『環境情報開示システム』について

『環境情報開示システム』について
2015年2月10日
環境省
総合環境政策局 環境経済課
1.本事業の概要
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本事業の目的
本事業概要①
• 平成25年度から27年度の3カ年事業として、環境情報開示基盤(環
境情報開示システム)を試行的に整備し、企業にとっての利便性の検証、
金融機関等における活用や利便性の検証を実施中。
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本事業の概要
本事業の概要②
• 本事業では、企業がCSRレポート等を紙媒体や、自社webサイトを通じて
開示している環境関連の非財務情報を、本事業で整備する環境情報システ
ムを通じて、投資家を中心としたステークホルダーに適時・適切に開示する仕
組みを構築。
• 本事業に参加いただく企業は、環境情報開示システムへの入力とアンケート
への回答、参加金融機関等(投資者サイド)には同システムに入力された
データの閲覧とアンケート回答を行う
• アンケート結果は、本事業の改善に活用する他、統計処理・匿名化した上で
参加者にフィードバック
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2.本事業の目的と意義
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本事業の地球規模で広がる環境等に配慮した投資
サプライチェーンのグローバル化による、リスクと機会の把握の重要性が高まっている
リスク・・サプライチェーン上の労働、資源調達・開発などの課題が、経営に重大な影響を及ぼす可能性
機 会・・資源利用の効率化、生産性向上の取組などが、中長期的な業績に寄与する可能性
環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の非財務項目を投資分析や、意思
決定に反映させる、ESG投資が欧米を中心に急速に拡大
地域別のESG投資の資産規模
世界の
潮流
ESG投資の総投資額に対する地域別の割合
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環境情報の開示促進
●環境報告書作成の取組を支援-環境配慮促進法(2005年施行)
●投資家等に環境情報が活用されるようにするための情報基盤整備を開始(2013年度~)
・財務報告で広く採用されているXBRL*を活用
*eXtensible Business Reporting Language :財務報告の作成・流通・利用が容易となるコンピュータ用語。世界約50カ国で導入が進んでいる。
・CDPの質問票等を参考に、関係者にとって効率的・効果的なツールを目指す
企業
情報
環境情報等の非
財務情報
情報開示
環境報告書
など
・GHG排出量と
削減状況
・ガバナンス
・リスク機会 など
・売上
・営業利益
・利益率
・純資産 など
中長期
投資家
整備に着手
企業・金融機関の参
加を得て試行
資金
情報開示
財務情報
投資家等
開示基盤
情報
有価証券
報告書など
開示基盤
日本版スチュワードシップ
コードの公表などで、国内
も増加方向へ
有報検索
システム
短期
投資家
(EDINET)
資金
Copyright © 2014 NTT DATA Corporation
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7
3.環境報告フォーマットについて
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環境報告フォーマット検討の経緯
環境報告フォーマットの仕様検討経緯
平成25年度事業結果を受け、4月から9月まで6か月間にわたり検討
既存フォーマットや
ガイドラインの活用
・CDPとの連携
・環境報告ガイドライン
・GRI G4など
有識者意見
・投資家、有識者ヒアリング
(合計で26回実施)
・2回の有識者ワークショップ
H25事業成果
事務局検討
・500件以上のご意見
・投資家向け情報提供に
注目
環境報告
フォーマット
開示要望と回答量とのバラ
ンス調整(900以上の項
目から厳選)など
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環境報告フォーマットの特徴
環境報告フォーマットの特徴
①回答のしやすさに配慮した設問構成
全体が階層構造になっており、入力・回答作業におけるストレ
ス軽減を図っている(昨年アンケート等を考慮)
②CDPとの連携
CDP回答企業であれば、気候変動関連情報が、システム
上デフォルト表示させる対応
③日本語、英語での入力が可能
海外投資家による利用も想定した作り込み
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回答のしやすさに配慮した設問構成
①回答のしやすさに配慮した設問構成
2.重要な環境課題分野の特定
重要な環境課題の特定
以降の回答は不要
水資源 必須
◉ 特に重要
◉ 重要
◉ 自社の経営上重要と判断していない
設問に対し段階的に
回答するように設計
3.環境課題詳細
環境課題概要
水資源
戦略(必須)
リスク(必須)
以降の回答は不要
◉ なし
機会(必須)
目標(必須)
◉ あり
自社の重要な環境課
題や、取組がある項目
のみを掘り下げて回答
できる
水資源
戦略
内容(必須)
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CDPとの連携
②CDPとの連携
CDP気候変動質問票の回答データを反映することで入力を省力化
CDP気候変動2014
質問票への回答
環境情報開示システム
日本語入力用画面
気候変動
以外
日本語で回答
英語+日本語で回答
CDP
対応
CDP
非対応
気候変動
関連
英語入力用画面
気候変動
以外
英語で回答
反映されたCDPの回答情報は、画面操作に
よって削除、修正することが可能
CDP
対応
CDP
非対応
気候変動
関連
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日本語、英語での入力が可能
③日本語、英語での入力が可能
• 欧米を中心としたESG投資の急拡大
• 海外投資家による日本企業に対する情報開示要求の高まり
• CDP等において英語による回答を実施
日本語入力用画面と英語入力用画面を用意
日本語入力のみ、英語入力のみ、日本語・英語両方の入力が可能
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④環境報告フォーマット例
経営者のコミットメント
 経営者による環境に関するコミットメントがありますか。 (必須)
経営者による環境に係るコミットメントの有無を選択してください。
○ ある
○ ない
 内容
(必須)
《経営者による環境に関するコミットメントがありますか。》で、“ある”を選択した場合に回答が可能
です。
経営者による環境に係るコミットメントの内容を選択してください。
 主な責任範囲と内容 (必須)
《最高機関》で“役員個人、取締役会の一部、または取締役会が指定した委員会”“部長レベル”“その
他課長など”を選択した場合に回答が可能です。
環境に関する最高機関にて責任を負う範囲と具体的な内容を記述してください。
 最高機関の構成 (必須)
《最高機関》で“役員個人、取締役会の一部、または取締役会が指定した委員会”“部長レベル”“その
他課長など”を選択した場合に回答が可能です。
環境に関する最高機関に取締役構成メンバーが含まれるかについて選択してください。
○ 取締役会構成メンバーが含まれる
○ 取締役会構成メンバーが含まれない
環境についての最高機関
 最高機関 (必須)
実質的に環境課題の管理を行っている最高機関(個人も含む)を選択してください。
○
○
○
○
役員個人、取締役会の一部、または取締役会が指定した委員会
部長レベル
その他課長など
環境全般に責任を負っている個人や委員会はない
 最高機関名 (必須)
《最高機関》で“役員個人、取締役会の一部、または取締役会が指定した委員会”“部長レベル”“その
他課長など”を選択した場合に回答が可能です。
環境に関する最高機関にて責任を負っている個人の役職名または委員会名を記述してください。
 最高機関と取締役会の関係 (必須)
《最高機関》で“役員個人、取締役会の一部、または取締役会が指定した委員会”“部長レベル”“その
他課長など”を選択した場合に回答が可能です。
環境に関する最高機関が取締役会に報告、審議要請等を行っているかについて選択してください。
○ 取締役会に報告、審議要請等を行っている
○ 取締役会に報告、審議要請等を行っていない
 体制図・組織図 URL 入力例:http://example.co.jp/
《最高機関》で“役員個人、取締役会の一部、または取締役会が指定した委員会”“部長レベル”“その
他課長など”を選択した場合に回答が可能です。
御社の環境報告書、CSR 報告書等の報告書、もしくはホームページ等に、環境についての責任に対する体
制図、組織図が掲載されていれば、その URL を記入してください。
数値情報に加え、メッセージや図表など「非財務」情報・・・換言すれば「非数値系」情報が多数盛り込
まれている
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Source: NTT DATA 作成資料より
4.XBRLについて
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非財務報告の泣き所
非財務情報のデータ面での現状の課題
データ利用面から見ると、非財務報告には課題もある
スタイル・章立てがバラバラになりがち
スタイルがそろったとしても長文で読みにくい
他社との、あるいは同じ企業の過去の報告との比較が難しい
テキストマイニング手法を適用する場合でも、サーチ範囲が広く、
検出精度を上げ難い
しかし、予め標準化された報告形式があるのであれば、
XBRLを用いることで、情報単位としての扱いが可能になる!
Source: NTT DATA 作成資料より
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あらためて、XBRLとは?
XBRLとは・・・
Create
財務報告
Instance
参照関係
Taxonomy
(Schema/Linkbase)
IFRS Foundation のサンプルインスタンスに基づき作成
Source: NTT DATA 作成資料より
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XBRLを使った非財務報告フォーマット
XBRLを使った非財務報告フォーマット
財務報告の場合と同様に、非財務報告の項目に基づいてタクソノミを設
定することで、XBRL文書化が可能になる
ひとつの報告書データとし
て扱うこともできる
項目A
項目B
バラバラのデータとして
利活用することもできる
項目A
属性情報と
合わせて
データを処理
項目C
項目D
項目E
項目B
項目C
最小限の
情報劣化リスク
項目D
項目E
項目F
非財務報告
項目F
他の報告の項
目との比較も
できる
項目A
項目B
項目C
項目D
項目E
項目F
Source: NTT DATA 作成資料より
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5.環境情報開示システムの機能について
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環境情報開示システムで行うこと
環境情報開示システムで行うこと
• 環境情報の登録
 設問に沿って入力することにより、環境情報を作成
 環境情報の作成が完了したら、情報を公開し閲覧可能とする
• 環境情報の閲覧
 公開された各社の情報を閲覧を行う
 企業名、業種、環境課題の種類などによる検索が可能
• 環境情報の出力
 PDF、CSV、XBRLの各形式で環境情報の出力が可能
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環境情報開示システムの特徴
環境情報開示システムの特徴
• 入力のわかりやすさを重視
 入力時の操作性に配慮した画面デザイン
 入力内容に関するガイダンスメッセージを画面に表示
• 特別な技術、環境が不要
 Webブラウザ以外、特別なソフトウェアは不要
 PDF、XBRL等のファイルはシステムにて作成
(利用者側でファイルを準備する必要はありません)
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(参考)環境情報登録画面の例
(参考)環境情報登録画面の例
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システム利用に関する要件
システム利用に関する要件
• 環境情報開示システム利用の推奨環境
 推奨OS:Windows7(SP1)
 推奨ブラウザ:Internet Explorer 8,9,10,11
• システム運用時間
終日運用(土日祝日含む)
(緊急メンテナンス等の理由によるシステム停止期間を除く)
• ヘルプデスク
電話(平日:9:30~18:00)もしくはメールによるお問い合わせ
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6.今後の方向性について
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まとめ
本事業の今後の方向性について
• 今年度参加企業・・104社(昨年60社 内上場企業約40社)
• 参加金融機関・・・・24社(昨年12社)
本事業への関心が高まっていることを実感!
●本事業の方向性
・非財務情報開示を取り巻く環境が大きく変化
統合報告、G4、スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコード等
世界の潮流に追いつくだけではなく、日本の実情に合った、あるべき情報
開示のあり方を実現していく必要がある!
●今後の課題
・関連省庁との連携の強化
・環境省情報開示システムの28年度以降の運用方針の策定
など
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■参考資料
25
参加企業の内訳①
参加企業の内訳①
今年度は104社の企業が参加(昨年度は64社)
平成26年度
3 5
平成25年度
24
40
96
上場企業
非上場企業
上場企業
上場企業子会社
非上場企業
26
参加企業の内訳②
参加企業の内訳②
全体の約1/4はCDP回答対象外の企業
CDP2014気候変動質問票
28
4
72
回答対象
親会社が回答
回答対象外
27
参加企業の内訳③
参加企業の内訳③
製造業を中心に幅広い業種に分布
業種ごとの企業数
4 3
建設業
製造業
運輸・情報通信業
商業
金融・保険業
不動産業
サービス業
製造業の内訳
11
10
4
15
57
食料品
繊維製品
パルプ・紙
化学
医薬品
ゴム製品
ガラス・土石製品
非鉄金属
金属製品
機械
電気機器
輸送用機器
精密機器
その他製品
不明
3
1
2
13
3
1
1
3
1
6
8
3
2
9
1
28
平成26年度 参加金融機関等一覧(24社)
CSRデザイン環境投資顧問株式会社
株式会社東京商工リサーチ
International Integrated Reporting Council
株式会社東洋経済新報社
株式会社QUICK
ニッセイアセットマネジメント株式会社
株式会社クレアン
株式会社日本政策投資銀行
WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
株式会社日本総合研究所
ゴールドマン・サックス証券株式会社
野村アセットマネジメント株式会社
株式会社滋賀銀行
ブルームバーグ エル・ピー
株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ
みずほ信託銀行株式会社
損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント株式会社
三井住友アセットマネジメント株式会社
第一生命保険株式会社
三菱UFJ信託銀行株式会社
大和証券投資信託委託株式会社
株式会社三菱東京UFJ銀行
株式会社帝国データバンク
株式会社横浜銀行
※公募終了日現在
上記以外にも海外投資家等からも情報閲覧希望等あり
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事業成果報告会へのご参加(任意)
事業成果報告会について
●今年度事業成果に関する報告会の開催を予定しております
(平成27年3月18日 午後14:00~ 於:東京国際フォーラム)
■コンテンツ
①第一部
・今年度事業の全体状況の報告(アンケート結果等踏まえた具体的内容を予定)
・非財務情報開示の今後の方向性等をテーマに、参加企業、参加金融、
有識者を交えてのパネルディスカッション
②第二部
・意見交流会(名刺交換、登壇者への直接の質疑応答など)
(ご参考)
平成25年度の事業成果報告会(平成26年3月開催)では、140名を超える方々にご参加を頂き、
活動報告と環境情報基盤の可能性をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。
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