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吉田俊幸教授退職にあたって
高崎経済大学副学長 大 宮 登
吉田俊幸先生は1974年3月に東京大学農学部農業経済学科を卒業後、同大学院農学系研究科
修士課程、1977年4月に同大学院博士課程に進み、1981年3月に退学(満期単位取得)、1991
年7月に農学博士(東京大学)の学位を取得しました。1979年4月からは、財団法人農政調査
委員会の専門調査員となり、1986年7月には同主任研究員、1988年4月には同国内調査部長を
勤め、1996年4月に高崎経済大学地域政策学部の開設に伴って、教授として着任されました。
本学に赴任後は、地域政策学部の農業・農村分野の専門家として研究教育に当たるとともに、
重要な役職を次々と担っていただきました。2000年4月には地域政策学部長となり、2003年4
月に地域づくり学科を新設し、2004年4月には地域政策研究科長となり、大学院を充実すると
ともに、2006年4月には学科開設の委員長を務めて観光政策学科を新設しました。2007年8月
には高崎経済大学学長となり、学長として数々の改革を実現し、2011年3月まで勤め上げました。
学長職においては、副学長制を採択するなど、学内の基盤整備とマネジメント強化を行うとと
もに、キャンパス整備も推進し、新たな用地も獲得できました。同時に、学外との連携も強化し、
政策研究大学院大学との包括協定や中国の人民大学や中国財経大学などとの国際交流も推進しま
した。そして、最後に、本学の公立大学法人化を実現しました。法人化の事業は、往々にして組
織分裂を伴うことになりがちですが、吉田先生は見事にその難事業を成し遂げ、2013年3月に
定年退職を迎えるまで、高崎経済大学に多大な足跡を残していただきました。
吉田先生は、農業経済の研究者として、学部の教育はもとより研究指導にも熱心で、多くの院
生を指導しました。主査となって授与した博士論文は10本となり、10人の博士を世に送り出し、
教え子たちは研究者として活躍しています。修士論文の主査も18名になります。要職を務めあ
げながら、これだけの研究指導実績をあげられたことには心から敬服いたします。
学会活動では日本地域政策学会会長やJA・IT研究会副代表などを現在も勤めており、社会活動
では農水省流通システム検討会座長、財団法人農政調査委員会理事長、公立大学理事などを歴任
し数多くの活動を実施しています。研究業績も38本の著書と113の学術論文、62本の紀要論文
など、多大な業績を残しております。まさに、農業、農村研究に関する第1人者としての業績を
誇ります。あまりに実績が多すぎるために、詳しく紹介ができないことが残念です。
最後になりますが、吉田先生の本学におけるこれまでの長年にわたるご貢献に、心より感謝を
申し上げるとともに、今後のますますのご活躍をお祈りし、退職記念号の挨拶とさせていただき
ます。
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