15 年 3 月調査 - 三菱UFJ証券;pdf

景気循環研究所レポート
日銀短観(15 年 3 月調査)予測
2015 年 3 月 23 日
業況判断は製造業で改善、非製造業では横ばいの予想
大企業・製造業の業況判断
日本銀行は、4 月 1 日に「企業短期経済観測調査」(日銀短観、15 年 3
DI は 2 ポイント上昇の予想
月調査)を発表する。3 月の大企業・製造業の業況判断 DI は+14 となり、
前回 14 年 12 月調査に比べ 2 ポイント上昇する見通しだ(表 1、図 1)。海
外景気の持ち直しと円安の定着を背景に、輸出企業の業況が総じて改善し
たとみられるほか、設備投資関連の企業にも改善の動きが広がった模様
だ。半面、原油相場の急落を反映して、化学や石油などの素材業種の業況
は弱含んだとみられる。なお、中小企業・製造業でも同様の動きが見込ま
れるが、業況判断 DI の上昇幅は、大企業に比べ小幅にとどまる見通し。
大企業・非製造業の業況は
横ばいの見込み
一方、大企業・非製造業の業況判断 DI は、前回調査と同水準の+16 と
なる見通し(表 1、図 2)。原油安による収益改善効果は、人手不足に伴う
人件費コスト増加などの影響で、ほぼ相殺されたとみられる。なお、昨年
4 月の消費税増税後、深刻な落ち込みを記録した小売業の業況は、株高に
伴う富裕層の高額品消費の好調や、急増する訪日観光客の「インバウンド
消費」などを背景に、徐々に持ち直しつつあるとみられる。
14 年度の大企業の設備投資計画は、前回 12 月調査から下方修正される
見通しだが、過去の実績見込みにおける平均的な修正幅にとどまるとみら
れる(図 3・4)。「人手不足」が一段と深刻化する中、多くの企業は生産・
嶋中 雄二
景気循環研究所長
宮嵜
販売能力の増強を迫られている模様だ(図 5・6)。一方、15 年度計画は、
3 月調査としては過去の平均的な水準が予想されるが(図 3・4)、円安定
着に伴う製造業の生産拠点「国内回帰」が本格化するとみられる中、今後
浩
シニアエコノミスト
03-6213-6573
は設備投資計画の上方修正が見込まれる。
表1. 業況判断DI
miyazaki-hiroshi@sc.mufg.jp
(「良い」-「悪い」、%ポイント)
福田
圭亮
14年12月調査
シニアエコノミスト
03-6213-2608
fukuda-keisuke@sc.mufg.jp
本レポートは、嶋中雄二の見方に基づ
き、宮嵜・福田が執筆を担当しています。
景気循環研究所
東京都千代田区丸の内 2-5-2
三菱ビルヂング
大
企
業
中
小
企
業
15年3月調査(予測)
最近
先行き
最近
製造業
12
9
14
2
16
2
非製造業
16
15
16
0
15
▲ 1
製造業
1
▲ 5
2
1
3
1
非製造業
▲ 1
▲ 4
▲ 2
▲ 1
▲ 4
▲ 2
前期差
先行き
前期差
(注)15年3月調査は当研究所の予測。
(資料)日本銀行「企業短期経済観測調査」などより三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
1
2015 年 3 月 23 日
図1. 業況判断DIの比較(大企業・製造業)
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
-90
図2. 業況判断DIの比較(大企業・非製造業)
(%ポイント)
40
(%ポイント)
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
日銀短観(大企業・製造業)
-50
ロイター短観(主要企業・製造業)
-60
日銀短観(大企業・非製造業)
ロイター短観(主要企業・非製造業)
-70
98
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
(年、四半期)
14
15
(年、四半期)
( 注1)ロ イター短観 は四半期平 均値。直近 の日銀短観( 細線)は当 研究所予測 。
(注1)ロイター短 観は四半期 平均値。直 近の日銀短観 (細線)は 当研究所予 測。
( 注2)日 銀短観の03年12月調査 以前と04年 3月調 査以降の計数 は連続しな い。
(注2)日銀短観の 03年12月調 査以前と04年3月 調査以降の計 数は連続し ない。
( 資料)日本銀 行「企業短 期経済観測 調査」、ロイターなどより三 菱UFJモルガン・スタンレー証券
(資料)日本 銀行「企業 短期経済観 測調査」、 ロイターなどより 三菱UFJモルガン・スタンレー証 券
景気循環研究 所作成
景気循環研 究所作成
図3. 大企業の設備投資計画
12
(前年度比、%)
図4. 中小企業の設備投資計画
30
14年度
10
8.9
8.6
8.7
5.5
6
10
5.1
4.6
4
2
3.2
3.1
0.1
-8.1
2.6
0.6
-2
-2.1
-2.0
-20
6月調査
-14.0
9月調査
12月調査
84~13年度の平均
-12.9
-20.2
14年度
-24.7
-30
実績見込み
3月調査
実績
(注1)土地 を含み、ソ フトウェア 投資を除く 。10年3月調査以降 はリース会社対応ベース。
-4.2
-6.7
-19.7
15年度
-4
3月調査
-8.4
-12.1
-16.0
84~13年度の平均
2.7
-0.2
-2.7
0
-10
0
-1.4
7.9
15年度
-0.7
2.5
3.4
13.9
13年度
3.9
21.0
13年度
20
7.4
8
(前年度比、%)
6月調査
9月調査
12月調査
実績見込み
実績
(注1)土地を含み 、ソフトウ ェア投資を 除く。10年 3月調査 以降はリース会社対 応ベース。
(注2)14年 度(実績見 込み)と15年度(3月調査)は 当研究所予 測。
(注2)14年度(実 績見込み) と15年度( 3月調 査)は当研究 所予測。
(資料 )日本銀行 「企業短期 経済観測調 査」より三菱 UFJモ ルガン・ス タンレー証 券
(資料)日本 銀行「企業 短期経済観 測調査」よ り三菱UFJモルガン ・スタンレ ー証券
景気 循環研究所 作成
景気循環研 究所作成
図5. 大企業の生産・営業用設備判断DI
(「過剰」-「不足」、%ポイント)
図6. 大企業の雇用人員判断DI
(「過剰」-「不足」、%ポイント)
(「不足」-「過大」、%ポイント)
-10
10
-5
不足
20
-12
5
15
-8
0
10
-4
0
5
(「不足気味」-「過剰気味」、%ポイント)
-16
0
5
4
-5
10
0
8
15
-10
20
日銀短観(左逆目盛)
25
法人企業景気予測調査(右目盛)
12
-15
24
-20
05
06
07
08
09
10
11
12
13
(注)法人企業景気予測調査は「設備判断BSI」。
(資料)日銀「短観」、財務省「法人企業景気予測調査」をもとに三菱UFJ
モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
14
-10
法人企業景気予測調査(右目盛)
20
過剰
30
-5
日銀短観(左逆目盛)
16
-15
05
15
(年、四半期)
06
07
08
09
10
11
12
13
(注)法人企業景気予測調査は「従業員数判断BSI」。
(資料)日銀「短観」、財務省「法人企業景気予測調査」をもとに三菱UFJ
モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
14
15
(年、四半期)
(以
みやざき
(15.3.23 宮嵜
巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。
2
上)
ひろし
浩)
2015 年 3 月 23 日
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