アジアへの公開状 太平洋戦争70周年の機会に於ける反省、そして日本とアジアの和解への提案 太平洋戦争の終戦より70年が過ぎたにも関わらず、戦争の傷はまだ鮮明で、日本政府による 誠実な反省と誤解の余地を与えない謝罪の欠如のため、なおさら痛感されている。この場面を 眺めると、日本の「誠」を重視する伝統を愛した人々はぞっとしながら、最小限の努力さえす れば日本が隣りの国々と和解し、ようやく過去の軍国主義から開放されるのにと思わざるを得 ない。過去の残虐行為を直面することは難しそうに聞こえるが、唯一前進する道である。ドイ ツの例を見ると、これが可能だということは証明される。しかしこれには、日本がアジアの事 情に疎かになった複雑な歴史的要素への純粋な反省は不可欠である。さらに、このような反省 は日本に限らず、現実から掛け離れ軍国主義の道に走ってしまうどんな国にでも当てはまるこ とが有り得るということも強調しなければならない。 以下はこの公開状の精神を反映する誠実な反省と謝罪を表現する幾つかの提案である。正に 日本政府から何も期待できないから、知識人や責任感を持つ民間人が率先すべきである。 • あれだけ深いトラウマを受けた多くの人の傷を言葉でもって癒やすことができない、ま たは不条理なイデオロギーのために亡くなった人々を復活できないが、我々は過去、海 外での日本軍及び民間人の行為に対して深い後悔を表明する。明治時代以降、初めにそ れが植民地を持つ諸国との競争を狙ったにせよ、日本がアジアで行った不幸な政策は 1945年までどれだけの破壊的な軍事主義に繋がり、どれだけ世界中の人々を傷付い たかを恥じている。当時、国の内外で人を殺したり弾圧したりするために利用されたこ の狂信的な軍国主義を正当化することはあり得ない。 • 必要な場合、我々知識人や責任感を持つ民間人は自国の政府に立ち向かってその不正な 好戦的行為、国境の内外で他人の搾取、そしてそれを正当化するために使用しがちな人 を惑わせるレトリックを非難する義務がある。ここで太平洋戦争で起こした間違いを繰 り返さないことを誓う。 • 私たちが誠実な謝罪を表明し、二度とあんな残虐行為を起こさせないと誓うことしかで きないが、微細な気付きは大きな変化を引き起こせる。一人一人が自らの行為とその結 果を心に留め、いつまでも盲目的に主戦論者に従わないように。 2015年4月19日 1/1
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