別紙 諮問第489号 答 1 申 審査会の結論 「○○課がテロ対策としてタイ国等との間に交わした記録にある私の個人情報」につ いて、その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は、妥当である。 2 審査請求の内容 (1)審査請求の趣旨 本件審査請求の趣旨は、東京都個人情報の保護に関する条例(平成2年東京都条例 第113号。以下「条例」という。)に基づき、審査請求人が行った「2003年、2004年に おける公安部○○課がテロ対策として、タイ国、イタリア国及び各在日大使館との間 に交わした記録(文書及び電子記録等全てを含む。)にある○○(個人名)の個人情 報開示を請求いたします。」の開示請求に対し、警視総監が平成25年12月26日付けで 行った非開示決定について、その取消しを求めるというものである。 (2)審査請求の理由 審査請求書及び意見書における審査請求人の主張を要約すると、以下のとおりであ る。 ア 個人情報の非開示についての理由として条例16条4号に該当するためとあるが、 なぜこの条文に当方が該当するのか不明である。当方においては、今まで日本国民 の一人として、いかなる微細な犯罪も犯さず、適正な社会生活を送ってきており、 このような通知を受け取ることは了解しがたい。 ましてや、個人情報の存否そのものも非開示とする決定については極めて不当で ある。 イ 10年以上に及ぶこの変な事件の記録は、あまりに変なことが勃発するためにつけ - 1 - 始めたものだが、今現在その記録は100冊以上を数え、身体的被害を被ったときや 不可解な現象が生じたときの映像は、写真記録用チップに32枚(1枚に、1000枚程 度の写真が収録)にも及んでいる。今回はテロ対策を前面に出しているので、なぜ 当方がテロ対策の対象になっていると考えたのか、その根拠を挙げ、次いで、その 対策として警察に何度か助けを求めた経緯も挙げることで、全容は無理だとしても、 少しは全体が見えるのではないかと考えた。 それに加えて、自宅において生じた異常な現象のうちの一部を、そして、身体的 な症状の一部を記すこととする。それにより、少しでも何が起きていたのか、この 事件の理解へつながるのではないかと託すものである。 ウ 朝、仕事に出かけるとき、マンションの玄関から背の高いコート姿の男性が入館 し、そのままマンションの奥に進んで行った。駅までの途中の四つ角に見知らぬ外 国人男性が2人立っている。通常この近辺では見かけない人たちで、欧米人ではな く、色が黒く背は低めで所在なげだった。帰宅後、枕の下に入れてあったメモとセ ミナーの記録が紛失していた。 郵便局から通りへ出ようとしたときに、通りで待っていたかのように大型で、しっ かりしたカメラで写真を撮られた。取材用カメラと思われたが撮っていたのは中年 の女性だった。なぜVIPでもない当方にカメラを向けるのか不明。以来、様々な ところで、カメラを向けられることが多く、電車の通過待ちの時でさえ、そこで待っ ていた人にカメラを向けられている。 今現在、水道、ガス、電気、電話、携帯、宅急便、郵便、交通、通信、パソコン、 電気製品等全てにわたり異常状態が生じている(例えば、パソコンの画面に、ただ いま監視中の表示が出たり、あるいは掃除機が突然爆発して煙が出たりなど)。ま た、宅急便の品物は全て腐敗して届けられる等、生活のライフライン全てに支障が 生じており、当方の自由は大きく制限されている。 エ 皆で会うことになり、11時頃より夜8時頃まで外出した。帰宅し、ドアを開ける といきなりガスの臭いが充満しているのが分かり、夫と二人して大急ぎで台所のガ ス栓を止めた。長時間ガスが出ると自動的にガスが止まるはずなのに、止まってい ないことから、外出時からの生ガスとは考えられない。では、なぜこの事故は生じ - 2 - たのか。警察に来てもらうが、何もはっきりしたことは分からない。当方が玄関口 に出ると、若い警察官が壁からサッと顔を出したかと思うと、手に持った電灯で当 方の顔めがけて強い光を当ててきた。光を数秒間浴びせると素早く引っ込んだが、 一体なぜそんなことをしたのだろうか。 連日の苦痛に耐えかねて生活安全課へ夫と2人で行くと、案内された部屋は入室 と同時に頭が痛くなり、他の場所に移動する。今までにあったことや証拠になると 思われるハンカチを持参し(それは、バスルームにあった炭入りのハンカチで知ら ない間にオレンジ色のペンキ様のものがつけられていたものである)、他人が家に 侵入していること等を伝えるが、担当者は「オカルトに我々は付き合わない」「侵 入したという現場を捉えないとダメ」と主張した。何のための警察なのか。これで は自分で犯人を捜せ、というのも同然ではないだろうか。 オ 物理的異常現象として、トイレのドア付近に必ずと言っていいほど、透明な液体 が3センチこぼれている。毎回同一位置にこぼれており拭き取ると粘着性があり、 水ではないと分かる。この液体はその後他の場所、洗面所、台所、当方の頭、風呂 上がりの肩や胸に付着していることがあり、触るとネトネトしているので、それと 分かるが対処のしようがない。 最近では防護用に購入した鉛板を枕元にて2回使用した後点検すると、穴が2か 所開いていた。ただ枕元に立てかけていただけのものになぜ穴が開くのか了解しが たい。 カ 身体的被害として、最もおかしいことは、足を散弾銃で撃たれたようになり、ス トッキングに穴が開いたのはまだしも、休憩中に左頭部に手をやると指先に細く赤 い糸状のものがくっついてきたことがある。 キ 開示請求に対する非開示の理由は、条例16条4号に該当、保有個人情報の存在を 明らかにすることにより、警察の特定個人に関する情報収集活動の実態等が明らか となり、「犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及 ぼすおそれがあると認められるため」とあるが、①特定個人とは誰のことなのか、 当方を指しているのか、②市井の一主婦に過ぎない当方に、当方の個人情報を開示 - 3 - したとして犯罪が起きるというのか、どんな公共の安全、秩序の維持に支障がある のか、その証明を要求するものである。 生活のあらゆる領域で問題が発生しており、当方が国民として保護され、人とし て尊重されるべき生活は全て破壊され困窮を極めている。その重大さは個人の生命、 財産を保護する憲法に違反するものである。この基本的人権は条例16条4号に定め られた法律を超えるものと考える。 よって、速やかに、当方の個人情報を開示請求するものである。 3 審査請求に対する実施機関の説明要旨 理由説明書における実施機関の主張を要約すると、以下のとおりである。 本件請求に係る保有個人情報の存否を明らかにすることにより、特定個人が警察の情 報収集活動の対象であるか否かが明らかとなり、条例16条4号情報を開示することとな るため、条例17条の3に基づき、本件請求に係る保有個人情報の存否を明らかにしない で開示請求を拒否する。 条例16条4号に該当する理由は、本件請求に係る保有個人情報の存否を明らかにする ことにより、警察の特定個人に関する情報収集活動の実態等が明らかとなり、犯罪の予 防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると認め られるためである。 4 審査会の判断 (1)審議の経過 審査会は、本件審査請求について、以下のように審議した。 年 月 日 審 議 経 過 平成26年 3月18日 諮問 平成26年 4月24日 新規概要説明(第82回第三部会) 平成26年 9月24日 実施機関から理由説明書収受 - 4 - 平成26年10月31日 審査請求人から意見書収受 平成26年11月28日 審議(第88回第三部会) 平成26年12月19日 審議(第89回第三部会) (2)審査会の判断 審査会は、実施機関及び審査請求人の主張を具体的に検討した結果、以下のように 判断する。 ア 本件請求個人情報について 本件審査請求の対象となった請求個人情報は、「2003年、2004年における公安部 ○○課がテロ対策として、タイ国、イタリア国及び各在日大使館との間に交わした 記録(文書及び電子記録等全てを含む。)にある○○(個人名)の個人情報」(以下 「本件請求個人情報」という。)である。 実施機関は、本件請求個人情報の存否を答えるだけで、条例16条4号に規定する 非開示情報を開示することとなるとして、条例17条の3に基づき、その存否を明ら かにせずに開示請求を拒否する決定を行った。 イ 条例の定めについて 条例16条4号は、 「開示することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、 刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関 が認めることにつき相当の理由がある情報」を非開示情報として規定している。 条例17条の3は、 「開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在して いるか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、 当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができ る。」と規定している。 ウ 本件請求個人情報の存否応答拒否の妥当性について 実施機関は、本件請求個人情報の存否を答えることにより、条例16条4号に規定 - 5 - する情報を開示することとなるとして、条例17条の3の規定に基づき存否応答拒否 を行ったので、その当否について以下検討する。 本件請求個人情報は、特定の個人に対して警察が行った情報収集活動に係る情報 であり、その存否を答えるだけで、当該個人が警察の情報収集活動の対象であるか 否かを明らかにすることになり、その結果、警察の当該情報収集活動の実態が明ら かになることから、犯罪の予防、鎮圧又は捜査等公共の安全と秩序の維持に支障を 及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由があると認められ る。 したがって、本件請求個人情報の存否を答えるだけで、条例16条4号に規定する 非開示情報を開示することとなると認められるので、条例17条の3に基づき開示請 求を拒否した実施機関の決定は、妥当である。 よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。 (答申に関与した委員の氏名) 渡辺 忠嗣、鴨木 房子、寺田 麻佑、前田 - 6 - 雅英
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