情報提供用資料 昨今の日本株式市場を踏まえて今後を考える 年 月 日 インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 今年の日本の株式市場は、年初からの 営業日続落で幕を開け、その後も大荒れの状態が 続いています。中国の株価や原油価格の下落に加え、米株の調整、円高の進展などが日本株 に大きな圧力を加えています。しかし、過度に悲観的になる必要はないと見ています。既に値幅 としては十分な調整となっているうえ、今後については、マクロやミクロ、需給やバリュエーション などの支援材料も存在します。相場全般は、日柄調整へ移行した後、年央に向け、もみ合いな がらもレンジとしては徐々に切り上がる方向を想定しています。となれば、当面の相場について は将来の上昇に備えた銘柄選択の好機と捉えるべきでしょう。 海外要因について 中国などの新興国経済や原油価格の動向は、米国の利上げや大統領選の行方、国内の参議 院選挙(さらには、衆議院解散など政局の可能性)などとともに、既に昨年の時点で 年の 注目材料あるいはリスク要因に挙げられていたもので、特に目新しい材料ではありません。ただ し、足元でいきなり顕在化したため、投資家が慌ててリスク回避に走ったことが、現在の世界的 な株安に結びついたのではないかと考えられます。 中国株に関しては、サーキット・ブレーカーの導入や人民元のオペレーションをめぐる当局の 対応のまずさが投資家の不安心理をあおった面は確かにあるでしょう。また、中国株の売り 材料として取り上げられた同国の購買担当者景況指数( )は決して良好な水準とは言えま せん。ただし、当月発表された が前月から著しく悪化したわけではなく、貿易統計や、中国 の真の経済力を示すと言われる「李克強指数」を構成する電力消費量や貨物輸送量、銀行 貸出残高などにも、現在のところ同国経済の失速を示すデータは見当たりません。 年の 中国 成長率が となり、 年振りの低成長などと大きく報道されましたが、それ自体は 決して新しい情報ではなかったはずです。「上海株の下落こそが中国経済失速の証拠」などと いう意見も聞かれそうですが、「株価は経済の動きを映す鏡」という法則は、これまでの中国で は必ずしも当てはまりませんでした。 原油価格に関しても、サウジアラビアが減産に後ろ向きであることは昨年時点で明らかでしたし、 イランの国際社会への復帰も、ある程度は予想されていました。確かに、制裁解除後のイラン の供給インパクトがはっきりしない一方で、エルニーニョによる記録的な暖冬で世界的に在庫が だぶついているなどの特殊要因が市場の混乱に拍車をかけている可能性はあるでしょう。ただ し、特殊要因はあくまで特殊要因で、長期的に影響を及ぼすものではありません。また、需要者 としての中国の比率が原油以上に高い銅の価格が年初から ~ 程度の下落にとどまって 当資料は、インベスコ・アセット・マネジメントが情報提供を目的として 年 月 のです。当資料をご利用の際は、 ページ目の「ご注意事項」をご覧下さい。 1 日現在の日本株式運用部の見解をもとに作成したも 情報提供用資料 いることを踏まえると、旺盛な供給と中国経済の低迷による需要減退という需給要因のみで、 年初からの 割を超す原油価格の下げを説明することには、かなりの無理があると思われます。 おそらくは、不安心理が「中国株安=中国経済のハードランディング=原油安」といった単純な 図式を、実態以上に強く投資家に意識させている面があるのではないかと考えられます。 国内要因について 国内では 兆円規模の補正予算が成立し、少なくとも上半期の国内景気を下支えすることが 期待されています。賃金に関しても、昨年以上のベア達成が可能かどうかは定かではありませ んが、雇用市場の著しい逼迫もあり、引き続き緩やかな上昇が続く見込みです。米国ほどの インパクトはないかもしれませんが、日本においても、昨今のガソリン価格の低下には目を見張 るものがありますし、 月から始まる電力小売りの自由化も消費者の購買力という面ではプラス に作用するでしょう。 企業収益に関しても、増益ペースの低下こそ避けられないでしょうが、 年度も一桁台の 増益は確保できる見込みです。不採算事業の整理やコスト削減に向けた不断の努力、構造 改革により、日本企業は利益が出易い収益構造になって来ています。加えて、原油をはじめと する原材料価格の低下は収益的には間違いなくプラスに作用するでしょう。 図表: 東証一部上場企業の一株当たり利益( )は の堅調な推移を示唆 (円) (ポイント) 2500 140 TOPIX(配当込、左目盛) 2300 120 EPS(実績、右目盛) 2100 EPS(予想、右目盛) 100 1900 1700 80 1500 60 1300 40 1100 20 900 700 2005年4月 出所: と 期間: は 年 月~ 0 2009年4月 2013年4月 2017年4月 (実績)はファクトセット、 (予想)は野村証券。 年 月~ 年 月の月末日と 年 月 日の引け値。 年 月、 (予想)は 年 月~ 年 月 (実績)は ただし、残念ながら、そうした事実を市場参加者が確信を持って認識できるのは少し先のことに なりそうです。というのも、現在の不安定な金融市場・経済環境の下では、 月末から行われる 年度の決算発表まで、企業側も例年以上に慎重な行動・計画を取らざるを得ないと考えら れるからです。 年度の期初計画はかなり保守的なものとなる可能性が高く、 年度と 比較して横ばい、ないしは減益を予想する会社計画も相応に見られる公算です。コーポレート 当資料は、インベスコ・アセット・マネジメントが情報提供を目的として 年 月 のです。当資料をご利用の際は、 ページ目の「ご注意事項」をご覧下さい。 2 日現在の日本株式運用部の見解をもとに作成したも 情報提供用資料 ガバナンスの改善や、資本効率( )の向上を目指す動きは今後も続くと思われますが、増配 や自社株買いの発表も、昨年度と比較すれば減少する可能性が高く、決算発表を機に相場 全体が大きく上昇する状況は期待薄です。 半面、既に述べてきたようにマクロ経済と企業業績が底堅い公算となれば、昨今の調整により バリュエーション面での株価の魅力は大幅に増しています。 年は、日銀による追加緩和や 参議院選挙でのアベノミクスの追認、 年 月の消費税引き上げに向けた景気対策や (可能性は低いと思われますが)引き上げ再延期なども潜在的なプラス材料として考えられます。 需給面では、 の上限額引き上げやジュニア の開始に加え、 年は小幅売り越し となった外国人投資家による見直し買いなども期待できます。 結び これまで述べてきたような潜在的な支援材料を踏まえ、年央から年末にかけての相場回復を 見込むのであれば、当面の相場は選別買いの好機と言えます。過去においても、市場の混乱 期は常にその後の反騰に向けたチャンスでもありました。こうした時の冷静な判断こそが、その 後の大きな差になって表れて来るものだと気を引き締め直し、徹底した企業調査と魅力的な 銘柄の発掘に邁進する所存です。 当資料は、インベスコ・アセット・マネジメントが情報提供を目的として 年 月 のです。当資料をご利用の際は、 ページ目の「ご注意事項」をご覧下さい。 3 日現在の日本株式運用部の見解をもとに作成したも 情報提供用資料 ご注意事項 当資料は情報提供を目的として作成した資料であり、当社が特定商品の勧誘を行うものではありません。 当資料の中で記載されている内容は当資料作成時点のものであり、今後予告なく変更されることがあります。 投資信託について ●投資信託は、国内外の株式や公社債、コモディティなどの値動きのある先物取引や有価証券等を投資対象とし、投資元 本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動などにより投資一単位当たりの価 値が変動します。したがって基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。投資信託財産に生 じた利益および損失はすべて受益者に帰属します。また、投資信託は預貯金とは異なります。 <主なリスク> ①株価の変動リスク、②株価指数先物の価格変動リスク、③公社債にかかるリスク、④債券先物の価格変動リスク、 ⑤コモディティにかかるリスク、⑥信用リスク、⑦デフォルト・リスク、 ⑧流動性リスク、⑨カントリー・リスク、⑩為替変動リスク、 ⑪中小型株式への投資リスク、⑫デリバティブ(金融派生商品)に関するリスク、その他の留意点などがあります。 ●投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国などが異なることから、 リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面を よくご覧ください。 ●投資信託は預金や保険契約と異なり、預金保険機構または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、 登録金融機関は投資者保護基金には加入しておりません。 ●分配金の支払いおよびその金額は、収益分配方針に基づき委託会社が判断します。そのため、分配金は支払われない 場合があり、あらかじめ一定の額の分配金のお支払いを保証するものではありません。 ●ファンドのお取引に関しては、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリングオフ)の適用はありません。 ●ご投資に当たっては、お客さまに以下の費用をご負担いただきます。 ・申込手数料 ・・・・・・・・・・・上限 5.40%(税抜5.00%) ・信託報酬 ・・・・・・・・・・・・・上限 年率2.0844%(税抜1.93%)となります。 ・信託財産留保額 ・・・・・・・上限 0.3% ・その他の手数料等 ・・・・・ 上記費用の他に、保有期間などに応じてご負担いただく費用があります。 投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、 インベスコ・アセット・マネジメントが運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を 記載しています。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託によって異なりますので、ご投資をされる際には、 事前によく投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面を販売会社よりあらかじめまたは同時にお渡ししますの で、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。運用による損益はすべて受益者の皆様に帰属します。 商号等 加入協会 インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第306号 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 《お問い合わせダイヤル》 電話番号:03-6447-3100 (営業日の午前9時から午後5時まで) ホームページ:http://www.invesco.co.jp/ 当資料のお取り扱いにおけるご注意 当資料は情報提供を目的として作成したものであり、当社が特定商品の勧誘を行うものではありません。当資料は信頼できる公開情報に基 づいて作成されたものですが、その情報の確実性あるいは完結性を表明するものではありません。当資料で詳述した分析は、一定の仮定に 基づくものであり、その結果の確実性を表明するものではありません。分析の際の仮定は変更されることもあり、それに伴い当初の分析の結 果と差異が生じる場合があります。当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見などは特に記載がない限り当資料作成時点のもの 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