兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) - 兵庫県立健康生活科学研究所

平成 26 年 11 月 27 日発行
兵庫県感染症発生動向調査週報(速報)
平成 26 年第 47 週(11 月 17 日~11 月 23 日)
兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
Hyogo Infectious Diseases Weekly Report
全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です)
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の定点あたり患者数は今週 9.15 人
(先週は 8.00 人)と増加を続けています。地域的に
感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内)
は中播磨保健所管内が、警報の開始基準である定点
20
あたり患者数 20 人以上となっています。
平成22年
18
感染性胃腸炎は多種多様な原因による症候群です
16
が、この時期の患者はノロウイルスによるものが多
12
いと言われています。ノロウイルスによる感染症や
人 10
平成23年
平成24年
14
平成25年
平成26年
8
食中毒の集団発生も全国的に報告されています。ノ
6
ロウイルスは患者の大便や吐物中に大量に含まれて
4
2
おり、感染力が非常に強いウイルスです。感染を拡
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
大させないためには、手洗いの励行を基本に、吐物
などの後始末を素手で行わない、二枚貝類は十分に
加熱して食べるなどの注意が重要です。
インフルエンザ
インフルエンザの定点あたり患者数は今週 0.72 人(先週は 0.32 人)と増加を続けています。地域的には
明石、加東、豊岡、洲本の 4 保健所管内が、流行開始の目安とされる定点あたり患者数 1 人以上となってい
ます。
学級閉鎖等の状況では、今週は、淡路地域の小学校と中学校から学年閉鎖が各 1 件、東播磨地域の小学校
から学級閉鎖が 1 件報告されています(先週は学年閉鎖と学級閉鎖が各 1 件でした)
。
当研究所では今シーズン、県内の患者から AH3N2 亜型(A 香港型)6 件のインフルエンザウイルスを検
出しています。
インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン
ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。
左グラフの部分拡大図(27週~52週)
インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内)
50
2
平成22年
平成22年
平成23年
40
平成23年
1.5
平成24年
平成24年
平成25年
30
平成25年
平成26年
人
人
平成26年
1
20
0.5
10
0
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
27
30
33
36
39
42
週
45
48
51
平成 26 年 11 月 27 日発行
定点あたり患者数の上位 10 位の疾病
定点あたり患者数
疾病名
今週
増減
疾病名
先週
定点あたり患者数
今週
増減
先週
1位
感染性胃腸炎
9.15
8.00
+1.15
6位
手足口病
0.55
0.28
+0.27
2位
RS ウイルス感染症
1.74
1.91
-0.17
7位
流行性角結膜炎
0.54
0.80
-0.26
3位
A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
1.71
1.57
+0.14
8位
突発性発しん
0.53
0.48
+0.05
4位
水痘
1.07
1.15
-0.08
9位
咽頭結膜熱
0.42
0.28
+0.14
5位
インフルエンザ
0.72
0.32
+0.40
10 位
流行性耳下腺炎
0.20
0.20
±0.00
検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
気管支炎患者 4 名(1 歳 10/23 鼻汁採取、 10 か月 11/1 鼻汁採取、1 歳 11/6 鼻汁採取、 1 歳 11/10 鼻
汁採取)から RS ウイルスを検出しました。
全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)
1 類感染症
報告はありません。
2 類感染症
結核 19名(神戸市 7 名、姫路市 1 名、西宮市 1 名、伊丹保健所管内 3 名、加古川保健所
管内 5 名、加東保健所管内 1 名、龍野保健所管内 1 名)
3 類感染症
腸管出血性大腸菌感染症 2名(有症者 0 名、うち HUS 0 名)(①尼崎市;O157 VT1VT2;
女性 30 歳代、②洲本保健所管内;O157 VT2;女性 60 歳代)(累積報告数 109 名;有症者
87 名、うち HUS 4 名)
4 類感染症
報告はありません。
5 類感染症
アメーバ赤痢 1名(伊丹保健所管内;腸管外アメーバ症;男性 60 歳代;感染地域:兵庫県;
感染経路:不明)
侵襲性肺炎球菌感染症 1名(神戸市;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明)
梅毒 1名(神戸市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 40 歳代;感染地域:国内;感染経路:異性間
性的接触)
平成 26 年 46
週までに診断
されたものの
報告遅れ
結核 1名
侵襲性インフルエンザ菌感染症 1名
侵襲性肺炎球菌感染症 1名
梅毒 1名
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1名
目で見る動向(県内)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の
定点あたり患者発生状況(県内)
RSウイルス感染症の定点あたり患者発生状況(県内)
3
3
平成22年
2.5
平成22年
平成23年
2.5
平成24年
2
平成25年
平成23年
平成24年
2
平成26年
人 1.5
平成25年
平成26年
人 1.5
1
1
0.5
0.5
0
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
週
平成 26 年 11 月 27 日発行
侵襲性肺炎球菌感染症の累積患者数(県内)
梅毒の累積患者数(県内)
100
40
平成25年
80
35
平成26年
30
60
25
人
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
人 20
40
15
20
10
5
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
0
週
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
アメーバ赤痢の累積患者数(県内)
腸管出血性大腸菌感染症の累積患者数(県内)
50
40
平成22年
200
平成23年
180
平成24年
160
平成25年
30
140
平成26年
人
人
20
120
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
100
80
10
60
40
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
20
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。
また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。