2015.4.17|知識から道徳 へ

東京ジャーミイ金曜日のホタバ
2015 年 4 月 17 日
知識から道徳 へ
ムスリムの皆様。急速な通信技術の発達に
より、私たちは幅広く知識を共有することが
できるようになりました。それは知識を一瞬
にして目的のところに届け、多くの問題の解
決の力にもなっています。今日、知識の力や
蓄積は過去と比較ができないほど増していま
す。それにもかかわらず世界では血や涙が流
され、社会には不穏な空気が増してきていま
す。社会の均衡が日々、崩れてきています。
この世界がますます生きにくい状態になって
いる、ということも事実なのです。知識や通
信手段が本来の目的に応じて用いられず、遊
び に用 いら れて いるこ
と 、け がれ た誰がそれをもたらしますか
知 識が世
界 で主 権を 持ち 始めた
こともまた、真実です。
親愛なるムスリムの
皆 様。 今日 、最 も大切
な 事柄 の一 つが 、人間
と 知識 のか かわ りが、
そ の人 の性 質に どのよ
う な影 響を 与え ている
か とい う点 です 。知識
と 性質 の一 致、 あるい
は 知識 が道 徳的 な価値
の軸において位置を占めていることは、人間
にとって大変重要なものを守るものです。
知識は、決して擦り切れることのない価値
OF ISLAM
です。人が、知ったことをその人生に生かし、
知識の導きによってその生活をよりよいもの
にしていくことは、立派な徳のあることです。
単に知識、というだけでは不十分なのです。
大切なのは知識が言葉としてのみあるのでは
なく、行動にうつされること、生き方に反映
されること、そしてプラスの意味で、態度に
現されることです。だから、仕事における態
度、商売における態度が重要なのと同様に、
知識に対する態度、すなわち知識をどのよう
に、何を目的として用いるか、ということも
また、重要なのです。兄弟姉妹の皆様。私達
の教えでは、個人的、もしくは集団的行動に
益をもたらさない、性質や態度を悪化させ得
る知識には価値を置いていません。私達の教
えは、知識がその知識の持ち主が賢明に生き
るうえで助けとなることを求めます。知識に
対する態度を人生に反映させない者を非難し
ます。預言者ムハンマド(彼の上に平安と祝
福あれ)は、個人や人類全体に益をもたらさ
ない知識から、アッラーに庇護を求められま
した。またクルアーンでは「知っている者と、
知らない者と同じであろうか。」(集団章第
9節)と明示されているのもこのためです。
さらには、知ったことを生き方に反映させな
い者に対して、「書物を運ぶロバ」(合同礼
拝章第5節)という比喩が使われているので
す。
人が手に入れた知識
を 、 自ら 備 え や 態度 に
反 映 させ る こと への 最
大 の 障害 が 、こ の世 に
対 す る執 着 でし ょう 。
だ か らこ の 世に 対す る
執 着 を持 っ た人 は、 自
ら の 目的 を 変え 、こ の
世 界 から 最 大限 に快 楽
を得ようとするのです。
そ れ に従 っ て好 むと 好
まざるとにかかわらず、
品、道徳、美徳といったような価値あるもの
は消滅していきます。そしてあらゆる規則、
規律、そしてさらに大切な宗教が、それらと
IS
EASY
共に失われるのです。
ムスリムの皆様。神による最後の教えに従
う者たちとして、私たちは宗教心を知識、愛
情、そして徳の次元において豊かにしていか
なければなりません。私たちは人類への最も
優れた徳の使徒である預言者に従う者である
からです。
徳によって磨かれ、徳によって価値ある方
向へと向けられる知識は、ムスリムのためだ
けではなく、全ての人が必要とするものでも
あります。今日、全世界的に起こっている多
くの問題の解決は、知識と良識、すなわち徳
の用い方一つにかかっているといっても言い
過ぎではありません。
全体規則)
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