No.22 No.61 2016 年 1 月号 http://egonoki.jp/all/ エゴノキクラブ月刊 680 部発行外泊の交渉術外泊について、計画を立てていますか？外泊が急に決まって、慌てて家に帰って、すぐに病院に戻ってきたなんてこともありませんか。せっかくの機会なのですから、外泊をしたら何をしようかな、と楽しんで計画を立てましょう。１プランＢを用意しよう週末になると、外泊に行けるか行けないかでドキドキしていませんか。そして、残念ながら外泊に行けないと知ったときの子どもの落ち込む様子をみて、ママもがっかり。外泊に行けないときは、病棟でどんな風に過ごしたいのか、子どもと一緒に前もって計画を立てておきましょう。そうすると、「外泊に行くプランＡ」と「病室で○○を楽しむプランＢ」ということで、どちらになっても楽しみのある選択肢を用意しておきましょう。プラン B の内容によってはあらかじめ、お医者さんに希望を伝えておいてもよいかもしれません。２食事づくりもおいしさのうち外泊の楽しみナンバーワンは、「家で好きなものが食べられる」です。化学療法中は味覚が変わって、子どもたちはしょっぱいものや味の濃いものを好むかもしれません。そして、外泊中は気持ち悪くなるほどたくさん食べる子もいます。子どもの調子が良い場合は、食事の盛りつけをお手伝いしてもらいましょう。子ども自身が盛りつけを手伝いながら、満たされていく気持ちを体験するのも貴重ですよ。 3 楽しむことを我慢しない治療中は楽しむことを控えるように思われたり、治るまでは治療に専念しようと楽しみを我慢したりする人がいます。ですが、治療中も楽しい日々を送るための大切な 1 日です。きちんと治療を進めているのですから、不必要に心配せず、病気のことを忘れる楽しい外泊の時間をもちましょう。治療と楽しみはきっと両立できますよ。エディター：国立成育医療研究センター臨床研究開発センター小児がん登録室佐藤聡美（臨床心理士）手術前も普通にママ 娘は、生検もカテーテル挿入も腫瘍摘出手術もすべて行いました。当時３歳になったばかりの娘にどう説明したらよいのか悩みましたが、当の本人が「お腹のなかの悪いモンをやっつけるから、先生にお腹切ってもらうの」と納得し、特に戸惑うことなくオペになりました。オペうんぬんというよりも、なぜオペをしなければならないのか、当事者がしっかり理解し臨めるのが一番いいですね。むしろ、娘が一番苦労したのは、オペの恐怖より何より、オペ前の絶食と浣腸でした。それを紛らわすために、オペ前の最後の食事は本人が一番食べたいものを、売店まで買いに行きました。ちなみに、娘がチョイスしたのは、ロールケーキです。朝から必死になって食べていたのを今でも覚えています（笑）。特別だったのは最後の食事くらいで、あとはいつもと変わらないように過ごしました。変に意識して、娘を緊張させたくなかったからです。手術着を着て、わざとはしゃいで記念撮影をしたりもしました。とにかく、親の緊張が伝わらないようにしました。生検のときの私の心情は、正直覚えていません。まだ病名もわからず、入院して一発目の生検。きっと誰でも余裕はなくなります。だからこそ、子どもに不安が伝わらないようにするのが大事だと、治療が終わった今、強く思います。腫瘍摘出術のときは、すでに抗がん剤を７クール終えた後だったので、親の肝も据わっていて、手術中に夫と二人で個室移動の引っ越しをした後は、暗くならないように雑談をしていました。とにかく、気持ちは明るく！執刀医とは、手術前のカンファレンスでしっかり話し合いをしました。我が家は主治医や執刀医を信頼していましたので、何の疑問もなく、ただただ「お願いですから、オペ前日はゆっくり寝てくださいね」なんてお願いしかしていません。このカンファレンスで、しっかり疑問を解決したり、日頃からコミュニケーションをとったりするのも大事ですね。手術や治療が終わり、もうすぐ５年が経とうとしています。娘の体には、約２０センチの摘出痕とカテーテル痕がありますが、本人も家族もまったく悲観していません。それどころか「これがあるから生きている」と胸を張っているくらいです。（ぺこ）「ぺこ」さんは愛知県のエゴノキクラブのママ・ライターさんです。私たちは小児がんの子どもと家族ための「エゴノキクラブ」を応援します。「エゴノキクラブ」でレッツ検索！ http://egonoki.jp/all/ カウンセリング・ニュースが受け取れる場所★北海道大学病院小児がんチーム・中通総合病院小児科・宮城県立こども病院血液腫瘍科・新潟県立がんセンター新潟病院小児科・富山大学医学部小児科・筑波大学附属病院小児科・成田赤十字病院・帝京大学ちば総合医療センター・千葉県こども病院血液腫瘍科・東京都立小児総合医療センター子ども家族支援部門・慶應義塾大学医学部小児科・国立成育医療研究センター総合受付＆12 階レストラン「つばさ」・順天堂大学医学部附属順天堂医院・東京大学医学部付属病院小児科・神奈川県立こども医療センター・日本医科大学付属病院小児科・埼玉県立小児医療センター・埼玉県立岩槻特別支援学校・静岡県立こども病院・名古屋第一赤十字病院小児医療センター・大阪市立総合医療センター小児脳神経外科＆患者図書室・兵庫県立こども病院脳神経外科・岡山大学大学院保健学研究科・全国病弱虚弱教育学校 PTA 連合会★ 禁無断転載ⓒエゴノキクラブ All Rights Reserved.