2015/ FXウィークリー 2/16 投資情報部 FX ストラテジスト 五十嵐 聡 ギリシャ動向等を眺めつつ振れやすい展開に (先週のレビュー) ドル円は 120円台ま で上値を 試したが 、 行って来いの展開 先週のドル円は予想を上回る米雇用統計を受けて上昇に転じた流れから、米長 期金利の上昇等を背景に上値を試す動きとなったが、日銀が追加緩和に否定的と の一部報道や予想を下回る米小売売上高等を受けて反落する展開となった。 ドル円は週初、中国1月の貿易統計で輸入が大幅減少となったことや、ギリシャ情 勢の不透明感等から軟調な推移となった。しかし、2/10(火)には米長期金利が上 昇する中で上値を試す動きとなり、2/11(水)には米10年債利回りが2.0%台に乗せる 中で、「ギリシャが支援プログラムにとどまることで基本合意した」との報道もあり、一 時1/5以来となる120.48円を付けた。しかし、2/12(木)は1ヵ月ぶりのドル高水準に 輸出筋のドル売りも入り上値は重く推移、「現時点で追加緩和は経済に逆効果との 見方が日銀内で浮上」との一部報道から反落。さらに、米1月の小売売上高が前月 比▲0.8%と予想を下回る減少となったことで売りが加速、2/13(金)には予想を下回 る米2月ミシガン大学消費者信頼感指数から一時118円台半ばまで値を下げた。 ユーロドルはユーロ圏財務相会合やEU首脳会議を控えて、週半ばにかけては 1.13ドル台前半を中心に方向感なく推移。金融支援プログラムについては結局ギリ シャとEUの見解の相違から合意には至らず。ただ、2/12(木)には欧州中央銀行 (ECB)がギリシャの銀行への緊急流動性支援(ELA)を50億ユーロ増額すると発表 したことでユーロは反発。ウクライナ東部停戦合意の報道や、弱い米経済指標を受 けたドル売りもあり、週末にかけて一時1.1443ドルまで上値を伸ばす展開となった。 その他通貨では、中国の貿易統計で資源輸入が大幅減少したことで、中国が主 要な輸出相手国となっているブラジルレアル等の資源国通貨が全般に下落した。 主要通貨の対ドルレート騰落率 (15/2/6→15/2/13) 主要通貨の対円レート騰落率 (15/2/6→15/2/13) NZドル 0.71 トルコリラ 0.69 ユーロ 0.63 カナダドル ユーロ カナダドル 円 スイスフラン 南アランド ブラジルレアル (%) ▲3.0 ▲2.0 ▲0.56 ▲0.75 ▲0.89 南アランド ブラジルレアル ▲1.86 ▲1.0 0.0 1.0 2.0 (%) 0.40 0.32 スイスフラン ▲0.58 ▲1.39 円 安 ▲0.31 豪ドル ▲0.44 0.68 0.38 メキシコペソ ▲0.25 豪ドル 円 高 米ドル 0.31 メキシコペソ 0.96 英ポンド 1.00 ド ル 安 ↑ ↓ トルコリラ NZドル 1.28 ド ル 高 ↑ ↓ 英ポンド ▲1.70 ▲2.17 ▲3.0 ▲2.0 ▲1.0 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 0.0 1.0 2.0 2015/2/16 FXウィークリー (今週の見通し) 米経済指標やギリ シャ動向等を眺めつ つ振れやすい展開に 今週のドル円は、米利上げ見通しを左右する米経済指標の動向や、日銀金融政 策決定会合、ギリシャ金融支援の行方等を眺めながら、その行方次第で相場は振 れやすい展開が予想される。先週は米雇用統計の良好な結果を受けて、米連邦準 備理事会(FRB)による利上げに向けた地ならしが一段と進むとの思惑から、ドル円 は上値を試す展開となった。しかし、米小売売上高が予想を下回り2ヵ月連続の大 幅減少になると一転して反落する展開となる等、金融政策に対する見方は依然とし て定まっていないもようである。また、ギリシャがEUと瀬戸際交渉を続ける中で、不 透明感の強い状況が変わっていないことも相場の上値を抑える要因となろう。 米経済指標については、今週は2/17(火)に2月NY連銀製造業景気指数、2/18 (水)には1月住宅着工件数、生産者物価指数、鉱工業生産指数、2/19(木)には2 月フィラデルフィア連銀製造業景気指数等の発表が予定されている。FRBの注目点 が物価動向に移る中で、原油価格下落の影響を計る意味では生産者物価への注 目度が高まろう。また、2/18(水)には1月開催分のFOMC議事要旨が公表され、景 気認識上方修正の一方、インフレ率の見通しを引き下げた背景や、エネルギー価 格下落の消費や物価への影響等に関する記述に注目が集まろう。国内では本日 朝方発表の昨年10-12月期の実質GDPが3四半期ぶりのプラス成長となったが、原 油安で2/19(木)発表の1月貿易統計がどの程度改善するかも注目される。また、 2/17-18には日銀金融政策決定会合が開催される。政策は現状維持が予想される が、原油安の物価への影響が避けられない中で、黒田総裁が定例会見で2%物価 目標達成への見通しや追加緩和についてどのような認識を示すかが注目されよう。 こうした中で、リスク要因は引き続きギリシャ金融支援の行方となろう。先週のユー ロ圏財務相会合でギリシャは既存の支援プログラム継続を改めて拒否し、交渉は合 意に至らなかった。2/28の支援資金の受け取り期限に向けて、2/16(月)に開催さ れるユーロ圏財務相会合は合意の最後のチャンスとなり、交渉は山場を迎える。ギ リシャは短期証券の発行上限引き上げやECBや他の中銀が保有するギリシャ国債 から得た利益の返還等のつなぎ的な措置での合意を求めており、両者がどこで妥 協できるのかが注目される。また、2/18(水)にはECB理事会が開催され、ELAが延 長されるかどうかも重要となる。仮に支払不能状態としてELAが打ち切られれば、ギ リシャ銀行の破たん等からリスク回避姿勢が強まる可能性に留意が必要となる。 2013/12/31=100 主要通貨の対ドルレート推移(2013/12/31=100の指数) (日次:2013/12/31~2015/2/13) 110 108 ドル安 ↑ ↓ ドル高 106 104 102 100 98 96 94 92 90 88 86 84 円 ユーロ 英ポンド トルコリラ 豪ドル NZドル メキシコペソ 南アランド ブラジルレアル 82 80 13/12/31 14/2/18 14/4/8 14/5/27 14/7/15 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/9/2 14/10/21 14/12/9 15/1/27 (年/月/日) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2015/2/16 FXウィークリー IMM通貨先物ポジション動向(2015年2月10日時点) ≪主なポジション動向≫ ○円のネットショートは4週連続で縮小し、2014/7/22以来、約7ヵ月ぶりの低水準となった ○ユーロのネットショートは8週ぶりに縮小 ○豪ドルのネットショートは4週ぶりに縮小 IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2011/1/4~2015/2/10) 円(JPY) (兆円) 1.0 (1973/3=100) 100 600 500 0.5 米ドル(USD) (億ドル) (1ドル=円) 75 JPY LONG 85 USD LONG 95 400 300 0.0 95 90 200 ▲ 0.5 100 105 85 0 ▲ 1.0 ▲ 100 115 JPY SHORT ▲ 1.5 125 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 300 ドル円為替レート(右逆目盛) ▲ 2.0 11/1 12/1 12/7 75 USD SHORT ▲ 400 13/1 13/7 14/1 14/7 ドル合成ポジション(金額、左目盛) ドル指数(右目盛) 135 11/7 80 ▲ 200 ▲ 500 11/1 15/1 (年/月) 70 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) ユーロ(EUR) (億ユーロ) 200 EUR LONG 150 豪ドル(AUD) (億豪ドル) (1ユーロ=ドル) 1.55 ネットポジション(金額、左目盛) ユーロドル為替レート(右目盛) (1豪ドル=ドル) 1.10 150 1.50 100 AUD LONG 1.45 50 1.05 100 1.00 1.40 0 50 1.35 0.95 ▲ 50 1.30 ▲ 100 0.90 0 1.25 ▲ 150 0.85 1.20 ▲ 200 EUR SHORT ▲ 50 AUD SHORT 1.15 ▲ 250 0.80 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 300 11/1 1.10 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 ▲ 100 11/1 15/1 豪ドル米ドル為替レート(右目盛) 11/7 12/1 12/7 13/1 0.75 13/7 14/1 (年/月) 14/7 15/1 (年/月) (注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。 米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 2015/2/10現在のポジション(ドルベース) 対前週比 (億ドル) (億ドル) 8 600 6 LONG 500 LONG 4 400 2 300 0 200 ▲2 100 ▲4 0 ▲6 ▲ 100 ▲8 ▲ 200 ▲ 10 ▲ 300 SHORT ▲ 12 SHORT ▲ 400 ▲ 14 ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル (注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 2015/2/16 FXウィークリー ドル円 一目均衡表 (日次:2014/5/8~2015/2/13) (1ドル=円) 120 転換線 基準線 先行スパン1 先行スパン2 (1ドル=円) 120 遅行スパン 115 115 110 110 105 105 100 100 2014/05 2014/07 2014/09 2014/11 2015/01 出所:各種資料よりみずほ証券作成 (年/月) ユーロドル 一目均衡表 (日次:2014/5/8~2015/2/13) (1ユーロ=ドル) 2015/03 (1ユーロ=ドル) 1.40 1.40 1.35 1.35 1.30 1.30 1.25 1.25 1.20 1.20 1.15 転換線 基準線 先行スパン1 先行スパン2 1.15 遅行スパン 1.10 1.10 2014/05 2014/07 2014/09 2014/11 出所:各種資料よりみずほ証券作成 2015/01 2015/03 (年/月) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 2015/2/16 FXウィークリー 金融商品取引法に係る重要事項 当社取り扱いの商品等(外貨建商品等も含む)にご投資いただく際には、各商品等に所定 の手数料(投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸費 用等)をご負担いただきます。債券を当社との相対取引によりご購入いただく場合は、購入 対価のみをお支払いいただきます。 各商品等には価格の変動や発行者の信用状況等の悪化等により損失を生じるおそれがあ ります。 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの 遅滞・不履行が生じるおそれがあります。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況 によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や 目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-150216-26 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5
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