養殖生産数量ガイドライン(平成27年漁期) 1 養殖生産数量ガイドラインの性格 我が国の養殖業においては、生産物である養殖魚の需給バランス が崩れやすく、価格の乱高下を招きやすいという、生産者・消費者 の双方にとって不幸な状況が継続している。価格が急落すると、養 殖業の経営のみならず地域の経済全体に大きな影響を与えることに なる一方、ブリやマダイなど世界に供給できる高品質な魚を生産し ながら、一部の生産者を除き、輸出に取り組む動きが見られない状 況である。 このガイドラインは、国内向けには、ガイドラインとして示され た生産目標数量に基づき、個々の業者が自主的に計画的な生産を行 い、生産者・消費者の双方にとってメリットのある養殖魚の安定供 給を行う一方、輸出をその外枠として積極的に取り組むことにより、 養殖業の持続的な発展を進めていこうとするものである。 更に「浜の活力再生プラン」に基づく各種取組とあいまって、需 要を踏まえ、売り方を工夫しながら、品質の高い安全・安心な養殖 魚を安定的に供給する養殖経営を定着させるとともに、輸出や6次 産業化による養殖業の成長産業化を図ろうとするものである。 2 27年漁期のガイドラインの設定の考え方等 (1)ブリ及びカンパチ 平成26年の種苗活込み尾数が、昨年のガイドラインに基づく尾 数を上回っていると見られ、平成27年の活込み尾数によっては、 平成28年以降の生産量が、国内の需給がバランスすると考えられ る生産目標数量の14万トンを大幅に上回る可能性がある。その場 合、輸出の拡大などによる新たな販路拡大が不十分な場合には国 内供給が14万トンを上回り、価格が大幅に下落する懸念が高まる と考えられる。 このことを踏まえ、28年の生産量が14万トンとなるよう活込み 数量の算定方法を昨年と変更することとした。 (2)マダイ 平成26年の種苗活込み尾数が、昨年のガイドラインに基づく尾 数を下回っていると見られることなどを踏まえ、29年の生産量が 国内の需給がバランスすると考えられる生産目標数量の7万2千ト ンとなるよう、昨年同様に活込み尾数の算定方法を設定する。 (平成26年の生産量が、6万1千トン近辺にもかかわらず、価格の 下落傾向が顕著であるとすると、近年のマダイの国内需要は生産 目標数量としている7万2千トンよりも縮小している可能性があ り、平成28年漁期に向け精査) 3 生産目標数量 (1)ブリ及びカンパチ:あわせて14万トン (2)マダイ :7万2千トン 4 活込み数量の算定方法 平成18年から22年までの種苗活込み尾数の最大値と最小値を除い た中庸3年間の平均値を基準として、それぞれ次の割合を削減 (1)ブリ :13% (2)カンパチ:13% (3)マダイ :0% ※ マダイについては、需給をバランスさせる観点からの基準 値からの削減は必要ないが、平成23年度から推進している漁 場改善のための5%削減については、引き続き必要である。
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