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12/14/2006
Ver. 2.00
産業エネルギー政策論
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教室:
第二回講義
産業発展の基盤形成
-江戸時代から明治維新へ
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北海道大学公共政策大学院
倉田
健児
[email protected]
先進文明からの吸収と消化の歴史
• 飛鳥、白鳳、天平文化(4世紀後半~8世紀)
– 朝鮮半島からの帰化人の受け入れ/遣隋使、遣唐使の派遣
– 土器、金属器、土木・建築、漢字
• 国風文化(10~12世紀)
– 大陸との交流の衰退
– 仮名文字、和歌
• 鎌倉、室町文化(13世紀~15世紀)
– 宋、元、明の影響
• 安土・桃山文化(16世紀)
– 南蛮の影響
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江戸時代に培われた基盤
• 農業の発展
– 自給自足的な農業から、商品作物の栽培へ
• 工業の発展
– 織物、漆器などは、工場制手工業の段階
• 貨幣経済の発展
• 資本の蓄積
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日本の耕地面積と人口の推移
人口(百万人)、耕地面積(百万ha)
14
12
人口
10
耕地面積
8
6
4
2
2000
1900
1800
1700
1600
1500
1400
1300
1200
1100
1000
900
800
700
0
出所:大石慎三郎「江戸時代」、農林水産省「耕地及び作付面積統計」、日本統計
協会「日本長期統計総覧」、総務省「国勢調査報告」などに基づき作成
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背景としての幕府改革、藩政改革
• 殖産興業
– 養蚕、絹織物業の奨励
– 櫨、楮、菜種などの生産
• 特産品の専売制度と冥加金の取り立て
– 薩摩藩(奄美大島)での甘蔗栽培
– 肥前藩での陶器
• ただし、専売制に反対する一揆も頻発
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櫨と櫨蝋
櫨の木
‡
櫨から作る櫨蝋
写真:http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/
BotanicalGarden/HTMLs/haze.html
制限資料
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写真:http://www.mis.ne.jp/~matsui-1/
haze/haze.html
‡
松本本和蝋燭工房の提供
制限資料
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藩校と寺子屋の開校数(年間平均)
10
350
9
8
7
藩校(左目盛)
300
寺子屋(右目盛)
250
6
200
5
150
4
3
100
2
50
1
0
0
1625
1650
1675
1700
1725
1750
1775
1800
1825
1850
出所:石川松太郎 「藩校と寺子屋」を基に作成
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男子児童の就学率
6,000
120
学齢児童
100
就学児童
就学率
4,000
80
3,000
60
2,000
40
1,000
20
19
23
19
18
19
13
19
08
19
03
18
98
18
93
18
88
18
83
0
18
78
18
73
0
就学率(%)
児童の数(千人)
5,000
出所:文部省 「学校基本調査」
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女子児童の就学率
120
4,500
学齢児童
4,000
就学児童
3,500
就学率
100
80
3,000
60
2,500
2,000
就学率(%)
児童の数(千人)
5,000
40
1,500
1,000
20
500
19
23
19
18
19
13
19
08
19
03
18
98
18
93
18
88
18
83
0
18
78
18
73
0
出所:文部省 「学校基本調査」
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就学率の男女差
120
100
就学率(%)
80
60
40
男
女
20
19
23
19
18
19
13
19
08
19
03
18
98
18
93
18
88
18
83
18
78
18
73
0
出所:文部省 「学校基本調査」
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明治維新が最大の改革
封建的身分・職業制度の廃止
人とモノの流動性の向上
• 農民の土地からの開放
• 交通の自由化
• 農地の売買
• 輸送の自由化
• 自由な農産
• 全国統一貨幣の流通
• 自由な起業(株仲間の排除)
• 金融制度の確立
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産業の発展の背景
• 産業は、「政策」に矮小化された手法によって勃
興・振興されるのではない
• 適切な社会、経済基盤の存在が必要
• 「近代化」についても同様
• ただし、適切な基盤の存在を前提に、適切な政策
の実施は、相応の効果を発揮
• これはは、明治以降の近代化がそうであったよう
に、第二次世界大戦後の高度成長でも同様
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