特定健康診査等実施計画 - 愛知県農協健康保険組合

特定健康診査等実施計画
(平成25年度~29年度)
愛知県農協健康保険組合
平成25年3月
1.背景及び趣旨
近年わが国は国民皆保険のもと高い保健医療水準や世界最長の平均寿命を達成してきました
が、急速な少子高齢化、経済の低成長、国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面してお
り、医療制度の構造改革が急務となっています。このような状況に対応し、国民皆保険を堅持し
医療制度を将来にわたり持続可能なものとしていくため、また、健康と長寿を確保しつつ、医療
費適正化に資する目的から、生活習慣病を中心とした疾病の予防を重視することとし、保険者が
被保険者及び被扶養者等(以下「被保険者等」という。
)に対し、特定健康診査・特定保健指導
(以下「特定健康診査等」という。
)の実施が平成20年度より義務付けられました。
当組合においても特定健康診査等実施計画(平成20年度~平成24年度)に基づき取り組ん
できましたが、第Ⅰ期計画期間における実施状況や問題点を踏まえ、新たに平成25年度~平成
29年度までの第Ⅱ期計画を策定しました。
本計画は、
「高齢者の医療の確保に関する法律」第18条(特定健康診査等基本方針)に基づ
いて実施する特定健康診査等事業の基本的な方針を示しております。
2.当健保組合の現状等
当健保組合は、愛知県内の農業協同組合、中央会(指導機関)ならびに4連合会(信用事業、
経済事業、厚生事業、共済事業)、その他県域関係団体等の役職員で構成されている総合型の健
保組合です。
平成23年度末の適用事業所数は47事業所あり、被保険者数は20,152人、平均年齢は
40.78歳、男女別の人数は女性の方が若干多いが、比率はほぼ同率となっています。また、
被扶養者は14,963人、扶養率0.74となっています(図-①参照)
。
健康診断については、事業所健診としてJAあいち健診センターが健診車で事業所を巡回し実
施する「一般コース」および「プラス胃がんコース」のほか、契約健診機関で実施する「人間ド
ック」を推進しています。
平成23年度は、巡回健診で「一般コース」が8,951人、「プラス胃がんコース」が8,
561人、
「人間ドック」で3,213人の合計20,725(内訳:被保険者19,152人、
被扶養者1,573人)の受診者に対し助成をしました。
当組合の適用事業所の特徴としては被保険者の移動が比較的少なく、終身雇用の形態が強く見
受けられることです。したがって、第Ⅰ期の特定健診等の実施では長期的な展望から国が定める
40歳以上に限定せず、若年層の被保険者についても特定健診等の対象者として特定保健指導を
実施しました。
また、平成20年度からの電子化されたレセプト等の分析結果(図-②、図-③参照)により、
当組合の 1 件当たり10万点以上のレセプトにおいて生活習慣病を中心とした疾病が多数を占
め、1人当りの保険給付費も年々増加していることがわかります。
終身雇用の形態が強いJAあいちグループを適用事業所とする当組合おいて、国が義務付ける
40歳以上に限定せず若年層を含めて生活習慣改善支援を実施することは、生活習慣を起因とし
- 1 -
た疾病等の予防として被保険者ならびに被扶養者のQOLを高めるとともに、結果として当組合
の医療保険財政の適正化につながる事業であることと確信し、重点事項として取り組みます。
図-①
年齢別被保険者数・被扶養者数(平成 24 年 3 月末現在)
被保険者年齢層(男女別:人数)
年齢層
男
女
70~74
37
7
65~69
133
86
60~64
797
558
55~59
1,288
807
50~54
1,271
912
45~49
1,116
1,007
40~44
1,073
1,089
35~39
1,253
1,289
30~34
964
1,341
25~29
1,293
1,865
20~24
500
1,382
15~19
16
68
10~14
0
0
5~ 9
0
0
0~ 4
0
0
合計
9,741
10,411
被扶養者年齢層(男女別:人数)
年齢層
男
女
70~74
19
142
65~69
13
113
60~64
52
342
55~59
19
590
50~54
4
879
45~49
9
772
40~44
9
732
35~39
7
773
30~34
29
489
25~29
115
338
20~24
789
686
15~19
1,081
1,108
10~14
1,021
1,002
5~ 9
966
947
0~ 4
986
931
合計
5,119
9,844
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図-②
疾病分類別の医療費一覧
(平成20年3月~平成24年10月診療分:1件当たり 100,000 点以上レセプトによる)
疾 病 分 類
件数
金額割合
金額(円)
(%)
新生物
280
455,060,040
26.4
循環器系疾患
225
435,668,610
25.2
内分泌・栄養・代謝疾患
61
172,201,640
10.0
腎尿路生殖器系疾患
10
16,264,050
0.9
生活習慣に起因する疾病計
576
1,079,194,340
62.5
その他の疾病計
360
647,878,150
37.5
936
1,727,072,490
100.0
合
図-③
計
保険給付費の推移
保 険 給 付 費
対前年比
保険料収入に
平成
占める割合(%)
1人当たり(円)
(%)
20 年度
198,153
97.2
51.58
21 年度
200,598
101.2
52.24
22 年度
206,325
102.9
53.86
23 年度
214,605
104.0
56.10
- 3 -
特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項
1.特定健康診査等の基本的考え方
日本内科学会等内科系8学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準を示
しました。これは、内臓脂肪型肥満に起因する糖尿病、脂質異常症、高血圧は予防可能であり、
発症した後でも血糖、血圧をコントロールすることにより重病化を予防することが可能であると
いう考え方を基本としています。
メタボリックシンドロームの概念を導入することにより、内臓脂肪の蓄積や、体重増加等が
様々な疾患の原因になることをデータで示すことができるため、健診受診者にとって生活習慣の
改善に向けての明確な動機付けができるようになります。
2.特定健康診査等の実施に係る留意事項
被扶養者の健診受診率の向上を図るため、事業所の協力・連携により被扶養者がJA巡回健診
を受けやすくする等受診環境を整備します。
3.事業者等が行う健康診断及び保健指導との関係
当健保組合の被保険者および被扶養者の特定健康診査実施者は、事業所におけるJA巡回健診
と契約施設においての人間ドックが95%以上を占めていることから、これらの健診データをで
きるだけ早く授受し、速やかに保健指導に取り組んでいけるように実施します。
また、事業者が健診を実施した場合は、健診費用を事業者が負担し、健保組合が一部助成する
ことにより、健保組合が全被保険者分のデータを健診実施事業者から受領することとします。
4.特定保健指導の基本的考え方
生活習慣病予備群の保健指導の第一の目的は、生活習慣病に移行させないことです。
そのための保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して自らの生活習慣を変えることがで
きるように支援することが重要です。
第Ⅰ期での特定保健指導等データでは、メタボリックシンドロームの該当・予備群のうち、約
7割の者が医療機関への受診勧奨値にある保健指導対象者であったことを踏まえ、第Ⅱ期では低
リスク者を中心とした保健指導の実施を改め、低リスク者から高リスク者までの指導対象者の全
員面談を実施し、受診勧奨域にある高リスクの保健指導対象者を適切な医療につなげ重症化予防
に努めます。また、特定保健指導は節目年齢(20、25、30、35,40、45、50、5
5、60、65、70歳)に実施することで若年層を含め全体的に保健指導対象者と関わり取り
組んでいきます(詳細はヘルシーセミナー実施要綱参照)。
ただし、JA愛知厚生連および厚生連病院の被保険者および任意継続被保険者・被扶養者につ
いては節目年齢に限らず、第Ⅰ期と同様に実施します。
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Ⅰ.達成目標
【第2期における目標】
全国
目標
特定健診
実 施 率
市町村
国保
協会
組合健保
組合健保
組合
健保
(単一型)
(総合型)
共済組合
70%
60%
70%
65%
90%
85%
90%
45%
60%
30%
30%
60%
30%
40%
特定保健指
導 実 施 率
※目標実施率(特定健診・特定保健指導)の向上に向けて
・被扶養者の特定健診の受診促進と事業所の協力と連携による受診環境の改善
(未受診者等の対策)
・JAあいち健診センターとの連携(顧問医契約の継続による指導可能者の拡大)
・ 事業所との連携による受診勧奨(適切な医療につなげることで重症化予防)
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Ⅱ.特定健康診査等の対象者数
【対象者数】
①特定健康診査(40歳未満の算出は除く)
被保険者(人)
25 年度
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
10,055
10,168
10,270
10,396
10,510
98%
98%
98%
98%
98%
9,866
9,969
10,061
10,181
10,285
25 年度
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
40 歳以上対象者
3,771
3,790
3,804
3,843
3,862
目
率
50%
50%
50%
50%
50%
目 標 実 施 者 数
1,886
1,895
1,902
1,922
1,931
25 年度
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
13,826
13,958
14,074
14,239
14,372
85%
85%
85%
85%
85%
11,752
11,864
11,963
12,103
12,216
40 歳以上対象者
目
標
実
施
率
目 標 実 施 者 数
被扶養者(人)
標
実
施
被保険者+被扶養者(人)
40 歳以上対象者
目
標
実
施
率
目 標 実 施 者 数
②特定保健指導の対象者数
被保険者+被扶養者(人)
(40歳未満の算出は除く)
25 年度
26 年度
27 年度
28 年度
29 年度
40 歳以上対象者
11,752
11,864
11,963
12,103
12,216
動機付け支援対象者
764
771
778
787
794
実 施 率 ( % )
46%
46%
46%
46%
46%
実
数
349
353
356
360
363
積極的支援対象者
999
1,008
1,017
1,029
1,038
実 施 率 ( % )
18%
18%
18%
18%
18%
実
180
181
183
185
187
保健指導対象者計
1,763
1,779
1,795
1,816
1,832
実 施 率 ( % )
30%
30%
30%
30%
30%
実
529
534
539
545
550
施
施
施
者
者
者
数
数
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Ⅲ.特定健康診査等の実施方法
(1)実施場所
被保険者および被扶養者の特定健診は、事業所、契約施設、集合契約を結んだ施設で実施し
ます。
被保険者の特定保健指導は事業所において実施、任意継続被保険者および被扶養者は自宅等
で実施します。
(2)実施項目
実施項目は、標準的な健診・保健指導プログラム第2編第2章(別表1参照)に記載されて
いる健診項目を含むものとします。
(3)実施時期
実施時期は、通年とします。
(4)委託の有無
JA愛知厚生連等とは直接委託契約を結び特定健診等受診および保健指導が可能となるよう
実施します。また、健康保険組合連合会または代表医療保険者を通じて健診機関の全国組織と
の集合契約を結び、代行機関として診療報酬支払基金を利用して決済をおこなうことにより、
全国での特定健診等受診および保健指導が可能となるよう実施します。
(5)受診方法
特定健康診査については、被保険者は事業所におけるJA巡回健診により行うほか、契約施
設においての人間ドック、集合契約施設による健康診断を継続して実施します。
被扶養者は基本的には被保険者と同様とします。JA巡回健診や契約施設においての人間ド
ックが特定健康診査より充実した健診となることからこれらの受診を推進していますが、集合
契約を結んだ健診機関を希望される場合は特定健診等対象者の受診券を対象者に送付し実施し
ます。当該被扶養者は、受診券を健診機関等に被保険者証とともに提出して特定健診を受診し
ます。 受診の窓口負担は無料もしくは一部負担金が必要となる場合があり、規定の実施項目以
外を受診した場合はその費用は個人負担とします。
特定保健指導については、被保険者は当組合の保健師により事業所単位に集団指導および個
別指導を行います。また、被扶養者の特定保健指導は、訪問による特定保健指導を行える機関
に委託し実施します。
ただし、医療スタッフの在籍するJA愛知厚生連および厚生連病院の被保険者については、
JA愛知厚生連等に委託し、各々の事業所の保健師等により特定保健指導を実施します。
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(6)周知・案内方法
周知は、当健保組合機関誌等に掲載するとともにホームページに掲載して行います。
(7)健診データ等の受領方法
健診のデータは、JA愛知県厚生連等から電子データを月単位で受領するほか、契約健診機
関から代行機関を通じ電子データを随時(または月単位)受領して、当組合で保管します。
また、特定保健指導について外部委託先機関実施分についても同様に電子データで受領する
ものとします。
なお、保管年数は当保健組合が実施した分も含め、5年とします。
(8)特定保健指導対象者の選出の方法
特定保健指導の対象者については、健診結果データおよび第Ⅱ期ヘルシーセミナー実施要綱
に基づき、積極的支援、動機づけ支援、情報提供等に対象者を階層化し実施します。
Ⅳ.個人情報の保護
当健保組合は、愛知県農協健康保険組合個人情報保護管理規程を遵守します。
当健保組合および委託された健診・保健指導機関は、業務によって知り得た情報を外部に漏
らしてはならないものとします。
当健保組合のデータ管理者は、常務理事とする。またデータの利用者は当組合保健部保健課
職員に限ります。
外部委託する場合は、データ利用の範囲・利用者等を契約書に明記することとします。
Ⅴ.特定健康診査等実施計画の公表・周知
本計画の周知は、各事業所にパンフレットを送付するとともに、機関誌やホームページに掲
載します。
Ⅵ.特定健康診査等実施計画の評価及び見直し
当計画については、毎年健康管理委員会において見直しを検討することとします。
また、目標と大きくかけ離れた場合またはその他必要がある場合には見直すこととします。
Ⅶ.その他
当健保組合に所属する保健師等については、特定健診・特定保健指導等の実践養成のための
研修に随時参加させることとします。
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(別表1)
標準的な健診・保健指導プログラム
図表8:基本的な健診の項目(実施基準第1条第1項第1号から第9号)
項目
備考
既往歴の調査
服薬歴及び喫煙習慣の状況に係る調査(質問票 *1)を含む
自覚症状及び他覚症
状の有無の検査
理学的検査(身体診察)
腹囲の測定は、厚生労働大臣が定める基準( BMI が 20 未満の者、も
身長、体重及び腹囲 しくは BMI が 22 未満で自ら腹囲を測定し、その値を申告した者)に
の検査
基づき、医師が必要でないと認める時は、省略 *2 可
腹囲の測定に代えて、内臓脂肪面積の測定でも可
BMI の測定
BMI=体重 (kg) ÷身長 (m)の 2 乗
血圧の測定
血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)
肝機能検査
血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)
ガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)
血清トリグリセライド(中性脂肪)の量
血中脂質検査
高比重リポ蛋白コレステロール( HDL コレステロール)の量
低比重リポ蛋白コレステロール( LDL コレステロール)の量
血糖検査
空腹時血糖又はヘモグロビン A1c( HbA1c)
尿検査
尿中の糖及び蛋白の有無
図表9:詳細な健診の項目(医師の判断による追加項目:告示で規定)
追加項目
実施できる条件(判断基準)
貧血検査(ヘマトクリ
ット値、血色素量及び 貧血の既往歴を有する者又は視診等で貧血が疑われる者
赤血球数の測定
前年度の特定健康診査の結果等において、血糖、脂質、血圧及び腹囲等の
全てについて、次の基準に該当した者
心電図検査(12 誘導
血糖
空腹時血糖値が 100mg/dl 以上、または HbA1c が 5.6%以上
脂質
中 性 脂 肪 150mg/dl 以 上 、 ま た は HDL コ レ ス テ ロ ー ル
40mg/dl 未満
心電図)
眼底検査
血圧
収縮期 130mmHg 以上、または拡張期 85mmHg 以上
腹囲等
腹囲が 85cm 以上(男性)・90cm 以上(女性)の者(内臓脂肪面積の
測定が出来る場合には内臓脂肪面積が 100 平方 cm 以上)、
または BMI が 25 以上の者