No3・髪の毛のダメージの原因と対策

キューティクルを傷付ける原因
理美容施術によるもの
パーマやヘアカラーを行う場合、髪の毛のコルテックスに薬液を働きかけさせる為に、
アルカリ剤でキューティクルを開かなければなりません。この時に、どんなに弱めの
パーマやヘアカラーをしたとしても、やはり化学的施術で負担がかかるために多少な
No3・髪の毛のダメージの原因と対策
りともキューティクルの損傷が起きてしまいます。
普段の手入れによるもの
ダメージについて
キューティクルは硬くて丈夫なので、多少の外部からの刺激に対しては十分に耐えら
本来、髪の毛は人の組織の中では最も安定した丈夫な組織なのですが、それでも毎日
れます。しかし、摩擦が繰り返されると、さすがに欠けたり剥がれたりしてしまいま
の扱いの中で様々な外的作用を受け損傷してしまいます。
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髪の毛は死んだ細胞です。毛球といわれる部分で作られた細胞が分裂を繰り返し、
す。
どんどん押し上げられて角化したものが髪の毛です。頭皮から出ている部分は既に完
一生懸命ブラッシングをしたり、髪の毛を乾かす時にタオルでゴシゴシ擦り過ぎたり、
成され、その後成長などの活動や変化も無いので「死んだ細胞」と言われています。
ボリュームアップしようと逆毛を立てたりと、これが毎日続くと髪の毛にかなりの負
ビタミンやミネラルといった栄養素は身体から毛細血管を通して伝わるので、髪に直
担がかかります。普段行うブロー・カーラー・アイロンの熱もダメージの原因になり
接摂り入れる事は出来ません。また、髪の毛は皮膚などと違い自然治癒力が無いので、
ます。
一度ダメージを受けるとダメージは広がってしまいます。よく「髪の補修」と耳にし
その他
ますが、ダメージを受けて壊れてしまった部分に、髪の毛の中に組織とできるだけ近
ストレス・病気・プールの塩素・海水・大気中の汚れ等ありますが、上記の 2 つが殆
い物を人工的に補い、そして表面をコーティングする事です。
んどです。
その摩擦というのは普段手入れをしている時に起こりやすく、ツヤを出そうと思って
メカニズム
髪の毛のダメージの対策
髪の毛の内部は3層構造になっていて、1 番内側にメデュラ(3%)がありますが、髪の
髪の毛は放っといても傷が自然に治ることは100%無いので、一度ダメージしたら
毛の物理的特性には殆んど影響しないので説明を省きます。
それ以上進まないように保護するしかありません。それには、トリートメント剤等で
次にコルテックス(82%)があり、コルテックスは柔らかいタンパク質で構成されてい
内側から水分とタンパク質を補い、外側から破損したキューティクルの代わりに膜を
て、髪の毛の強度やしなやかさなどの性質に大きく影響し、また多くのメラニン色素
作るしかありません(補修)
を含み、このメラニン色素の量により髪の毛の色が決まっています。パーマやカラー
最後になりますが、濡れて膨潤髪の毛は傷付きやすく、カラーをしてある場合は退色
はこの部分に働きかけます。
を早めてしまいます。また雑菌の繁殖、ニオイの原因にもなりますので、寝る前は必
表面の 15%がキューティクルです。硬いタンパク質で構成されていて根元から毛先に向
ず髪の毛を乾かして下さい。
かいウロコ状の無色透明な細胞が5~10 枚の層に重なり合って非常に丈夫な造りになって
いて、内部のメデュラ・コルテックスを守っています。
次回は「白髪について」です。
このキューティクルが傷つくと手触りが悪くなったり、髪の毛の内部のタンパク質が流出
バックナンバーはホームページから見られますので、「理容こばやし」で検索してみ
して、枝毛・切れ毛等の原因になりますので、キューティクルを傷付けない事が最も重要
て下さい。
です。