1961
0
1956
2
1951
10
1946
輸出入額(BUS$)
20
輸出
-2
収支(BUS$)
10
40
-4
-20
-6
-30
-8
-40
-10
出所:日本銀行 『経済統計年報』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
12
国際収支の推移
150
経常収支
100
長期資本収支
1991
1986
1981
1976
1971
1966
1961
1951
1946
BUS$
0
1956
基礎的収支
50
-50
-100
-150
出所:日本銀行 『経済統計年報』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
13
国際収支の推移(第1次石油危機まで)
10
8
経常収支
6
長期資本収支
4
基礎的収支
1971
1966
1961
1956
-2
1951
0
1946
BUS$
2
-4
-6
-8
-10
出所:日本銀行 『経済統計年報』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
14
為替レートの推移(年間平均値)
400
350
プラザ合意
300
円/$
250
200
150
100
360円/$に固定
ニクソン・ショック
50
19
49
19
52
19
55
19
58
19
61
19
64
19
67
19
70
19
73
19
76
19
79
19
82
19
85
19
88
19
91
19
94
19
97
20
00
20
03
0
出所:日本銀行 『経済統計年報』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
15
為替レートの推移(月間平均値)
350
300
250
200
150
100
50
19
73
19
75
19
77
19
79
19
81
19
83
19
85
19
87
19
89
19
91
19
93
19
95
19
97
19
99
20
01
20
03
20
05
0
出所:日本銀行 『経済統計年報』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
16
GNP及び1人当たりGNPの推移
(実質、1990年価格)
6,000
実質GNP
500
5,000
実質GNP(兆円)
一人当たり実質GNP
400
4,000
300
3,000
200
2,000
100
1,000
1995
1985
1975
1965
1955
1945
1935
1925
1915
1905
1895
0
1885
0
一人当たり実質GNP(千円)
600
出所:日本エネルギー経済研究所 『エネルギー・経済統計要覧』
© kenji kurata 2006
北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
17