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12/15/2006
Ver. 2.00
産業エネルギー政策論
日時:
教室:
第九回講義
高度経済成長に向けて
-産業政策概観Ⅰ
北海道大学公共政策大学院
倉田
健児
[email protected]
前 史
• 傾斜生産方式 (経済安定本部)
– 石炭、鉄鋼などの生産財の増産に傾注
• 1949年3月 ドッジ・ライン開始
– アメリカ援助と日本政府補助金の打ち切り、復興金融金
庫融資の停止、超緊縮予算。この結果、デフレの発生と
企業倒産、大量馘首
• 1949年4月25日 360円/$の為替レート設定
– 日本経済の価格体系が国際価格体系に組み入れ
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北海道大学公共政策大学院
倉田 健児
2
国際収支に対する危機感
「日本経済の危機の焦点は、国際収支の悪化にある」
「国民生活の実力以上の向上のために外貨が費消されてし
まったのである。国内における貯蓄以上の投資が対外的には
実力以上の輸入となって現われる」
「資本蓄積に近道はない。外国援助に頼らぬ限り、国民の消費
節約にまつほかはない」
「前進を続ける世界経済へ復帰するためにわが国経済は今か
ら縮小-正常化-発展の三つの関門をくぐらねばならない。
そしてその不可欠な要件は、我が国産業の国際競争力の涵
養、生産性の向上である」
昭和29年度版経済白書
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倉田 健児
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GNP伸び率の推移
25
名目GNP
20
実質GNP
GNPデフレーター
パーセント
15
10
5
19
47
19
50
19
53
19
56
19
59
19
62
19
65
19
68
19
71
19
74
19
77
19
80
19
83
19
86
19
89
19
92
19
95
19
98
20
01
20
04
0
-5
出所:日本エネルギー経済研究所 『エネルギー・経済統計要覧』
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倉田 健児
4
貿易収支の推移
400
150
輸出
100
輸入
収支
50
1991
1986
1981
1976
1971
1966
1961
-100
1956
0
1951
100
1946
輸出入額(BUS$)
200
0
収支(BUS$)
300
-50
-200
-100
-300
-400
-150
出所:日本銀行 『経済統計年報』
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5
貿易収支の推移(第1次石油危機まで)
30
8
輸入
6
収支
4
1971
-10
1966
0
1961
0
1956
2
1951
10
1946
輸出入額(BUS$)
20
輸出
-2
収支(BUS$)
10
40
-4
-20
-6
-30
-8
-40
-10
出所:日本銀行 『経済統計年報』
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6
実質GNP伸び率でみた時代区分
20
朝鮮戦争勃発
第一次石油危機
パーセント
15
第二次石油危機
10
バブル経済崩壊
5
戦後
混乱期
高度成長期
安定成長期
構造変革期
19
47
19
50
19
53
19
56
19
59
19
62
19
65
19
68
19
71
19
74
19
77
19
80
19
83
19
86
19
89
19
92
19
95
19
98
20
01
20
04
0
-5
出所:日本エネルギー経済研究所 『エネルギー・経済統計要覧』
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通商産業省誕生
• インフレ終息
• 産業合理化
• 輸出振興
単一為替レートの下での
日本経済の自立
日本経済では、産業と通商は不可分の関係
1949年5月、産業政策と通商政策を総合的に
担当する官庁として通商産業省を設置
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混乱期から高度成長の礎へ
• 臨時物資需給調整法
– 戦争直後の物資不足時代における工業製品に
関する国内統制の実施
– 1952年4月失効、統制解除
• 1949年 外国為替及び外国貿易管理法
– 経常取引に対するコントロール
• 1950年 外資に関する法律
– 技術と資本の導入に対するコントロール
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「能力」ある企業への資源集中投入
• 技術
– 外資法により、「不当」な導入条件や、「過当」競争を排除
• 資本
– 日本開発銀行資金の斡旋、税制優遇
• 輸入原材料
– 輸入割当による確保
• 輸入競争製品
– 輸入競合製品の輸入制限
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「過剰」生産に陥った場合には
• 勧告操短
• 外貨割当削減
半強制的な生産調整
• 輸入原材料割当削減
政府主導の需給調整の実施
• 臨時物資需給調整法は失効、しかし、
• 輸出入統制及び外国技術導入統制措置が存在
• これらは、競争制限を図る上では十分に効果的
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もはや「戦後」ではない
「いまや経済の回復による浮揚力はほぼ使い尽くされ
た。なるほど、貧乏な日本のこと故、世界の他の国々
に比べれば、消費や投資の潜在需要はまだ高いか
もしれないが、戦後の一時期に比べれば、その欲望
の熾烈さは明らかに減少した。もはや「戦後」ではな
い。我々はいまや異なった事態に当面しようとしてい
る。回復を通じての成長は終わった。今後の成長は
近代化によって支えられる」
昭和31年度版経済白書 結語
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諸指標の戦前水準との比較
戦前の水準を超えた年
戦前の水準の2倍を超えた年
実質国民総生産
1人当たり国民総生産
実質個人消費支出
実質民間設備投資
鉱工業生産指数
実質輸出等受取
1965
1963
1961
1959
1957
1955
1953
1951
1949
1947
1945
実質輸入等支払
出所:安場安吉、猪木武徳編 『日本経済史8 高度成長』 p.59 表2-1から作成
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