ソバの品種による生態形

ソバの品種による生態形
ソバには夏ソバ秋ソバと云った区別がありますが、これは収穫時期によって区別して言
います。(春ソバは種を播く時期で呼ぶようです)又ソバの生態系として夏ソバ、秋ソバと
呼ぶ場合がありますが、生態形として呼ぶ場合は夏型、秋型、中間型と呼び、これはソバ
の品種によって分類されています。
北海道地方で栽培されていますキタワセ、ホロミノリ、キタノマシュウ、ボタンなどは
夏型で、常陸あきソバ、みやざき大粒は秋型です。中間型の品種は最上早生、信濃一号、
信州大ソバ、出羽のかおり、会津のかおり等、主に東北地方や信州など比較的に寒い地方
で栽培されています。
夏型、中間型、秋型でどのように異なるのかと申しますと大きくはソバの持っている長
日条件、無限伸育と云った性質により分類されているようです。
ソバは短日性植物で日の長さによって実の付き方が変わります。日が長ければどんどん
と伸びてゆく性質がありこれを無限伸育性と言います。
こうした性質は秋型で特に強く見られ夏型はそれほど強く見られません。
ソバの種蒔きの時期がとても重要なのはこうしたソバの性質によるものです。
北海道で夏型のそばが蒔かれているのも、長日条件に影響の受けにくい夏型を 6 月に播
種して霜が降りない 9 月上旬に収穫するためです。秋型の代表格である常陸秋ソバは長日
条件を強く受けるので日照時間が短くなる 8 月下旬から 9 月上旬に種を播きます。ちなみ
に私たちが栽培しています千葉在来種は中間型かと思います。
(秋型に近い性質を持っているのではないかと思います)
種を播く日時は大切で毎年決まった日に蒔くことにしている農家が多いようです。
さくら蕎麦の会では 8 月 22 日前後に蒔くことにしています。
昨年行われた五段位の試験で「常陸秋ソバを 6 月の上旬に関東以西で播種したらどうな
るか」と言う問題が出題されました。
常陸秋ソバは秋型ですので短日性、長日条件に敏感影響をうけます。関東以西の 6 月日が
最も長い時期ですから、これは茎葉の成長が旺盛で実が付きません。
関東以西で春ソバがありますがこれは生態系としては夏型ソバを播種します。一般的に夏
型ソバよりも秋型ソバの方が美味いと言われています。