山 陰 経 済 動 向

2015 年 2 月 27 日
山 陰 経 済 動 向
消費税増税前の駆け込み需要の反動により個人消費や住宅建設などに弱さが残り、公共投資の増勢にも一
服感がみられるものの、雇用情勢が持ち直し傾向にあるなど、基調としては緩やかに持ち直している。
最近の国内経済については、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続
いている。
このような状況のもと、当地経済をみると、
公共投資は、1 月の公共工事請負金額が 3 カ月連続で前年を下回った。増勢に一服感が
みられる(2014 年 4 月∼2015 年 1 月累計の対前年比は 1.9%増、全国 0.9%増)
。
設備投資は、2014 年度は、製造業で前年度を上回り、非製造業が下回る計画となってい
るものの、全産業では前年度を上回る計画(日銀短観 12 月調査の全産業設備投資額は、
2013 年度実績対前年度比 52.8%増、2014 年度計画同 9.5%増)
。
住宅建設は、12 月の新設住宅着工戸数が 3 カ月連続で前年を下回った。駆け込み需要の
反動による影響は和らぎつつあるものの、総じてやや低調な推移となっている。
個人消費は、大型店売上高(1 月)が 10 カ月連続で、家電量販店販売額(12 月)は 9
カ月連続で、それぞれ前年を下回った。乗用車新車登録台数(1 月)は 2 カ月ぶりに前年
を下回った。消費税増税の影響は和らいでいるものの、弱い動きになっている。
生産は、12 月の鉱工業生産指数(季調済指数)が、鳥取県は 2 カ月ぶりに、島根県は 2
カ月連続で、それぞれ前月を下回った。消費税増税前の駆け込み需要の反動などにより、
一部で弱い動きになっている。
雇用情勢は、12 月の有効求人倍率が、鳥取県では前月差 0.10 ポイント上昇の 1.06 倍、
島根県では前月差 0.02 ポイント低下の 1.18 倍であった。総じて持ち直している(全国は
1.15 倍)
。
企業の業況判断は、足元、製造業は改善したものの、非製造業が悪化し、全産業では横
ばいとなった(前回 9 月、今回ともに 3)。先行きについては、製造業、非製造業ともに悪
化を見込んでおり、全産業でも悪化の見通しとなっている(日銀短観 12 月調査)。
このように、当地の景気は、消費税増税前の駆け込み需要の反動により個人消費や住宅
建設などに弱さが残り、公共投資の増勢にも一服感がみられるものの、雇用情勢が持ち直
し傾向にあるなど、基調としては緩やかに持ち直している。
先行きについては、個人消費を中心に消費税増税あるいは増税前の駆け込み需要の反動
による影響が徐々に薄れるなかで、生産が底堅く推移し、雇用情勢の持ち直しが続くと見
込まれることなどから、緩やかな持ち直しの動きが続くものと予想される。
【当地景気の現状判断】
<全体>
1.公共投資 2.設備投資 3.住宅建設 4.個人消費
現状判断の5分類
明るい
一部に明るさ
停滞
注:△は先月より上方修正、▼は同じく下方修正を示す。
(
-1-
不振
5.生産
6.雇用情勢
厳しい
)は修正の一歩手前の状況。
7.企業の
業況判断