群馬県の将来人口予測

(2016 年2月号掲載)
群馬県の将来人口予測
群馬経済研究所主任研究員
~要
樹下芳久
約~
1.群馬県の人口は、2005 年以降、減少傾向にある。10 年は 200 万 8000 人、14 年は 197
万 5000 人と4年間で3万 3000 人減少した。この要因を、出生数と死亡数との差であ
る自然増減と、転入数と転出数の差である社会増減でみると、自然減の影響が大きい。
2.市町村別では、35 市町村のうち吉岡町、太田市など3市1町で、10 年から 14 年にか
けて人口が増加し、31 市町村で減少した。この要因をみると、人口が増加した3市1
町では社会増の影響が、人口が減少した市町村の多くでは自然減の影響が、それぞれ
大きい。
3.群馬経済研究所の推計によると、群馬県の人口はこの先も減少を続け、20 年に 191 万
7000 人、30 年に 176 万 3000 人、40 年に 158 万人になると予測される。14 年から 40
年までの 26 年間で 39 万 5000 人減少すると考えられる。
4.市町村別では、14 年から 40 年にかけて人口が増加するのは吉岡町のみで、それ以外
の 34 市町村では減少する。人口が減少する市町村のうち、太田市や伊勢崎市は1ケタ
台の減少率にとどまるが、他の市町村は軒並み2ケタ台の減少率となる。
5.将来人口の減少要因をみると、県全体では 14 年から 40 年までの社会減が3万 9000
人(転入数 145 万 3000 人-転出数 149 万 2000 人)となる一方、自然減が 35 万 7000 人
(出生数 30 万 5000 人-死亡数 66 万 2000 人)に達する。市町村別では、吉岡町を除き、
自然減の影響が大きくなる。
6.人口減少の解決には、出生率を引き上げるとともに、20~39 歳人口を含む若い世代
の転出抑制・転入促進が重要である。安定的で魅力的な雇用・所得・生活環境の整備と、
それを支える産業の強化、安全・安心かつ快適な街づくりが必要であろう。