化 学

前期A日程
化 学
(問
(解答番号:
題:全 6 ページ)
1
~
20
)
必要があれば,次の値を使用せよ。
原子量
C=12,H=1,Na=23,O=16
アボガドロ定数
6.0×1023 mol-1
気体定数
8.3×103 Pa・L/(K・mol)
標準状態
0℃(=273K)
,1気圧(=1.013×105Pa)
ファラデー定数
9.65×104 C・mol-1
なお,体積の単位 L(リットル)は,lやlと書くこともある。
第1問
物質の構成や性質に関する以下の問1~問5に答えよ。
解答番号
1
~
7
問1 非金属原子は,電子を受け取って陰イオンになりやすい性質がある。原子の陰イオ
ンへのなりやすさは,原子が電子1個を受け取り,1価の陰イオンになるときに放出
するエネルギーの大きさで判断することができる。以下の設問a,bに答えよ。
a このエネルギーを何というか。正しいものを,次の(1)~(5)の中から一
つ選び,番号を
1
に記入せよ。
(1) 活性化エネルギー
(2) イオン化エネルギー
(3) 電子親和力
(4) 電気陰性度
(5) クーロン力
b 次の(1)~(5)の元素の中から,このエネルギーが最も大きいものを一つ
選び,番号を
2
に記入せよ。
(1) ホウ素
(2) フッ素
(3) 水素
(4) ナトリウム
(5) カルシウム
化学 1
問2 自然界には,同じ元素でも中性子数の異なる原子が存在する。これらの原子に関す
る以下の設問a,bに答えよ。
a これらの原子を互いに何というか。正しいものを,次の(1)~(5)の中か
ら一つ選び,番号を
3
に記入せよ。
(1) 同素体
(2) 同族元素
(4) 異性体
(5) 錯体
(3) 同位体
b これらの原子の関係にあるものを,次の(1)~(5)の中から一つ選び,番
号を
4
に記入せよ。
(1) 黄リン と 赤リン
(2) 酸素 と イオウ
(3) 酸素 と オゾン
(4) 水素 と 重水素
(5) 窒素 と 塩素
問3 標準状態における,メタン(CH4)ガスの密度(g/L)を,次の(1)~(5)
の中から一つ選び,番号を
問4
に記入せよ。
(1) 0.71
(2) 1.4
(4) 2.8
(5) 3.2
(3) 1.6
次の(1)~(5)の中から,イオン性物質を表すのに用いる化学式を一つ選び,
番号を
問5
5
6
に記入せよ。
(1) イオン式
(2) 分子式
(4) 構造式
(5) 組成式
(3) 示性式
3.2gの水酸化ナトリウム(NaOH)を500mLの水に溶かして水溶液をつ
くった。この水溶液の濃度(mol/L)の値を,次の(1)~(5)の中から一つ
選び,番号を
7
に記入せよ。
(1) 0.04
(2) 0.08
(4) 0.16
(5) 0.20
化学 2
(3) 0.12
第2問
物質の変化に関する以下の問1~問3に答えよ。解答番号
8
~
15
問1 実験により食酢中の酢酸濃度を調べた。適量の食酢を蒸留水で10倍に薄めた後,
その20.0mLをとった。これを0.30mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中
和滴定したところ,4.6mLを要した。以下の設問a~dに答えよ。ただし,食酢
中の酸は酢酸(CH3COOH)のみとし,希釈前後の食酢の密度はともに1.0g/
cm3とする。
a この中和滴定の実験を行なうに当たって,一般的には必要とされない器具を,
次の(1)~(5)の中から一つ選び,番号を
8
(1) 分液ロート
(2) ビュレット
(3) コニカルビーカ
(4) メスフラスコ
に記入せよ。
(5) ホールピペット
b この中和滴定で使用する指示薬に関して,次の(1)~(5)の記述の中から
正しいものを一つ選び,番号を
9
に記入せよ。
(1) 中和点はやや塩基性に偏っているため,指示薬としてメチルレッドは使用
できるが,フェノールフタレインは使用できない。
(2) 中和点はやや塩基性に偏っているため,指示薬としてフェノールフタレイ
ンは使用できるが,メチルオレンジは使用できない。
(3) 中和点はほぼ中性なので,指示薬としてはBTBが最も適切である。
(4) 中和点はやや酸性に偏っているため,指示薬としてメチルレッドは使用で
きるが,フェノールフタレインは使用できない。
(5) 中和点はやや酸性に偏っているため,指示薬としてメチルオレンジとフェ
ノールフタレインの両方が使用できる。
c 元の食酢中の酢酸のモル濃度(mol/L)の値を,次の(1)~(5)の中
から一つ選び,番号を
10
に記入せよ。
(1) 0.046
(2) 0.069
(4) 0.69
(5) 0.92
(3) 0.46
d 元の食酢中の酢酸の質量パーセント濃度(%)の値に最も近いものを,次の(1)
~(5)の中から一つ選び,番号を
(1) 2.3
(2) 3.2
(4) 3.8
(5) 4.1
化学 3
11
に記入せよ。
(3) 3.5
問2
実験によりメタン(CH4)の生成熱を直接測定することは困難であるが,燃焼熱
に関する熱化学方程式を用いて,計算によって求めることができる。次のⅠ~Ⅲ式は
それぞれ,メタン,炭素(黒鉛),水素の燃焼に関する熱化学方程式である。以下の
設問a,bに答えよ。
(Ⅰ) CH4(気体)+2O2(気体)=
CO2(気体)+2H2O(液体)+891kJ
(Ⅱ) C(固体)+O2(気体)=CO2(気体)+394kJ
(Ⅲ) H2(気体)+1/2O2(気体)=H2O(液体)+286kJ
a メタンの生成熱の値は,化学反応の経路と反応熱に関する法則を応用すること
で計算することができる。この法則を次の(1)~(5)の中から一つ選び,番
号を
12
に記入せよ。
(1) 質量保存の法則
(2) ヘスの法則
(3) アボガドロの法則
(4) 気体反応の法則
(5) 定比例の法則
b メタンの生成熱(kJ)を,次の(1)~(5)の中から一つ選び,番号を
13
問3
に記入せよ。
(1) 75
(2) 108
(4) 479
(5) 605
(3) 211
アンモニア合成は次式に従って行なわれるが,工業的には窒素と水素を体積比で
1:3の割合で混合し,触媒を用いて3×107Pa,500℃程度の条件で製造さ
れている。以下の設問a,bに答えよ。
N2 + 3H2
= 2NH3 + 92.2kJ
a この工業的製法を何というか。正しいものを次の(1)~(5)の中から一つ
選び,番号を
14
に記入せよ。
(1) アンモニアソーダ法
(2) エール・ホール法
(3) ハーバー・ボッシュ法
(4) テルミット法
(5) オストワルト法
化学 4
b この製法に関する次の(1)~(5)の記述の中から誤っているものを一つ選
び,番号を
15
に記入せよ。
(1) この製法は,ル・シャトリエの原理を実際の化学工業に応用して成功した
実例として知られている。
(2) 触媒の主成分として酸化鉄(Ⅲ)が使用されている。
(3)
この反応は発熱反応であるため,反応温度は500℃よりも低いほうが,
化学平衡はアンモニア生成に傾くはずである。
(4) この製法では,化学平衡による増収よりも反応速度を優先している。
(5) この反応ではアンモニアの合成とともに気体の分子数が減少するため,圧
力は3×107Paよりも低いほうが有利である。
第3問
有機化合物に関する以下の問1~問5に答えよ。解答番号
16
~
20
問1 次の(1)~(5)の有機化合物の中から,構成元素の種類の数が他とは異なるも
のを一つ選び,番号を
16
に記入せよ。
(1) アニリン
(2) ニトロベンゼン
(3) フェノール
(4) 安息香酸
(5) ジクロロベンゼン
問2 触媒を用いてエチレンに水を付加させ,さらに酸化剤で酸化すると生じる物質を,
次の(1)~(5)の中から一つ選び,番号を
17
に記入せよ。
(1) アセトン
(2) ジメチルエーテル
(3) ギ酸
(4) メタノール
(5) アセトアルデヒド
化学 5
問3
C2H5OHとC2H5OC2H5は,どちらも無色透明で液状の有機化合物である。
これらのうち,C2H5OHの識別をしたい。次の(1)~(5)の中から適切な方法
を一つ選び,番号を
18
に記入せよ。
(1) 金属ナトリウムの小片を加えると,反応して水素が出る。
(2) 臭素のアルコール溶液を少量加えると,臭素の赤色が消える。
(3) 火を着けると黒いすすを出して燃える。
(4) フェーリング溶液を加えて加熱すると,赤色の沈殿ができる。
(5) 食塩水を添加すると,白色の沈殿が生じる。
問4 ショ糖をインベルターゼで加水分解することで生じる糖を,次の(1)~(5)の
中から一つ選び,番号を
19
に記入せよ。
(1) マルトース
(2) ガラクトース
(3) フルクトース
(4) セルロース
(5) アミロース
問5 次の構造式を持つ高分子化合物または高分子素材を,次の(1)~(5)の中から
一つ選び,番号を
20
に記入せよ。
OH
OH
CH2
n
(1) アクリル樹脂
(2) ポリエステル繊維
(3) ポリスチレン
(4) フェノール樹脂
(5) ビニロン
化学 6