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外国人客取り込みへタクシー業界本腰
多様なツール活用、コミュニケーション図る
指差し会話表や外国語版の配車アプリも
「ドア・ツー・ドア」のきめ細かなサービスが売りのタクシー。日本を訪れる外国人旅行者の
増加に対応し、東西のタクシー業界は受け入れ態勢の充実に取り組んでいる。
公益財団法人大阪タクシーセンターを実施主体とし関西の産学官も連携して今年 3 月に発足し
た大阪インターナショナルタクシー創設委員会は、外国人と簡単にコミュニケーションが取るこ
とができる「指差し外国語シート」を9月に改訂し、大阪府内のタクシー87.9%に上る1万 6700
台に配備した。シートはあいさつや行き先の確認から支払いまでタクシーの乗車に必要な会話を
英語、中国語、韓国語の3カ国語で表記。今回、新たに日本の通貨の写真と金額を掲載したほか、
一方通行により目的地まで迂回する場合があることなどを明記した。大阪タクシーセンターは「金
銭に関するやりとりでトラブルにならないようシートを使って確認するよう指導している。今回
の改訂で写真も加わったのでわかりやすくなった」と話す。
大阪インターナショナルタクシー創設委員会「指差し外国語シート」 ※一部抜粋
外国人をおもてなしできるトライバー養成も急務だ。同委員会は、英検2級を目安とした語学
力や観光知識、接遇の能力を備えた乗務員を試験で認定する制度づくりを進めている。認定者は
ホームページに掲載し、タクシーの車体にも認定を示すステッカーを貼る予定だ。同委員会では
11 月下旬から 12 月初めにかけて関西国際空港で訪日外国人へのアンケートを実施し、今後の施
策に活かす考えだ。
一方、羽田空港での国際線発着数の拡大で訪日外国人の増加が見込まれる中、東京無線協同組
合は5月、スマートフォンアプリ『すぐくるタクシー東京無線版』(iPhone・Android対応)に、
タクシー業界初となる外国語版(英語)をリリースした。タクシーを呼ぶまでの手順は簡単だ。
まずアプリを起動して、GPS機能を使って表示される地図でタクシーを呼びたい場所をタッチ。
「Call one taxi immediately(すぐにタクシーを 1 台呼ぶ)」というボタンを押し、最終確認ボ
タンを押すという流れで、わずか 20~30 秒で配車注文を行うことができる。
東京無線協同組合『すぐくるタクシー東京無線版』英語版
(左)お迎え先指定画面 (中央)配車注文最終確認画面 (右)配車状況確認画面
オペレーターを介することなくタクシーが呼べると人気も高く、2012 年4月のサービス開始以
降、累計ダウンロード数は約 80 万件に上る。外国人客の利用は 3.5%にとどまるが、同組合は「英
語以外に中国・韓国語にも対応したい。アプリを使えば乗車場所や行き先を明確に伝えられるの
で、外国人のお客様も安心してタクシーを乗車していただけるのでは」と期待を寄せる。
タクシーのおもてなし力向上に、さまざまなツールが役立っている。
問い合わせ先
組 織 名 : (1)大阪タクシーセンター
T E L :
06-6933-5611
(2)東京無線協同組合
03-5860-9530