乳が崎・風早崎【ちがさき・かざはやさき】;pdf

乳が崎・風早崎【ちがさき・かざはやさき】
所在地:乳が崎(岡田字新開)・風早崎(岡田字平浜)
大島の東側海岸、内側に連なっている高い崖は古い海食崖である。このような崖
の地層を調べると、大島火山より古い 3 つの火山島(1)がその下に埋もれていること
がわかる。乳が崎は大島の北端にあり海抜 96m、昔から航海の目印になっていた岬
である。この岬の下、一帯の海は潮の流れが速く、風の穏やかな凪の日でもここだ
けは白波が見られるほどである。碁石浜側から登ると、源為朝が軍船を強弓で射沈
めた古戦場と言い伝えられているところがある。風早崎は海抜 115.3m で乳ヶ崎よ
りも高く、その先端には白亜の四角形の大島東灯台 (正式には大島航路標識所)があ
る。これらの海岸には三原山のほうへ向かって低くなる古い成層火山体の内部が露
出しているところがあり、岡田火山の残骸が層をなしているのを見ることができる。
また、古い 3 つの火山の残骸は、乳が崎から島の東側を経て南東部に至る海食崖の
ところどころに露出している。古い 3 つの火山とは、岡田火山、筆島火山、行者の
いわや火山のことである。地形が東側と西側で異なるのは、これら火山の残骸が大
島火山の下にあるからである。