短期予報解説資料1 2015年 3月17日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①トラフ(500hPa5700m 付近)は関 東付近を東進、日本の南の前線上 の低気圧に伴う強いエコー域は伊 豆諸島を抜けた。一方、前線近傍 の南西諸島(名瀬 16 日 21 時の 850hPaθe 330K、可降水量 40mm 台) では、上空の正渦度移流域に対応 した水蒸気画像の明域が接近し、 奄美の西でテーパリング状の対流 雲域が見られ、海上では局地的に 50mm/h の非常に激しい雨が解析さ れており、発雷も活発。 ②①の流れ(500hPa5700m 付近)に 沿って、大陸奥地にトラフが進ん できており、トラフ前面から華北方面に上層雲域が広がってきた。 ③アムール川流域では、寒気トラフ(500hPa 5280m 付近、-36℃以下)直下の低気圧に対応して、ややま とまった雲域が東進。また、モンゴル東部~中国東北区に 500hPa5400m 付近の寒気トラフ(500hPa -30℃ 以下)があって、水蒸気画像で暗化が進んでいる。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①日本の南は、1 項①のトラフが抜けてリッジ前面の負過度場が卓越し、17 日は前線や低気圧は次第 に不明瞭となる。一方、長江流域では、リッジ通過後は 1 項②のトラフの接近で、17 日夜には前線が 発生する。18 日は、前線上に低気圧が発生し、低気圧からのびる温暖前線が西日本を北上する。一方、 1 項③の前者トラフの東進で、サハリンを通過する低気圧の南側にのびる気圧の谷が 17 日に北海道を 通過する。18 日は、気圧の谷が北海道の東に抜け、1 項③の後者トラフとの対応がよくなり、千島の 東で低気圧が発生する見込み。 ②17 日は、日本の南の前線活動は次第に小康状態となるが、前線周辺(850hPaθe 318K 以上, 可降水 量 30~40mm)で局地的な雷を伴う短時間強雨に注意。 ③17 日は、気圧の谷が北海道を通過する。北海道を中心とした北日本では、一時的な風・波の強まり や短時間強雨に留意。 ④18日は、 温暖前線の北上する西日本では下層暖湿気(850hPaθe 327K, 可降水量40mm台)が流入する。 前線通過のタイミングを中心に雷を伴った短時間強雨に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新の GSM を基本に検討。②黄砂の予想は実況と比較して過大 だが、実況には留意。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間): 特に高い(100mm 以 上)所はないが、2 項の短時間強雨に注意。②波(明日まで): 北海道・伊豆諸島・九州北部 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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