更新日:2015/3/17(2015/3/17 訂正版) 調査部:舩木弥和子 石油生産量が 100 万 b/d を超えたものの、その後伸び悩むコロンビア (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas、Wood Mac 他) 1. コロンビアでは、2013 年に初めて年間を通して石油生産量が 100 万 b/d を超えたが、ゲリラによるパ イプラインの爆破や地元住民の妨害行動等により、2014 年の石油生産量は 2006 年以降初めて減少 し、988,100 b/d となった。 2. 2014 年央から原油価格が下落したことを受けて、同国で最も活発に活動を行っている Ecopetrol と Pacific Rubiales が、2015 年の資本支出を削減することとなった。 3. ANH はコロンビアの石油生産量の見通しを下方修正したものの、2015 年に 103 万 b/d、2018 年に 115 万 b/d と増加する見通しとしている。Colombian Petroleum Association は、同国の石油生産量は 2015 年には 100 万b/d 台に回復する見込みであるが、2016 年には 90 万b/d に、2018 年には 78. 5 万 b/d と減少するとみている。また、IEA は、2015 年の同国の石油生産見通しを 17 万 b/d 引き下げ 93 万 b/d とした。各機関による見通しにはばらつきがあるが、生産量が伸び悩みの傾向にあることで は一致している。 4. Pacific Rubiales Energy と Exmar は LNG 輸出を計画していたが、市場が不安定なためこのプロジェク トを延期することとした。一方で、天然ガス確認埋蔵量が年率 5%ずつ減少するとの見通しがあること もあって、LNG 受入基地の計画が持ち上がっている。 5. カリブ海沖合での掘削は Petrobras や Anadarko 等によって、シェールオイル、シェールガスの探鉱 は ExxonMobil 等によって、遅れがちではあるものの進展している。 6. ANH は 2014 年 7 月に、ライセンスラウンド Ronda Colombia 2014 を実施したが、公開された 95 鉱区 のうち 26 鉱区に、参加資格を取得した 38 社中19 社が応札したのみで、期待外れの低調な結果とな った。 7. ODL パイプライン、OBC パイプライン第1フェーズの建設、Ocensa パイプラインの拡張により、パイ プラインの輸送能力が増強されたが、太平洋岸に重質油を輸送するパイプラインの計画や港湾の整 備等輸送インフラストラクチャーの拡張が続いている。 1.パイプライン操業停止や投資減少で石油生産量減退 コロンビアの石油生産量は、2013 年に初めて年間を通して 100 万 b/d を超え、100.7 万 b/d となった。 2014 年はさらに石油生産量を伸ばすことが期待されていたが、2006 年以降初めて生産量が減少し、 988,100 b/d となった。 –1– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 コロンビアでは、主要油田の生産減退とゲリラ活動の激化により探鉱・開発が停滞し、石油生産量が 1999 年の 83.8 万 b/d から 2004~2007 年には 52~53 万 b/d に減退した。事態を憂慮したウリベ前政権 が 2002 年以降、外資導入政策やゲリラ対策をとったことで、2005 年を底に石油生産量は急増した。政府 は、2011 年末までに石油生産量 100 万 b/d 突破を目指し、さらに、2011 年には年間の石油生産量を 92 万 b/d、2012 年には 100 万 b/d にすることを計画した。 しかし、2011 年以降、ゲリラによる誘拐や石油インフラストラクチャーへの攻撃が増加、また、労働者が 労働条件の改善を求めて、地元住民が道路や環境のダメージを問題として、抗議行動をとるようになり、 同国の石油生産量は伸び悩んだ。石油生産量が 100 万 b/d を超えたのは 2012 年 12 月末となり、年間 の生産量も 2011 年が 91.5 万 b/d、2012 年が 94.4 万 b/d と目標に届かなかった。 2013 年はようやく、年間を通して 100 万 b/d を生産できたものの、2014 年に入り、ゲリラの活動がさら に激化、爆破されたパイプラインの修復作業を地元住民が妨害するという事態も起き、CanoLimon パイ プライン(CanoLimon-Covenas 間全長 770km、送油能力 22 万 b/d)や OBC(Oleoducto Bicentenario)パイ プライン(Llanos Basin-Covenas 間全長 960km、送油能力 45 万 b/d) の操業が頻繁に、そして、長期間に わたり停止することとなった。6 月に行われた大統領選挙で、サントス大統領が再選されたことで、ゲリラ との和平交渉が継続され、パイプライン等インフラストラクチャーへの攻撃が減少するのではないかとの 期待が高まったが、それ以降もゲリラの活動は収束していない。 加えて、環境許可取得に時間がかかることも、コロンビアでの石油会社の活動を阻害している。 Colombian Petroleum Association(同国で活動中の石油会社37社が参加)によると、石油会社の 70%が、 環境許可の取得が 1 年以上遅れるために、予定していた 2014 年の資本投資を使い切ることができなか ったとしている1。直接投資は 2012 年の 54 億ドルか ら 2013 年は 49 億ドルに減少したが、2014 年はさら に減少している模様だ。 パイプラインの操業停止や投資額の減少から、生 産量の減退が見込まれたことから、政府は 2014 年 の生産目標を 103 万 b/d から 98 万 b/d に、2015 年 の生産目標を 107 万 b/d から 103 万 b/d に引き下 げることになった。 1 BP 統計より作成 PON2014/12/10 –2– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2.主要企業が資本支出を削減 このようにパイプラインの操業停止や環境許可の取得に時間がかかることから、生産増が滞っているコ ロンビアだが、2014 年央から原油価格が下落したことを受けて、最も活発に活動を行っている Ecopetrol と Pacific Rubiales が、2015 年の資本支出を削減することとした。 Ecopetrol は 2014 年 12 月 15 日、油価下落により、2015 年の生産目標を引き下げ、資本支出も削減す ると発表した。100 万 boe/d とされていた 2015 年の生産目標は、76 万 boe/d に削減された。2015 年の 資本支出は 2014 年の 106 億ドルから 25.8%削減され 78.6 億ドルとされた。このうち、探鉱・開発部門へ の投資額は、2014 年の 66 億ドルから、2015 年は 46.4 億ドルと 29%削減された。特に探鉱部門への投 資額の削減幅は大きく、2014 年の 12 億ドルから 2015 年は 5.03 億ドルと 58%削減されることとなった。 Ecopetrol は、環境許可の取得に時間がかかること、住民の抗議行動、ゲリラによるインフラストラクチャ ーへの攻撃等の問題に加え、技術的な問題から Castilla-Chichimene油田の開発も遅れており、これらが 生産目標の引き下げや資本支出削減の原因となったとしている。また、中質の Vasconia 原油が 2013 年 12 月 16 日のバレルあたり 100.07 ドルから 54.36 ドル、重質の Castilla Blend が 95.07 ドルから 49.61 ド ルへと、コロンビア原油の価格が 1 年前に比べ半減したため、マージンが減少し、コスト高の油田の開発 は経済性を失いつつあることも一因という。 Ecopetrol は、非戦略資産の売却により必要な資金の一部を取得するとしたが、具体的な売却検討資 産は明らかにしなかった。 なお、2014 年の同社の生産量は、2013 年の 78.8 万 b/d から 755,400boe/d に減少し、年間の生産目 標 81.9 万 b/d を達成できなかった。2014 年末には、2006 年以来初の生産量減少の責任を取って、2007 年以降EcopetrolのCEO を務めてきたJavier Gutiérrez氏が退任することとなった。後任にはJuan Carlos Echeverry 氏が 4 月 6 日付で就任することが 2015 年 3 月 9 日に発表された。同氏は、1962 年生まれ、 Los Andes 大学等で経済学を専攻、New York 大学で経済学の博士号を取得、los Andes 大学経済学部 長、国家計画庁長官、大蔵・公債大臣、米州開発銀行の Executive Director 等を務めた。 Pacific Rubiales の CEO Ronald Patin 氏は、2015 年 1 月、油価下落により 2015 年の資本支出を 15 億 ドルから 11~13 億ドルの範囲に引き下げると発表した。しかし、生産量は 2014 年第 3 四半期の 148,790boe/d から 2015 年は 15~16 万 boe/d に引き上げるという。また、操業コストは 2014 年第 3 四半 期のバレルあたり 30.79 ドルから 28 ドルに引き下げることを計画している。 –3– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 3.生産見通しも引下げ コロンビアの主要企業2 社が、2015年の資本支出を削減することとなったが、コロンビア全体の生産見 通しはどうなっているのだろうか。 2015 年 2 月に、ANH が発表したところによると、2014 年は開発井 950 坑が掘削されたが、2015 年は 52 億ドルを投じ 700 坑が掘削される計画で、コロンビアの石油生産量は 2015 年に 103 万 b/d、2018 年 に 115 万 b/d に増加する見通しだ。生産量は増加していく見通しとされたものの、ANH はもともと、2015 年までに同国の石油生産量を 130 万b/d、2020 年までに 150 万b/d とすることを目指すとしていたので、 生産見通しの大幅な下方修正が行われたことになる。 Colombian Petroleum Association によると、2015 年はコロンビアで活動中の石油会社のうち 70%の企 業が生産量を維持、30%が生産量を増やすとしており、2015 年の石油生産量は 2014 年比約 3%増の 102.2 万 b/d となり、100 万 b/d 台に回復する見込みである。しかし、探鉱・開発部門への投資額が削減 されていることから、原油価格の上昇や政府の探鉱・開発促進策がなければ、石油生産量は 2016 年に は現在よりも約 10%減少し 90 万 b/d に、2018 年には約 20%減少し 78. 5 万 b/d 前後になる見通しだと いう。 また、IEA (International Energy Agency)は、治安の悪化、探鉱の停滞、油価下落、成熟油田の操業上 の問題から、2015 年のコロンビアの石油生産見通しを 17 万 b/d 引き下げ 93 万 b/d とした。 各機関による 2015 年の石油生産見通しは 93 万 b/d から 103 万 b/d とばらつきがあるが、生産量が伸 び悩みの傾向にあることでは一致している。石油部門はコロンビアの輸出の 55%、GDP の 5.5%、直接 投資の 30%、歳入の 20%を占めている。政府は生産量減少と油価下落による影響を避けるため、短期 的には成熟油田の回収率向上、長期的には沖合や非在来型の探鉱・開発を促進することで対処する計 画であるという。 4.LNG 輸出計画も先送り Pacific Rubiales Energy と Exmar は LNG 輸出を計画していたが、2015 年 1 月 29 日、市場が不安定な ため同プロジェクトの開始を延期すると発表した。 両社は 2012 年 3 月に、天然ガス液化、再ガス化、貯蔵、輸送サービスに関する契約を締結したと発表、 Exmar が FLRSU(Floating Liquefaction, Regasification & Storage Unit)を建造、操業し、Pacific Rubiales –4– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Energy がパイプライン(全長 88km、直径 18 インチ、当初輸送能力 100 MMcf/d、建設コスト 1 億ドル)を 建設し、La Creciente ガス田からガス 69.5 MMcf/d を 15 年間にわたり供給、液化するとしていた。同年 6 月には Wison Offshore & Marine が Exmar から FLRSU の EPCIC(設計/資材調達/建造/設置/試運転) を受注したと発表、バージにガス液化設備(最大液化能力約 50 万t/年)とタンク(貯蔵能力 14,000m3) を設置し桟橋に係留する計画としていた。その後、同プロジェクトは、再ガス化を含まない FLNG のプロ ジェクト Caribbean FLNG(液化能力 50 万t/年、貯蔵容量 16,000m3)に変更された。2014 年 11 月には Wison の造船所で進水式が実施され、2015 年第 2 四半期より年間 50 万tの LNG を供給することで、 Pacific Rubiales と Gazprom が、2013 年 11 月に HOA を、2015 年 1 月には売買契約(SPA)を締結してい た。 一方で、天然ガス確認埋蔵量が 2015 年から 2018 年までに年率 5%ずつ減少する見通しで、太平洋 岸では 2017 年、その他の地域では 2018 年にガスが不足するとの Colombian Petroleum Association の 見通しがあることもあってか、LNG 受入基地の計画が持ち上がっている。 2014 年 11 月、Hoegh LNG は Sociedad Portuaria el Cayao (SPEC、Promigas が株式の 51%、Baru LNG が 49%を保有) と LNG 再ガス化ターミナルの JV に関する 20 年契約を締結した。Cartagena に FSRU を 設置し、ガス化を行うもので、SPEC はすでに 2014 年初に政府から許可を取得しており、2016 年中ごろ に稼働する予定だ。FSRU の貯蔵能力は 170,000m3、再ガス化能力は 4.1Bm3/年で、契約期間は 5 年、 10 年、15 年に削減可能である。 スペインの Sacyr も同年 12 月 15 日、Cartagena に LNG 受入基地を建設すると発表した。受入能力は 4 億 m3/d で、全長 10km のパイプラインも建設する。建設総事業費は 1 億 600 万ドルとされており、2016 年第 2 四半期に運転を開始する予定である。 5.カリブ海沖合及びシェールの探鉱に進展 探鉱・開発停滞が懸念されるコロンビアだが、カリブ海沖合及びシェールオイル、シェールガスの探鉱 については遅れが見られるものの進展している。 2014 年 12 月には、Petrobras (オペレーター、40%)/Ecopetrol (30%)/Repsol (30%)がカリブ海 Tayrona block の水深 674m の海域で Orca-1 号井を掘削(掘削長 4240m)、天然ガスを確認した。コロンビア深海 での初のガス田の発見である。Petrobras は 2015 年に 2 坑、2016 年に 2~3 坑を掘削する計画だ。 Anadarko はコロンビア沖合の Col 2、Col 5、Fuerte Norte、Fuerte Sur、Purple Angel、Uru 4 の 6 つの –5– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 鉱区で 3D 地震探鉱 6,500km2 を実施した。当初、2014 年末あるいは 2015 年初より掘削を行う計画であ ったが、2014 年中には行われず、2015 年に入ってから掘削が実施される予定である。 Sintana Energy によると、同社と ExxonMobil は、2015 年初より Middle Magdalena Basin、VMM-37 鉱 区(総面積 175 km2)で Manati Blanco 1 号井を掘削(在来型 Lisama Formation、非在来型 La Luna Formation)する。当初、2014 年第 4 四半期から掘削予定だったが、2015 年に先送りされた。Sintana Energy は VMM-37 鉱区を 2010 年のライセンスラウンドで落札、2011 年 3 月にライセンスを取得した。 2012 年 11 月に ExxonMobil が非在来型 La Luna シェールの権益 70%を取得し、同鉱区のオペレーター となり、3 坑を掘削することとなった。Sintana Energy は非在来型プレイの権益30%と在来型の権益の 100% を保有している。 この他にも、Orlando Cabrales エネルギー副大臣によると、2015 年中に非在来型の坑井 20 坑で水圧 破砕が行われる計画であるとのことで、結果が注目される。 6. ライセンスラウンドは低調に終わる ANH は 2014 年 7 月 23 日、ライセンスラウンド Ronda Colombia 2014 を実施した。公開された 95 鉱区 のうち 26 鉱区に、参加資格を取得した 38 社中 19 社が応札した。 沖合鉱区 19 鉱区のうち、カリブ海沖合の鉱区については COL1、COL6、COL7 鉱区に Anadarko が、 SIN OFF7 鉱区に Shell/Ecopetrol が、COL4 鉱区に Repsol/ExxonMobil/Statoil が応札したが、太平洋沖 合鉱区には札が入らなかった。58 鉱区の既発見未開発鉱区については、11 鉱区に主に小規模の企業 10 社が札を入れたのみで、企業の関心は薄かった。非在来型鉱区は 19 鉱区が公開とされたが、このう ち Middle Magdalena Basin の VMM9 鉱区に Parex を含む 2 社が応札した。 有資格企業のうち Pacific Rubiales、Petrobras、Chevron、Total が札を入れなかった。 2012 年 10 月 17 日に行われた前回のライセンスラウンドでは、Enap、Petrobras、YPF 等南米の国営石 油会社、Chevron、Total、Shell、ConocoPhillips 等メジャー、Sinopec、CNOOC、Sinochem、ONGC Videsh、 SK Innovation 等アジア企業の他 Talisman、Anadarko、Repsol、Pacific Rubiales、Petrominerales、Gran Tierra、Canacol、OGX 等 53 社が PQ を取得し、対象とされた 115 鉱区のうち 49 鉱区に 37 社から 105 件の入札があった。ANH は、今回の入札ラウンドでも前回同様の結果が期待されるとしていたが、期待 外れの結果となったとしている。 –6– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 7.パイプライン、港湾計画 コロンビアでの石油生産量の増加分の多くは Llanos basin の重質油が占めているが、この Llanos basin の重質油の生産量が急増したことで、パイプラインの送油能力が不足していた。 Ecopetrol と Pacific Rubiales Energy は、Rubiales 油田と Monterrey(Casanare)間に全長 235kmの Oleoducto de Los Llanos (ODL)パイプライン(送油能力24万b/d)を建設、2009年9月にこれが完成した。 2011 年 3 月には Ocensa パイプライン(Cusiana-Cupiagua 油田~Covenas 間全長 830km)の送油能力の 拡張(46 万 b/d から 56 万 b/d に)も実施された。さらに、Llanos Basin と Covenas 間に OBC パイプライン の建設が計画され、その第1フェーズ(Casanare 県 Araguaney と Arauca 県 Banadía 間全長 230km)が完 成した。送油能力は 12 万b/d で、Banadía からは Caño Limón-Coveñas パイプライン(送油能力22 万b/d、 OBC パイプライン稼働前の通油量 8 万 b/d)を利用し、Coveñas まで原油を輸送できるようになった。 現在、Enbridge Energy が太平洋岸に重質油を輸送するパイプラインプロジェクト(LlanosBasin~ Buenaventura 間全長 760km、輸送能力 25 万 b/d、総工費 50 億ドル、2019 年に完成予定)を計画してい る。2014 年 7 月には、コロンビア最大のガスパイプライン会社 Transportadora de Gas Internacional(TGI) が同パイプラインプロジェクトの権益の約 8%を取得することとなった。 TGI は電力会社 Grupo Energia de Bogota の子会社である。 Coveñas 港の積出設備にもボトルネックが生じていた。Pacific Rubiales が Cartagena の南西に位置す る Puerto Bahia 港に輸出能力 45 万 b/d の積出設備と付随する貯蔵設備(容量 300 万 bbl)等を建設して いたが、これが 3 月に開業する予定だ。1 月には Covenas 港と Puerto Bahia 港を結ぶ Olecar パイプライ ン(全長 130km)が着工、2015 年末までに完成予定となっている。Covenas 港の輸出能力は 68 万b/d で、 それを超える量の原油を同パイプラインで Puerto Bahia 港に輸送し、ここから輸出する計画だ。また、コ ロンビアは重質油希釈用にナフサ 8 万 b/d も輸入する。当面は、Llanos で生産される Castilla blend を Puerto Bahia にタンクローリーで輸送し、帰りのタンクローリーで輸入したナフサを輸送する計画だ。 おわりに 近年、コロンビア国内では大規模な油田の発見がなく、パイプラインに対するゲリラの攻撃や住民によ る抗議行動も激化している。環境許可の取得にも時間がかかり、探鉱・開発停滞が懸念されていた。 2014 年央からは油価が下落し、コロンビアでの探鉱・開発はその影響も受けるようになってきた。 コロンビアでは、原油相場の低迷に伴い、約 10,000 人の労働者がすでにレイオフされ、今年中には –7– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 合計で 25,000 人がレイオフされる可能性があるという。2015 年3 月 4 日には、石油産業の主要労働組合、 統一労働組合(USO)が、リストラの拡大に抗議し、無期限ストに入ると発表した。石油生産見通しが相次 いで見直された同国であるが、さらに生産量が減退する可能性も否定できない状態だ。 コロンビア政府は、石油・ガスセクター向けフリートレードゾーン(税優遇地域)を設置し、石油・ガスの 探鉱、関連製品の製造、関連ロジスティクス等を当該地域内で行うことを目的として一定額の投資を実施 した場合、通常 25%の法人税を 15%まで減税することとし、探鉱・開発促進、石油生産量の維持増加を 図ろうとしている。 コロンビア主要鉱区図 各種資料より作成 –8– Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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