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管理番号
11
研究内容の説明文
研究課題名
日本人における HNA 型の頻度調査
研究期間
平成 27 年度 1 年間
研究機関名
日本赤十字社血液事業本部中央血液研究所
研究責任者職氏名
研究開発部参事
中島文明
研究の説明
HNA とは、ヒト好中球抗原(Human neutrophil alloantigens)の略です。健康なヒトの
血液細胞のうち、白血球の 40~60%を占める細胞が好中球で、殺菌や異物の排除が主な働
きです。この好中球の細胞表面には、免疫反応に重要な役割を果たす、HNA が存在し、こ
れまでに HNA-1 から HNA-5 まで5種類が確認されています。この5種類の HNA には、例え
ば、HNA-1 には、HNA-1a と HNA-1b といった、対照的な型が存在します。HNA-1a のヒトが、
輸血や妊娠などで HNA-1b の刺激を受けると、HNA-1b に対する抗体を作ることがあります。
このような、型の不一致が原因で、妊娠に関連して新生児の好中球減少、輸血医療に関連
したアレルギー反応、あるいは、重篤な呼吸障害を引き起こすことが知られています。
HNA を含め、血液細胞のさまざま型は、人種や地域による偏りがあることはわかってい
ますが、日本人集団の HNA 型頻度の情報は、小規模の調査データしか存在せず、詳細はわ
かっていません。本研究では、より大規模で精度の高い調査を行うことを目的とします。
調査には、全国の血液センターで使用済の検査残余約 5,000 検体を対象とします。方法
は、日赤で開発した遺伝子検査法を用います。HNA 遺伝子型以外は判定しません。検査残
余から取り出した遺伝子を材料に、全国9ケ所の血液センターで分担して調査する計画で
す。
本調査により、より精度の高い HNA 頻度分布が明らかになり、さらに、地域による偏り
や日本人特有の型が判明する可能性もあります。このような精緻な HNA 頻度データは、HNA
が原因となるさまざまな臨床症状の予防並びに対策の基礎データになるとともに、広く医
療に貢献することが期待できます。
受付番号
27J0036
本研究に関する問い合わせ先
所属
日本赤十字社血液事業本部中央血液研究所研究開発部
担当者
中島文明
電話
03-5534-7510
Mail
[email protected]
本書は日本赤十字社ホームページで公開され、必要に応じ献血者への説明資料として使用されます。