大阪医科大学 2015年度(後期)入学試験 解答速報 物理 2015年3月10日 実施 I (1) 右図より,tan θ = q1 q2 F = mg 4πε0 r 2 mg F = (2) カバーガラスの厚みを d [m] とすると,見かけの厚みは d となる.よって,題 n 意より, θ mg ( 1 1− n ) d = a, d =b n が成立する.d を消去して,n について解けば,n = a+b b . ◦ (3) 雨粒の終端速度を v0 =. 6.2 [m/s] と置く.傾き 45 のときの電車の速さ V1 [m/s] と,傾き 30◦ のと きの電車の速さ V2 [m/s] は, V1 = v0 tan 45◦ , V2 = v0 tan 30◦ . 13 [km/h] とかける.よって,V2 = 6.2 × 0.577 × 3.6 [km/h] = . また,T1 = 2 [分] とおくと,電車の加速度の大きさ a[m/s2 ] は,a = V1 − V2 となるので,速さ V2 T1 になってから止まるまでの時間 T2 は, T2 = V2 V2 v0 tan 30◦ 0.577 . 2.7 [分後] = T1 = T1 = ×2 [分] = . a V1 − V2 v0 tan 45◦ − v0 tan 30◦ 1 − 0.577 V0 [A] の電流が流れ,各コンデンサーにかかる電圧は抵抗 2 つにかかる電圧の和 3R 2 に等しい.以上より,C1 ,C2 の電気量は,いずれも CV0 [C]. 3 (4) 図 1 各抵抗には 図 2 抵抗には電流が流れないので,すべてのコンデンサーに電圧 V0 [V] がかかっている.以上よ り,C3 ,C4 ,C5 の電気量は,いずれも CV0 [C]. q1 q2 1 4πε0 r2 II (1) 重力の斜面方向成分を考えて,a = g sin α [m/s2 ] g sin α (2) 右図のように考えると,見かけの重力の大きさは g ′ = g cos α とわかる (向きは台 α 車床面に垂直). √ T = 2π √ L = 2π g′ L g cos α g′ [s] α g (3) 最大の速さを v とすると,エネルギー保存則より, 1 mv 2 2 ... v 2 = 2gL cos α(1 − cos β). m · g cos α · L(1 − cos β) = 遠心力を考慮して力のつり合いを考えれば, S = mg cos α + m v2 = mg cos α (3 − 2 cos β) [N] L (4) θ = 0 のとき,台車床面に平行に投射されたことになる. 見かけの重力は台車床面に垂直向きなので · · · d.放物線を描いて落下する. θ = β のとき,台車から見た小球の速度は 0. 台車床面に向かって自由落下するので · · · a.台車床面への垂線に沿って落下する. √ √ L T′ (5) 台車は等速直線運動しているので,T ′ = 2π より = cos α 倍. g T (6) 台車は加速度運動しているので,見かけの重力の大きさは T = T ′′ であることを用いると,(1),(2) より, L′ = L √ g 2 + a2 = g cos α √ 1 + sin2 α cos α 倍. √ √ g2 + a2 ′′ となり T = 2π L′ √ . g 2 + a2 III (1) ① 缶についての力のつりあいより,P1 S = M g + P0 S . ② ボイルの法則より,P0 SH = P1 S × (H − y). ③ 缶の中の水面の高さで缶の内と外とで圧力が等しいことから,P0 + ρ × (x − y) × g = P1 . ④ ①より,P1 = P0 + Mg S ⑤ ②を y について解き④を代入すると,y = H . 1 + PM0 Sg ⑥ ③を x について解き④を代入すると,x = y + M ρS . ⑦ 水没しない条件は,x < = H だから,⑤,⑥を代入して,M の 2 次不等式を得る.これを M > 0 √ 1 + 4ρgH −1 P0 S P0 の範囲で解けば,M < × = g 2 (2) ⑧ 缶についての力のつりあいより,P2 S = M g + P0 S . ⑨ 缶の最下部の深さでの缶の内外の圧力が等しいことから,P2 = P0 + ρg × z . ⑩ ⑧より,P2 = P0 + Mg S . ⑪ ⑨を z について解き,⑩を代入すれば,z = ⑫ ボイル・シャルルの法則より, ( ) Mg ば,T = 1 + × T0 P0 S M ρS P2 SH P0 SH = .よって,T について解き,⑩を代入すれ T T0 IV (1) ① H1 に対する H3 での位置エネルギーが正であればよいので,a. qV1 > 0. ② 速度が磁場に垂直で,ローレンツ力のみを受ける運動なので,等速円運動 ③ フレミングの左手の法則より,a. q > 0. k v2 の等速円運動なので,運動方程式は m = qvB . 2 k/2 qBk これを解いて v = [m/s] 2m ④ 半径 (2) H3 での位置エネルギー qV1 よりも H4 での位置エネルギー qV2 が大きい場合なので, q > 0 より,V1 < V2 H2 に戻ったときの速さは (1) の v に等しいので,その後 (1) と同じ半径の等速円運動をする.ま た,2 度目に H2 を通過した直後のイオンが受けるローレンツ力の向きは A → C の向きである.以 k 上より「H1 から H2 までと同じ半径 の円軌道を,時計回りで等速円運動する」 2 √ 2qV1 1 . 2 ..v= . (3) イオンは電位差 V1 で加速されているので, mv = qV1 2 m 8V1 q この値は (1) ④の v と等しいので,比電荷 = [C/kg] m B 2 k2 (4) サイクロトロン周期の π Bk2 1 πm 倍なので,T1 = = · [s] 2 qB 8 V1 (5) H1 から H2 までに比べて円運動の半径が 2 倍となっていることから,イオンの速さは 2 倍,運動エ ネルギーが 4 倍となっていることがわかる.q(V1 − V3 ) = 4 · qV1 より,V3 = −3V1 [V] (6) T2 もサイクロトロン周期の 1 倍なので,T2 = T1 [s] 2 講評 I 小問集合 (標準的):(3) の雨粒の運動の問題の数値計算で時間をかけ過ぎないようにしたい. II 非慣性系内での単振り子 (標準的):見かけの重力を用いて手早く済ませたい. III 水圧と気体の状態変化 (標準的):(1) ⑦の 2 次不等式の計算が面倒だがあとは易しい. IV 電場,磁場内の荷電粒子の運動 (標準的):連鎖的にミスし易い問題なので気をつけたい. 総じて,今年度前期の問題より解きやすい.全体で 8 割程度は取っておきたい. 医歯学部進学予備校 メビオ 〒540-0033 大阪市中央区石町2-3-12 ベルヴォア天満橋 TEL 06-6946-0109 FAX 06-6941-9416 http://www.mebio.co.jp/
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