第21回全国ジュニア・ラグビーフットボール大会を終えて 北海道中学校選抜コーチ 宇佐見純平 ラグビーに限らず勝負する人間の顔は、どこか透明で、どこから見てもすがすがしさがあります。この 冬、一瞬ではありましたが、中学生のそうした横顔を見られたこと、チームに携わった者としてうれし く思っております。 12月29日から31日まで東大阪市花園ラグビー場にて行われた第21回全国ジュニア・ラグビーフ ットボール大会において、北海道中学校選抜は3戦全敗、第2ブロック8位で幕を閉じました。 初戦の茨城中学校選抜戦は双方ともに引き締まったディフェンスを繰り広げながら、後半の後半に相手 チームの優れたパス、ランにより立て続けに失点。5-33で敗れました。敗者戦となった翌日の千葉 県スクール選抜戦は前半を終えて0-0の同点。後半は一時15-0とリードしながら、終盤に逆転を 許し、15-17で敗れました。 この敗戦後がこの大会のハイライトだったように思います。事実を必死に受け止めて前を見る、見よう とする選手達の目はこの大会を通じて初めて雑念を振り払った、研ぎ澄まされたものへと変わっていき ました。悔しい負けは人生をより深く、人間を強くするのだということを改めて学ばせてもらいまし た。 最終戦となった東京都スクール選抜戦は戦う心で真っ向から勝負を挑みましたが、一つ一つのプレーの 精度、選手の視野、判断においては最後まで相手を上回ることなく、結果17-36で敗れました。 点差こそ離れましたが、この3戦目が最後の最後まで勝負する強い心を胸に抱いていたと思います。そ れだけに初戦からこの境地に選手やチームを導けなかったこと、コーチとして力不足と責任を感じてお ります。この先もラグビーを続ける多くの選手たちには、勝負の奥深さとこの悔しい負けを、次なるス テージの財産にしてもらえればと願うばかりです。 最後になりますが、この大会に入る直前、大阪市立柴島中学校、大阪市立東生野中学校のグラウンドで 両チームと合同練習をさせていただきました。北海道の中学生とは違うラグビー感、ラグビースタイ ル、何よりラグビーを通じた人間形成に、大きな共感を得ました。短い時間ではありましたが、両チー ムと過ごした時間もまた素敵な経験となりました。 そして北海道ラグビーフットボール協会はじめ現地で温かい声援を送ってくださった多くの皆様、選手 とチームを支えてくださった応援のすべてが力となりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 ありがとうございました。
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