トヨタ自動車株式会社 住所 〒471-8571 愛知県豊田市トヨタ町1番地 ホームページ URL 1. http://toyota-saiyo.com/ 会社概要 創立 1937 年 資本金 3,970 億 5 千万円(2014 年 5 月現在) 業績 売上高 : 【単体】11 兆 421 億円(2014 年 3 月期), 【連結】25 兆 6,919 億円(2014 年 3 月期) 営業利益:1 兆 8,384 億円(2014 年 3 月期) 従業員数 【単体】68,240 人(2014 年 3 月末現在)、 【連結】338,875 人(2014 年 3 月末現在) 事業内容 自動車の開発・生産・販売・アフターサービス 2. 会社の特色 自動車は約 3 万点もの部品からつくられており,多くの人,あらゆる領域が関わりあっている.また,クルマを開発し, 世界中に提供するというビジネスは,数千人規模の人々が関わるプロジェクトになるため,社員一人ひとり自らあるべき 姿を考え,周囲を巻き込み行動することが求められる.多くのメーカーが海外展開をしているため,仕事のフィールドも グローバルである.トヨタ車は世界 27 ヶ国/地域に 52 の海外製造事業体があり,170 ヶ国/地域以上で販売されている. 全ての領域の仕事で,常に「世界」という視点を持つことが求められており,自分達が携わったクルマは,世界中のお客 様の生活を支え,ひいてはその国の産業や経済にも影響を与える. 3. 燃料電池車「MIRAI」の開発 近年,地球温暖化対策として,自動車の CO2 排出量削減・燃費向上の必要性は益々高まっており,低排出ガス・低燃費 車の普及・拡大が進んでいる.1997 年に世界初の量産ハイブリッドシステムを搭載したプリウスを発売して以来,シス テムに多くの改良を加えながら SUV,ミニバンからサブコンパクトまで幅広いラインナ ップのハイブリッド車を開発し,コア技術として蓄積してきた.一方,石油に代わる 代替燃料にも注目が集まっており,電気・水素・天然ガス等の各燃料の特徴を活かし, 全方位で車両の開発を進めている.今回,多様な一次エネルギから作ることができ, 使用時に CO2 を発生しない水素を燃料とする燃料電池車 MIRAI を開発した. 3.1 図 1.燃料電池車 MIRAI 開発の狙い 次の 100 年のために水素エネルギ社会実現の先駆者として,これまでに無い新しい価値を提供できるクルマをコンセプ トに,キーワードを「H2 pioneer for the next century」とした.そのために MIRAI が満たすべき要件は,①高い信頼 性で小型かつダントツ高効率な燃料電池(FC)システム,②高い動力性能・走る楽しさ(操縦安定性・乗心地)を有し,様々 なお客様に選ばれる実用性の高いセダンパッケージ,③一目で燃料電池車(FCV)と分かる先進的なデザイン る. の 3 つであ 3.2 FC スタック 今回,自社開発した FC スタックの概要を図 2 に,FC システムの配置レイアウトを図 3 に示す.新型 FC スタックは, 世界トップレベルの性能を実現するとともに,小型化により車両シートの下に配置することを可能にした. 図 2(左).新型 FC スタック概要 図 3(上).FC システム配置レイアウト 3.3 操縦安定性,乗心地 前述の通り,MIRAI では FC ユニットを床下搭載す ることにより,低重心かつ前後バランスの良さを実 現した.また,フロントおよび RR サスペンションの 取付点(着力点)近辺のボデー各部位に補剛部品を設 定(図 4)することで,従来のトヨタ FF 車に対し,40 ~60%のねじり剛性 UP を果たした.さらに,床裏全 体をフルカバー化し,外形デザインにも工夫を加え ることで(図 5) ,空力性能の向上に貢献させた.こ れらの結果,操縦安定性と乗心地性能を高次元で両 立させることができ(図 6),走る楽しさを感じて頂け 図 4.ボデー補剛部品の一例 るクルマを実現した. 図 5.空力性能向上アイテムの一例 3.4 図 6.操縦安定性・乗心地性能比較 おわりに 燃料電池車 MIRAI を開発し, 「小型かつ高性能な FC システム」 「高い動力性能・操縦安定性・乗心地」 「先進的なデザイ ン」を実現した.このクルマをきっかけに,水素社会の実現に向けて,社会へ少なからぬ貢献を果たすことができれば幸 いである.世界中の多くのお客様に試乗頂き, 「FCV の世界」を体感して頂きたい. 問合せ先: 人材開発部 採用・計画室 E-mail: (技術系)[email protected]
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