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総合理工学研究科
フォトニクス分析の新たなブレークスルー
機械・航空宇宙コース
血液採取・薬剤投与用無痛針の開発
医学と工学との融合
キーワード : スパッタリング・圧電材料・医用工学
主研究担当者 :槌谷和義(准教授)
どのような研究課題に取り組むのか
Background and Motivation
現在日本では、予備軍を含めた糖尿病患者は、
1600 万人に上ると報告されている。それらの糖尿病
予備軍を含む糖尿病患者は一日に複数回の血糖値
測定を行っている。
そこで本研究では、自然界でほぼ無痛で採血を行
っている雌蚊の針と同程度の寸法を有する新しい無
痛針の創製技術の開発である。
どのような点が新しいか
Originality
薄膜堆積法(スパッタリング法)を用いた本手法は、
極細管の材料をターゲット材料とし、回転した線状の
基材表面上に成膜後、基材のみを除去し、中空化す
ることを特徴とした加工法であり、難加工材でありな
がら従来困難であった十数 µm から 200µm 程度の任
意の内径・外径、さらには任意の形状を有する極細
管の創製の開発が可能となる。
研究展望とインパクト
Impact and Perspective
同開発手法で、アクチュエータ材料となる圧電材料
の薄膜創製が同手法で可能なことから、機能材料を
極細管曲面上に等間隔に成膜することで、極細管形
状型液体流動機能を有する極細管の開発も可能と
なる。また、設計・創製の双方において薬事法等の
規制により最もハードルが高い医療用マイクロ針へ
研究グループからの論文
Kazuyoshi TSUCHIYA et. al.
Kazuyoshi TSUCHIYA et. al.
Kazuyoshi TSUCHIYA et. al.
347-353
Precision Engineering Vol34(2010) 461-466
J. of Appl. Phy. Vol.103 (2008) 114701-1-9
Biomed. Microdevices Vol.7 No.4 (2005)
の実用化が達成できれば、幅広い工業分野への極
細管の提供が可能になる。
◆電子メール:tsuchiya※tokai-u.jp(※印は@へ変更してください)