難渋症例にチャレンジ! 出題者 眼科診断トレーニング 鈴木久晴 Hisaharu Suzuki 日本医科大学武蔵小杉病院 〒 211-8533 神奈川県川崎市中原区小杉町 1-396 右眼 左眼 症 例 79 歳 男性 現病歴 数カ月前からの両眼視力低下を自覚し,当院眼科受診.両眼の白内障を認め,手 術する方針となった.眼底に緑内障などの異常所見は認めなかった.また,隅角 所見も正常範囲内であった. 既往歴 高血圧.職業は現在無職だが,以前はトラックの運転手をしていた. 検査結果 視 力: 眼 圧: Vd=0.15(0.3×-5.0 cyl -1.0 Ax110°) 右=17mmHg,左=13mmHg Vs =0.2(0.3×-2.75D cyl -1.00D Ax100°) 眼科診断トレーニング 観察のポイント ①左眼の水晶体前面から立ち上がる膜状組織 ②右眼の水晶体前面と瞳孔に一部の癒着を認める ③瞳孔縁の全周において沈着物などはない 問題点 の 整理 水晶体の前面から膜様の組織が立ち上がっている.眼圧は正常範囲内で,緑内障性 の変化はなく,瞳孔縁にも落屑物質の沈着は認めない.どのような疾患であり,白内 障手術を施行する際にどのようなことに気をつけ戦略を立てるべきであろうか. memo 解答と解説は「眼科グラフィック」4 巻 3 号に掲載
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