2015/ FXウィークリー 4/13 投資情報部 FX ストラテジスト 由井 謙二 ドル高の持続性を見極める動きに (先週のレビュー) FOMC議事録等を受 けてドル買い戻しの 動き 週明けのドル円は、欧州市場がイースターマンデーで閑散取引となる中、119円 前後の小幅なレンジ内で推移したが、NY時間に米株価の堅調推移や米金利の上 昇を受けたドル買いに加え、7日(火)の本邦株高によるリスクオンの円売りから120 円台を回復。8日(水)は黒田日銀総裁が強気の物価見通しを示したことから、追加 緩和を期待していた向きからのポジション調整の動きに、119円台後半まで下落し た。しかしNY時間に、ダドリー・NY連銀総裁が「景気改善と失業率の低下次第では 6月に利上げが可能」と述べたことや、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事 録で「数人のメンバーは6月の利上げが正当化される可能性が高いと判断した」との 文言がみられたことでドル買いが優勢となり、120円台前半に反発。週後半には米 金利上昇に連れて120.74円まで上昇し、120円台前半で取引を終えた。 ユーロドルは米金利の上昇を背景にドル買いの流れとなるなか、終始軟調な展 開。ギリシャが9日期限の国際通貨基金(IMF)への債務支払いを実施したとの報道 もみられたが、材料視する向きは限定的。10日(金)にかけては一時1.0567ドルと 3/17以来の安値を付けた。 豪州準備銀行(RBA)は4/7の金融政策会合で、政策金利を2.25%に据え置くこと を決定した。利下げの思惑を背景に弱含んでいた豪ドル相場は、結果発表後に反 発した。また、ブラジルでは副大統領の仲立ちのもと、政府や連立与党各党との間 で政府が掲げる財政再建策に関する法案成立に向け協調していくことについて合 意した。財政再建の取り組み進展への期待からブラジルレアルが堅調となった。 主要通貨の対ドルレート騰落率 (2015/4/3→2015/4/10) 主要通貨の対円レート騰落率 (2015/4/3→2015/4/10) 1.54 カナダドル ド ル 安 ▲ 0.65 ↑ ↓ ド ル 高 豪ドル 0.64 南アランド トルコリラ ▲ 2.62 メキシコペソ スイスフラン ▲ 2.80 スイスフラン ユーロ ▲ 3.33 ユーロ (%) ▲ 2.00 ▲ 0.60 ▲ 0.90 英ポンド メキシコペソ ▲ 3.00 0.05 NZドル ▲ 2.13 ▲ 4.00 1.05 0.39 南アランド ▲ 1.93 トルコリラ ▲ 1.00 1.70 米ドル ▲ 1.64 英ポンド 2.61 円 安 カナダドル ▲ 1.04 円 円 高 豪ドル ▲ 0.99 NZドル ブラジルレアル ↑ ↓ ブラジルレアル 0.00 1.00 2.00 (%) ▲ 3.00 ▲ 1.10 ▲ 1.60 ▲ 1.78 ▲ 2.31 ▲ 2.00 ▲ 1.00 0.00 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1.00 2.00 3.00 2015/4/13 FXウィークリー 今週は、米国サイドで材料が多い。小売売上高等の主要経済指標に加え、米連 (今週の見通し) ドル高の持続性を見 邦準備理事会(FRB)高官の発言機会が数多く予定されている。これらを受けた米 金利の動向とともにドル買いの持続性を見極める動きとなりそうだ。もっとも、ドル買 極める動きに いが強まる場合は、米株価指数の調整がドル円の上値を抑えるとみられる。121円 台では上値を重くする展開を想定している。 米経済指標では、14日(火)に3月小売売上高、3月生産者物価指数、15日(水) に4月NY連銀製造業景況指数、3月鉱工業生産指数、4月NAHB住宅市場指数、16 日(木)に3月住宅着工件数、新規失業保険申請件数(5/8公表の4月雇用統計の 調査週にあたる)、17日(金)に3月消費者物価指数、4月ミシガン大学消費者信頼 感指数、3月景気先行指数が公表される。このところの米経済指標の下振れが、2月 に米東部を襲った寒波等の一時的な要因によるものなのかを見極める動きが強ま ろう。また、15日には4/28-29のFOMCでの議論のたたき台となる米地区連銀経済 報告書(ベージュブック)が公表される。 ユーロはギリシャの動向が重しになる公算。今週は、ギリシャがEU等からの金融支 援継続に向けて改革案を提出し、4/24-25のユーロ圏財務相会合に向けての合意 を目指した話し合いが行われる見通し。来週以降、ギリシャ情勢を巡る不透明感が 一層高まる可能性があり、投資家のユーロの買い手控えにつながりやすい。ドル買 い地合いが継続すれば、ユーロドルは下値を試す動きが想定される。4/15の欧州 中央銀行(ECB)理事会では3月に国債を含む月額600億ユーロの購入プログラム を開始したばかりであり、現状の金融政策の効果を見極める姿勢が示されよう。 その他、15日には中国の1-3月期実質GDPや固定資産投資、生産、小売等の重 要指標が発表される。中国のGDPが政府目標である7.0%を下回れば、当初の反応 としてはリスク回避の反応になろうが、「悪い経済指標が政策期待を高める」格好で リスクオンの動きに転じる可能性がある。仮に株価上昇に勢いがついている上海株 に調整が入るような場合は、世界的な株価調整のきっかけになりかねないため注意 したい。また、16-17日にG20財務相・中銀総裁会議が開催される。今回の主な議題 は、昨年2月に決定した5年間で成長率を2%以上押し上げるという数値目標達成に 向けた具体的な施策になると思われる。中国が主導するアジアインフラ投資銀行 (AIIB)等も議論にあがる見込みだが、総じて市場への影響は限定的にとどまろう。 主要通貨の対ドルレート推移 (日次:2013/12/31~2015/4/10) 2013/12/31=100 110 106 102 98 94 90 86 82 78 ドル安 ↑ ↓ ドル高 円 トルコリラ メキシコペソ 74 70 13/12/31 14/3/25 14/6/17 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 ユーロ 豪ドル 南アランド 14/9/9 英ポンド NZドル ブラジルレアル 14/12/2 15/2/24 (年/月/日) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2015/4/13 FXウィークリー IMM通貨先物ポジション動向(2015年4月7日時点) ≪主なポジション動向≫ ○円のネットショートは4週間ぶりに拡大 ○ユーロのネットショートは5週間ぶりに縮小 ○豪ドルのネットショートは4週間ぶりに拡大 ○主要8通貨に対するドルの買い越し額は2週連続で縮小 IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2011/1/4~2015/4/7) 円(JPY) (兆円) 1.0 JPY LONG 85 0.0 95 (1973/3=100) 105 600 USD LONG 500 0.5 米ドル(USD) (億ドル) (1ドル=円) 75 100 400 300 95 200 ▲ 0.5 105 ▲ 1.0 115 90 100 0 JPY SHORT ▲ 1.5 ドル円為替レート(右逆目盛) 12/1 12/7 ▲ 300 USD SHORT ▲ 400 135 11/7 80 ▲ 200 125 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 2.0 11/1 85 ▲ 100 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) 75 ドル合成ポジション(金額、左目盛) ドル指数(右目盛) ▲ 500 11/1 70 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) ユーロ(EUR) (億ユーロ) 200 EUR LONG 150 (億豪ドル) (1ユーロ=ドル) 1.60 ネットポジション(金額、左目盛) ユーロドル為替レート(右目盛) 豪ドル(AUD) (1豪ドル=ドル) 150 1.10 AUD LONG 1.50 100 1.05 100 50 1.00 1.40 0 50 ▲ 50 0.95 1.30 ▲ 100 0.90 0 ▲ 150 1.20 ▲ 200 0.85 ▲ 250 EUR SHORT ▲ 50 1.10 AUD SHORT ▲ 300 0.80 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 350 11/1 1.00 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 ▲ 100 11/1 豪ドル米ドル為替レート(右目盛) 11/7 12/1 12/7 13/1 0.75 13/7 14/1 14/7 (年/月) 15/1 (年/月) (注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。 米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 2015/4/7現在のポジション(ドルベース) 対前週比 (億ドル) (億ドル) 15 500 LONG LONG 400 10 300 5 200 100 0 0 ▲5 ▲ 100 ▲ 200 ▲ 10 ▲ 300 SHORT ▲ 400 SHORT ▲ 15 ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル (注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 2015/4/13 FXウィークリー (1ドル=円) ドル円 一目均衡表 (日次:2014/7/3~2015/4/10) (1ドル=円) 123 123 121 121 119 119 117 117 115 115 113 113 111 111 109 109 107 107 105 105 103 103 101 101 2014/08 2014/10 転換線 基準線 出所:各種資料よりみずほ証券作成 (1ユーロ=ドル) 2014/11 先行スパン1 2015/01 2015/03 先行スパン2 遅行スパン ユーロドル 一目均衡表 (日次:2014/7/3~2015/4/10) 2015/05 (年/月) (1ユーロ=ドル) 1.40 1.40 1.36 1.36 1.32 1.32 1.28 1.28 1.24 1.24 1.20 1.20 1.16 1.16 1.12 1.12 1.08 1.08 1.04 1.04 1.00 1.00 2014/08 2014/10 転換線 基準線 出所:各種資料よりみずほ証券作成 2014/11 先行スパン1 2015/01 先行スパン2 2015/03 遅行スパン 2015/05 (年/月) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 2015/4/13 FXウィークリー 金融商品取引法に係る重要事項 当社取り扱いの商品等(外貨建商品等も含む)にご投資いただく際には、各商品等に所定 の手数料(投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸費 用等)をご負担いただきます。債券を当社との相対取引によりご購入いただく場合は、購入 対価のみをお支払いいただきます。 各商品等には価格の変動や発行者の信用状況等の悪化等により損失を生じるおそれがあ ります。 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの 遅滞・不履行が生じるおそれがあります。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況 によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や 目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-150413-28 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5
© Copyright 2024 ExpyDoc