球 は霊;pdf

たま
たま
球は霊なり
~野球部だより 140~
5.12.2014
不甲斐ない内容で終わった日曜日の紅白戦。その場面で求められるプレーと実際のプ
レーが違う場合、やはりそれは失点につながり、そのワンプレーが敗因になることもあ
ります。試合序盤で簡単に点を与えてはいけない相手と与えても影響ない相手、捕れる
か捕れないかの打球に対して、思い切りよく飛び込んでいい場面と確実に打球を抑えな
くてはいけない場面。その判断が難しいのですが、判断力を身につけるためには前から
言うように、より多くの実践経験と試合を多く観戦することが求められます。そしてワ
ンプレーの重さに気づかないうちは、野球の試合に勝つ可能性は低いでしょう。
昨日もこんな場面がありました。1塁ファールライン際に小フライが上がり、その打
球に対して投手の堀内選手と1塁手の小林選手が2人で追い、捕球する寸前に堀内選手
が「オーケー」の声をだし、2人は接触せずに済みアウトを取ることができました。難
しいフライだったのですが、捕ることができたのは堀内選手の「アウトを取るんだ」と
いう気迫によるところが大きかったと思います。1塁線にもう少し小さなフライが上が
った時が1,2年生の紅白戦でもありました。しかし、その打球に対しては投手、捕手、
1塁手の誰もが追うことなく、ファールグラウンドに落ちました。その打球でアウトは
取れないと早々に判断し、1歩も動かないというところにレギュラーと控えの差が見て
とれた瞬間だったのです。できればその選手たちに堀内選手とのプレーの差を感じてほ
しいと思ったのですが、その3人が自分たちとの違いを認識しているようには見えませ
んでした。同じように野手の間のフライを簡単に安打にしてしまう場面が昨日は何回も
ありました。3塁後方の3塁手、遊撃手と左翼手の間にフライが上がり、声をかければ
捕れる打球なのに譲り合って安打にしてしまう。また飛球をよく見ないで、捕れる打球
を落としてタイムリーにしてしまう。夏の大会前としては首をかしげたくなるプレーが
続出した紅白戦2試合目は途中で終わりにしました。
「公式戦でその場面に自分が出ていた場合、求められるプレーは何か。」ということが
考えられていなくて、
「自分が試したいことをやっているだけ」の紅白戦では公式戦には
つながりません。1死2,3塁もしくは1死1,3塁という場面でスクイズを実行した
選手は一人もいません。強硬策に出て凡退を繰り返すチームに夏の大会での勝利は難し
いと思います。紅白戦なのですからスクイズをして3塁走者がホームでアウトになった
としても、打者がフェアグラウンドにしっかりと転がせるかどうかが公式戦につながる
のです。野球の基本と言われているバントをすることは誰にでもできるプレーのはずで
す。その基本をやろうとしないのですから、野球の基本がわかっていないチームという
こと。