行政文書保有個人情報の訂正請求に対する決定の審査基準(PDF・91.7;pdf

第33条
第33条
行政文書保有個人情報の訂正義務
実施機関は、訂正請求があった場合において、当該訂正請求に理
由があると認めるときは、当該訂正請求に係る行政文書保有個人情報の利
用目的の達成に必要な範囲内で、当該行政文書保有個人情報の訂正をしな
ければならない。
1
「当該訂正請求に理由があると認めるとき」とは、実施機関において調査
した結果、当該訂正請求の内容が事実に合致するとの確実な心証を得ること
をいう。
2
「利用目的の達成に必要な範囲内で」とは、行政文書保有個人情報の利用
目的に応じて、その達成に必要な範囲内で訂正する必要があることをいうも
のである。
これは、実施機関は、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を保有
してはならないとともに(条例第3条第2項)、利用目的の達成に必要な範囲
内で行政文書保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するように努める
(条例第7条)こととされていることから、行政文書保有個人情報の訂正も
利用目的の達成に必要な範囲内で行うこととしたものである。このため、利
用目的の範囲内で訂正すれば、訂正制度の目的(誤った行政文書保有個人情
報に基づいて誤った行政処分が行われることを未然に防止する。)は達成され
ることになる。
したがって、訂正請求者がより詳細に記録することを請求した場合であって
も、利用目的との関係において、請求の趣旨に沿うまでの内容を記録する必
要がない場合には、請求を拒否することとなる。また、行政文書保有個人情
報の内容を現在の事実と合致させるように請求された場合であっても、過去
の特定時点における事実を記録しておく必要がある場合には、現在の事実と
合致するように訂正する必要はない。
3
「訂正をしなければならない」とは、適法な訂正請求があった場合には、
訂正しないことについて正当な理由があるときを除き、当該行政文書保有個
人情報を訂正する義務を負うということである。
なお、調査の結果、判明した事実が、記録されている内容とも、訂正請求の
内容とも異なっている場合には、訂正請求は拒否することになるが、正確性
確保の観点から、別途、職権で訂正等を行うなどの対応をすることが適当で
ある。