A −33 本 邦 石 器 時 代 晩 期 に お け る 塩 生 産 の 研 究 宮 城 学 院 女 子 大 加 藤 孝 塩 の生 産 に つ い て, 近 世 以 降 の文 献 に は 銘 記 せ ら れ た も の は 多 々 あ る が, 中 世, 古 代 と さ か の ぼ る に 従 っ て, 文 献 に は あ ま り 見 え ない , まし て 文 献 の ない 先 史時 代 の こ と に な る と, 研 究 さ れ た も の も 皆無 と称 し て も 過 言 で は ない 。 け れ ど も食 物 史 の 研究 上 , 塩 を度 外 視し て 立 論 す る わけ には い か ない ので , 考 古 学 的 立 場で 当 該 の課 題 につ い て, 研 究調 査 し , つ ぎ の よ う な成 果 を 得 た の で あ る。 1. 基 幹 産 業 とし て の塩 の生 産 は, 本 邦 新 石 器時 代 晩 期 に存 在 す るこ とを 発掘 調 査 に よ り 発 見し た。 2. 塩 の生 産 は , 土 器 製 塩 法 とい う, 海水 を特 殊 な土 器 に入 れ て, 窯 様 の施 設 で 煮 沸 製 造 を 実施 し た も の と考えられる。 3. 上 記 の遺 跡 は , 海 浜入 江 の貝 塚 に 伴 っ て, 数 十 力 所 発 見 せ ら れ てい る。 4. 塩 の生 産に よ っ て, 新 石 器 時 代 晩 期 に, 食物 の 保 存 , 貯 蔵 , 運 搬 , 交 換 等が , 活 発に な り, 東 北 地 方 に 発 展し た い わ ゆる 亀 ヶ 岡 式 文 化 の 開化 に一 翼 を 荷 っ たも の と考 え ら れ る。 5. 従 来 食 物 史 上 , 新 石 器 時 代 に お い て, 塩 は 度 外 視 せ られ て き た , し かし 今 後 は 新 し い 視 野 で 再 構 成 す べ きで あ る と 考 え ら れ る。
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