CDPの概要

CDPの概要
2016年2月25日
CDP 2016 ワークショップ
CDP事務局
ジャパンディレクター
森澤みちよ
1
CDPのミッション・ビジョン
CDPのミッション
• 事業・投資・政策判断において必要な
情報を提供することにより、危険な気
候変動を防ぎ、天然資源を尊重する
グローバルなエコノミック・システムへ
と移行することを目指している
森林
気候変動
CDPのビジョン
• 危険な気候変動を防ぎ、天然資源を
守り、資産の効果的な分散を通じて
長期的な繁栄を創造することを目指
している。
2
水
CDPの情報開示要請
機関投資家
2016年 826社
(100兆米ドル)
企業+政府
(サプライヤーへの開示要請)
75社(2015年)
投資家質問書対象日本企業
• 気候変動:FTSEジャパンインデックス、
時価総額上位企業を基本に500社
• ウォーター:時価総額上位企業のうち
水リスクの低いセクターを除く150社
• フォレスト:グローバルで対象107社
質問書
企業
回答
サプライチェーン質問書
3
• サプライチェーン気候変動質問書
• サプライチェーンウォーター質問書
• サプライチェーンフォレストパイロット開始
CDP署名投資機関数
900
800
署名機関数
700
600
500
400
826社
($100兆)
643社
($63兆)
365社
($22兆)
120
100
80
60
300
40
200
20
運用資産総額(兆米ドル)
2016年
2015年全世界回答
企業数
CDP署名機関の推移
100
5533社
ウォーター
1237社
フォレスト
179社
0
0
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
4
気候変動
気候変動署名機関数
ウォーター署名機関数
フォレスト署名機関数
気候変動運用資産総額
ウォーター運用資産総額
フォレスト運用資産総額
2015年10月22日、CDP 2015 ウォータープログラム結果発表
(グローバルの報告会を初めて日本で開催)
Aリスト日本企業
• トヨタ自動車
• ローム
• アサヒグループ
ホールディングス
5
2015年11月4日、CDP2015気候変動プログラム結果発表
Aリスト日本企業
• ソニー
• 日産自動車
• アサヒグループホール
ディングス
• キリンホールディングス
• サントリー食品インター
ナショナル
• 清水建設
• 大日本印刷
6
• 日立製作所
投資家によるCDPデータの利用
CDPデータは、投資関連の活動に有用な情報として、投資の専門家によって広く
利用されている。
データ&ESGリサーチプロバイダー
インデックス・プロバイダー
1.CDPデータを利用した気候変動およびサステナ
ビリティ指数の構築
1. CDPデータへのアクセスの提供
2. CDPデータに基づいた指標の作成
3. 企業・セクター・産業別の分析実施
4. 投資リサーチの実施
5. 新しい方法論や評価ツールの作成
CDP
データ
投資家:買い手側
1.セクターおよびポートフォリオ分析実施
2.指数を使用したリターンの最適化
3. ポートフォリオの気候変動についての感度評価
4. 企業のエンゲージメントをサポート
5.排除の指標として
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投資家:売り手側
1.ブローカーのレコメンデーション
2. 投資リサーチの実施
3.同業他社やセクター別分析の実施
4. 新規金融商品の開発: グリーンETF’s
5. 融資しているポートフォリオの炭素強度の評価
6. コーポレート・ファイナンスのデューディリジェンス
2013年からQuick 社がCDPゴールドデータパートナー契約、データ提供開始
CDP投資家向けセクターレポート
2015年Independent Research in Responsible Investmentの調査*に
より、最も革新的な研究成果として表彰
• CDP:気候変動に関するリサーチ部門 第1位
• CDPセクター分析:革新的な研究成果部門 第1位
• CDPセクター分析担当者:SRIアナリスト部門 第1位
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* 35か国600超の機関に所属する1200以上の投資の専門家を対象に、
836調査機関、538アナリストに対する評価結果
CDP投資家向けセクターレポート
 目的
– CDPが有する豊富な環境データの活用事例として提示し、投資家に、より
CDPのデータを活用してもらうため、財務的な観点も考慮して分析
– 気候変動リスクを低減し、関連する新規制を機会として活用している企業
を特定
 対象セクター
– Auto, Utilities, Consumer Goods, Oil & Gas, Materials, Metals & Mining
(3か月ごとにレポート発表予定)
 分析内容
– セクターごとに特徴的な環境データや規制を取扱う
– 投資家と企業の対話を促すための材料とする
– セクターにとって重要と考えられる基準と財務的な影響を考慮する
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投資家の世界の潮流 スチュワードシップ
• 機関投資家によるスチュワードシップ活動の世界的な進展
• スチュワードシップ・コード策定
– 英国、オーストラリア、オランダ、南アフリカ共和国、日本、
マレーシア、
• スチュワードシップ・コード策定検討中
– スウェーデン、デンマーク、シンガポール
• PRI(責任投資原則)の進展 PRIの原則2の積極的な保有は
スチュワードシップコードに深く関連
– 資産運用額$35兆の1300の機関投資家が署名
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日本の状況、責任投資拡大の兆候
産業競争力会議
日本再興戦略 2013年6月14日閣議決定
• 金融庁日本版スチュワードシップコード 2014年2月
• 日本取引所の新しいIndex JPX 日経インデックス400 2014年1月
• 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針の変化
2014年4月、10月
• 中期計画に収益の為にESGを含む非財務情報活用を検討2015年4月
• 金融庁 コーポレートガバナンスコード策定 2015年
201機関がスチュワードシップコード受入れ表明(2015年12月現在)
GPIFがPRIに署名(2015年9月)
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投資家の低炭素化に向けた動き
 モントリオール・カーボン・プレッジ
(Montreal Carbon Pledge)
– 投資ポートフォリオのCO2排出量を毎年測定し、公開する
– 100機関以上が署名
– 日本の署名投資機関:セコム年金基金、DIAM
 ポートフォリオ脱炭素化連合
(Portfolio Decarbonization Coalition)
– ポートフォリオの脱炭素化の数値目標を宣言する
– 25機関が署名
– 運用資産総額3.2兆米ドルのうち、
6000億米ドル分がコミット
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企業のより正確な排出量報告が求められる
COP21 と CDP
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COP21 と CDP
100社以上がSBTを設定し、100社
以上が責任ある政策協働を宣言し
ている。CDPによると、1000社以上
が炭素価格を設定/支持してい
る。
CDPは私たちが必要としているリ
サーチを提供している。
マーク・カーニー
(イングランド銀行総裁)
バン・キムン
当社はインドで最初にCDPに回答した企業のうちの1社である。当初は戦
略的な情報を開示することに警戒する声があったが、現在回答企業の方
がより強い立場にある。中国企業にもそのことを理解してもらいたい。
タタ・グループ代表
14
Commit to Action
ネットワークパートナー:
協力:
15
Commit to Action
科学的根拠に基づいた排出削減目標の設定
再生可能エネルギー100%の電力調達
全てのサプライチェーンから森林伐採の原因となるコモディティの調達を行わない
気候変動と大気汚染に寄与する排出の削減
メインストリームの財務報告書での気候変動情報開示
責任ある政策との協働
カーボン・プライシングの導入
42か国、365以上の企業
(時価総額9兆米ドル)が
宣言に署名
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【署名日本企業】
旭硝子、電通、本田技研工業、花王、
近鉄、キリンホールディングス、コニカ
ミノルタ、三菱ケミカルホールディング
ス、日産自動車、リコー、ソニー
追加署名募集中
他機関との協働
 環境関連の情報開示について、グローバルに主要な機関と協働
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他機関との協働-算定方法、基準、報告ガイドライン
 WRI/WBCSDのワーキンググループに
参加し、GHGプロトコルに整合した報
告
 GRIとMOU
– 気候変動と水に関して、CDPの質問内容
とGRIの指標がどのようにリンクしている
かのガイダンスを作成
 グローバルコンパクトと協働し、CEO
ウォーターマンデート報告ガイドライン
を作成
– グローバルコンパクトはCDPウォーター質
問書への回答をCEOウォーターマンデート
の年次報告として認める
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他機関との協働-統合報告
 CDPはCDSBの事務局として活動
– CDSBフレームワークは、非財務情報開示のEU
指令に準拠している
 IIRCとMoU
– CDPとCDSBは、コーポレート・
レポーティング・ダイアローグの
メンバーとして積極的に活動
 企業のサステナビリティ情報を財務報告書
に記載することに関してSASBと協働
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他機関との協働-その他プロジェクト
 WRIとMoU
– 気候変動、ウォーター、フォレストで協
働
– SBTに関連して協働
 WWFとMoU
– SBTに関連して協働
– レポート「The 3% Solution: Driving
Profits Through Carbon Reductions –
identifies cost savings and carbon
reductions」
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他機関との協働-調査機関
 DJSIの気候変動関連質問項目
は、CDP質問書の一部と同じ
内容に変更
 Ecovadis’への調査の回答は、
CDP回答を代替可能
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他機関との協働-政府
 環境省(日本)
– 「環境情報開示システム」事業において、CDPに回答し、回答内容を一
般公表している企業は、関連する質問についての回答を代替可能
 イタリア環境省
– 企業にCDPに回答することを求め、持
続可能な成長と環境保護を促進する
 ポルトガル環境庁
– ベストプラクティスを共有するプロジェ
クトを共同で実施
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他機関との協働-政府
 アメリカ政府(一般調達局)
– 2015年よりCDPサプライチェーンプロジェクトに参加。調達企業にCDP
質問書への回答を求める
– 2015年は、115サプライヤーに質問を送り、63社が回答。
– 回答企業の85%によって、117億ドルの削減投資が行われ、10億ドル
のコスト削減、1590万トンのCO2削減が実施された。
– 2017年からは、大統領命令13693(次の10年の連邦の持続可能性計
画)によって、米国政府内の7大調達局が、年間最低5契約について、
サプライチェーンの排出管理をすることが命じられている
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