中山間・豪雪地帯のハンデをプラスに変える農業経営 ~家族3人が力を合わせ、水稲と施設園芸による周年農業を実践~ 大谷 健一(小国町) 1 受賞者の概要 大谷氏は、中山間部の豪雪地帯である小国町で、水稲と施設園芸を組み合わせ た複合経営を地域に先駆けて開始し、水稲部門では地域の担い手として離農者の 農地を引き受け、園芸部門では施設化による周年栽培を実現した。また、地産地 消や後継者育成にも力を入れている。 2 活動内容 (1)施設園芸導入による豪雪地帯での周年農業の実現 8棟の耐雪ハウスを使い、水稲育苗、野菜(メロン、トマト、アスパラ菜、 ほうれんそう、こまつな他)、花き(ストック)を切れ目なく組み合わせ、豪雪 地帯ながら周年栽培を実現し、冬期間の収入を確保している。 (2)効率性と品質を追求した水稲生産 当町の水稲の単位当たり収量は西置賜の他市町と比べて少ないが、水田を自 宅から概ね1km以内に集約し、有機質肥料を中心とした施肥設計とするなど作 業効率の向上と品質重視の米づくりを行っている。 (3)家族が担当部門を持ち、活き活きとした家族経営を実践 農業労働力は本人、妻、後継者の3人で、家族がそれぞれ担当部門を持ち、 個々がやりがいを持てる農業経営を実践している。 (4)直売所販売や学校給食供給による地産地消 野菜を中心に町内のスーパーや道の駅の直売所、保育所や老人ホームへの販 売、組織を通しての学校給食への供給を行っており、特に冬期間の野菜の貴重 な供給元として地産地消に貢献している。 (5)新規就農希望者の受入れによる地域の後継者育成 新規就農希望者を研修生として受け入れて育成し、独立就農へとつなげたほ か、中学生の職場体験を受け入れて、農業の職業としての可能性を伝えている。 3 今後の発展方向 (1) 地域の担い手として、地区内離農者の農 地を引き受けていく。 (2) 町 で 生 産 が 困 難 だ っ た タ マ ネ ギ の 冬 期 間育苗 ・夏 収穫 の栽 培体系 確立 に向 けて 試験栽培に取り組む。 (3) 新規就農希望者を今後も受け入れ、育成 していく。
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